ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

The Dub Master / King Tubby

2024年12月27日 | レゲエ・スカ

The Dub Master / King Tubby (2011)

9月のエイドリアン・シャーウッド(Adrian Sherwood)の来日公演の直前に久しぶりにダブ・レゲエを聴いて、気分が盛り上がり購入した1枚。ダブの王様、ミキサーのキング・タビ―(King Tubby)に焦点を当てた編集盤。各アーティストの曲で彼がダブを手掛けたヴァージョンが詰め込まれている。収録アーティストと曲は以下の通り。

01 Augustus Pablo – King Tubby Meets The Rockers Uptown
02 Jackie Edwards & The Aggrovators – The Invasion (Version)
03 Dennis Brown & The Observers – No Conscience
04 Johnny Clarke & The Aggrovators – A Ruffer Version
05 Rupie Edwards All Stars – Buckshot Dub
06 Horace Andy & The Aggrovators – A Better Version
07 The Observer – Youth Man
08 Tommy McCook & The Aggrovators – Jah Love Rockers Dub
09 The Techniques All Stars – Stalag 17 Version
10 Owen Gray & The Aggrovators – I Trim The Barber (Cut Through Dub)
11 The Upsetters – Three Times Three
12 Cornel Campbell & The Aggrovators – A Dancing Roots Version
13 Augustus Pablo  – The Big Rip Off
14 Johnny Clarke  & The Aggrovators – A Harder Version
15 Horace Andy & Mafia All Stars – I'm Alright Version
16 Dennis Brown & The Observers – New Style
17 Leroy Smart & The Aggrovators – Channel One Feel It
18 The Upsetters With Dillinger – Dub Organiser
19 Lord Creator & Eccles' All Stars – Kingston Dub Town
20 Tommy McCook & The Aggrovators – African World Wide

学生の頃にこの辺りの音源にハマってよく聴いたのだが、当時はレコードが主流で今ほど親切で高音質な編集盤は無いし、そもそも関する情報が圧倒的に少なかった。CDではほとんど出ていないので中途半端なレコードに手を出して酷い音だったり、ジャケ買いして失敗したりと散々(苦笑)。それでも時間だけは沢山あったのでよく聴いた。ここに収録されている曲や強調されたリズムも耳に馴染みのあるものが多い。何しろ今では当たり前の”ヴァージョン”というリメイクの手法が革新的で大好きだった。

これだけのアーティストを手掛け、しかも大昔の人ではないのにキング・タビ―はずっと謎が多い人物。最近でこそネットを調べれば彼のバイオグラフィーは出てくるが、当時(80年代後半~90年代)はジャケットにクレジットされている名前や、他のアーティストの記事でしか知らなかったもんなァ。こういうバスドラとベースがドンドンブンブン鳴り響く音源は、やはり低音をしっかり再現出来るサウンド・システムが必要。ウン十年振りに再構築したオーディオ・システムで爆音で鳴らしたら快感。

ネット・ショップにて購入(¥780)

  • Label ‏ : ‎ Imports
  • ASIN ‏ : ‎ B06XSSLDMX
  • Disc ‏ : ‎ 1
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Protest Songs 1924-2012 (Deluxe Edition) / The Specials

2024年07月06日 | レゲエ・スカ

Protest Songs 1924-2012 (Deluxe Edition) / The Specials (2021)

故・テリー・ホール(Terry Hall)が参加した最後のスペシャルズ(The Specials)のオリジナル・アルバム。デラックス・エディションと銘打っているが、ボーナスのライヴが2曲追加されているだけの1枚物。タイトル通り12曲のプロテスト・ソングのカヴァーが収録されている。2トーン・スカのオリジネーターなのでカテゴリーは”スカ”に入れたが、ここにはスカのスタイルの曲は1曲も無い。メンバーが後に語ったインタヴューによると、米国ミネアポリスで拘束された黒人男性が警察管に殺された事件への回答としてプロテスト・ソングが選ばれ、世界中を恐怖に陥れたパンデミックという状況が大きく影響を与えているのだとか。特にスカというスタイルにはこだわらなかったそう。ここでカヴァーされている曲とオリジナル・アーティストは以下の通り。

01. Freedom Highway(The Staple Singers 1965)
02. Everybody Knows(Leonard Cohen 1988)
03. I Don’t Mind Failing(Malvina Reynolds 1967)
04. Black, Brown & White(Big Bill Broonzy 1938)
05. Ain’t Going To Let Nobody Turn Us Around(The Dixie Jubilee Singers 1924)
06. F__k All The Perfect People(Chip Taylor & The New Ukrainians 2012)
07. My Next Door Neighbor(Jerry McCain & His Upstarts 1957)
08. Trouble Every Day(The Mothers Of Invention 1966)
09. Listening Wind(Talking Heads 1980)
10. I Live In A City(Malvina Reynolds 1960)
11. Soldiers Who Want To Be Heroes(Rod McKuen 1963)
12. Get Up, Stand Up(Bob Marley & The Wailers 1973)

時代も曲調も人種も幅広い選曲。ベタな(失礼)ボブ・マーリーなんかもある一方、トーキング・ヘッズなんかを選曲しているのは面白い視点だし、彼らもリアル・タイムでは無かったろう戦前の曲が選ばれているのも興味深い。やや太った体躯で無精ひげ、仏頂面で歌ういつものテリーの姿が目に浮かぶが、歳をとっても声は変わらず若く、あの声。プロテストといっても激しい歌い方ではなく、テリーもリンヴァル(Lynval Golding)も落ち着いた歌声。まさかテリーがこの歳になってバンドの再結成に加わるとは思わなかったが、ツアーまでやった彼らが、自分達のスタイルを捨ててまでスタジオで最後にこういうアルバムを作ったというのが感慨深い。

ネット・ショップにて購入(¥1,386)

  • Label ‏ : ‎ Island
  • ASIN ‏ : ‎ B099C5P59G
  • Disc ‏ : ‎ 1
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The Trojan Story : The Label That Defined Reggae / Various Artists

2023年11月16日 | レゲエ・スカ

The Trojan Story : The Label That Defined Reggae / Various Artists (2003)

スカ、レゲエを語るうえで欠かせない重要レーベル、トロージャン(Trojan)。他の数多のジャマイカン・レーベルと同様、その歴史や系譜は分かり辛いし現物のレコードは粗雑な造りだったが、90年代後半から英Sanctuary Recordsに買収されてグッとクオリティが上がり、様々なコンピ盤や再発盤が発表された。こちらそのTrojanの名曲をコンパイルした2枚組CD。当然英Trojanが出しているだろうと思ったらレーベルはMetroなるところ。廉価盤だったりとかするのか不明。収録曲は以下の通り。

<Disc 1>

1-01 Duke Reid - Judge Sympathy
1-02 The Techniques - Queen Majesty
1-03 Desmond Dekker & The Aces - 007 (Shanty Town)
1-04 The Pioneers - Long Shot
1-05 Clancy Eccles - Feel The Ridim
1-06 Slim Smith - My Conversation
1-07 The Untouchables - Tighten Up
1-08 The Ethiopians - Honk Kong Flu
1-09 The Upsetters - Return Of Django
1-10 Harry J & The Allstars - Liquidator
1-11 Dave Barker, The Upsetters, Tommy McCook & The Supersonics - Lock Jaw
1-12 The Maytals - Monkey Man
1-13 Tony Tribe - Red Red Wine
1-14 Lord Creator - Kingston Town
1-15 King Stitt - Herbsman (Shuffle)
1-16 Lloyd Dice And Mum - The Trial Of Pama Dice
1-17 The Kingstonians - Sufferer
1-18 Andy Capp - The Law
1-19 The Melodians - Sweet Sensation
1-20 U Roy - Wake The Town
1-21 Bob & Marcia - Young, Gifted & Black
1-22 Derrick Harriott - Slave
1-23 Nicky Thomas - Love Of The Common People
1-24 Bob Marley & The Wailers - Soul Shakedown Party
1-25 Bruce Riffin - Rain

<Disc 2>

2-01 Bob Marley & The Wailers - More Axe
2-02 Dave & Ansil Collins - Double Barrel
2-03 Bob Marley & The Wailers - Trenchtown Rock
2-04 Jr. Byles - Beat Down Babylon
2-05 Max Romeo & The Upsetters - Public Enemy No. 1
2-06 Rue Lloyd - Loving You
2-07 Bob Andy - Life
2-08 Judge Dread - Bix Six
2-09 I Roy - Cow Town Skank
2-10 The Heptones - Cool Rasta
2-11 Big Youth - S.90 Skank
2-12 Ken Boothe - Everythin I Own
2-13 John Holt - Help Me Make It Through The Night
2-14 Dennis Brown - Why Seek More
2-15 The Observer Allstars & king Tubby - Casanova Dub
2-16 Johnny Clarke - Enter Into His Gates With Praise
2-17 Prince Far I - Heavy Manners
2-18 Marie Pierre - Nothing Gained (From Loving You)
2-19 Sugar Minott - The People Got To Know
2-20 Barrington Levy - Poor Man Style
2-21 Dennis Brown - History

スカ、レゲエ好きなら誰でも知っている外せない有名曲、有名アーティストから、少しマイナーな所まで幅広く選曲されている。音からすると牧歌的にも聴こえる古い曲も、実際は社会的な不遇を歌っていたりしてその内容はシビアなものが多い(もちろんただのラヴ・ソングやポップスもある)。ここに収録されている古参アーティストも80年代後半に起こったダンスホール・レゲエのブームで復活したりしているのが興味深い。

ブックオフにて購入(¥493)

  • Label ‏ : ‎ Metro UK
  • ASIN ‏ : ‎ B00008Z1UM
  • Disc‏ : ‎ 1
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Reggae With Soul : The Roots Of / Bob Marley And The Wailers

2023年10月10日 | レゲエ・スカ

Reggae With Soul : The Roots Of  / Bob Marley And The Wailers (2010)

気に入って時々見付けては買っている英デーモン・レコードの「Music Club」シリーズ。2枚組で対象アーティストの代表音源をたっぷり収録していてお買い得。今回購入したのは「The Roots Of ~」と題されたボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ(Bob Marley & The Wailers)の45曲。といっても世界的に売れた73年からのアイランド・レーベル期ではなく、その少し前の1968年から72年までのレスリー・コング(Leslie Kong)やリー・”スクラッチ”・ペリー(Lee “Scratch” Perry)がプロデュースした所謂JAD音源(←当時のジャマイカは契約もいい加減で、二重契約になったりすることも多く、特にボブの死後にこれら音源が乱発されて色々と問題になった)。過去にも色んな形で同様のコンピ盤を買っているが細かい聴き比べとかはしないので、もうどのテイクがどうとか全然分からない。安ければ流し聴きする為に買う、くらいの心持で購入。

後にアイランドで再録音し世界的に認知されたヒット曲も、ここではオーヴァー・ダヴとかのないシンプルで素のままの演奏が聴ける。これが元々デモ音源だったのか、ちゃんと本国で発売されたのかは知らないが。長く聴いているとこっちの素朴で泥臭い録音(とはいっても奇才がやっているんだが)の方がしっくりと体に馴染んでくるのが不思議。世界に打って出たアイランドの約7年間の前にもうすっかり曲群が出来上がっていたことには改めて驚かされる。これを聴いた後にまた後年のアイランド音源を聴くと、昔とまた違った印象を受けたりするのも面白い。

ネット・ショップにて購入(¥480)

  • Label ‏ : ‎ Music Club Deluxe
  • ASIN ‏ : ‎ B0036V0VXQ
  • Disc ‏ : ‎ 2
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King Tubby Meets Rockers Uptown / Augustus Pablo

2023年09月16日 | レゲエ・スカ

King Tubby Meets Rockers Uptown / Augustus Pablo (1976)

1976年に発表されたオーガスタス・パブロ(Augustus Pablo)のアルバム。タイトル通りキング・タビ―(King Tubby)との共作で、チープなアルバム・カヴァーに反してレゲエにおける”ダブ”という手法を語る上で外せない1枚。と言いつつも自分は今までオーガスタス・パブロのアルバムは1枚も持っておらず、様々なコンピレーション盤で聴いていた程度。パブロを含む同年代のジャマイカのミュージシャンのディスコグラフィーはとにかく分かり辛く、今と違って80年代とかにはあまり参照できるような資料、文献も多くなく、それさえも正しいかどうか分からない状況だった。エンジニアのキング・タビ―はダブを語る上で一番最初に名前が出る重要人物。にも関わらず彼の素性ってあまり伝わってこず、映像を含めて資料は未だに多くないし、自分もあまりよく知らないまま。アルバムにはロビー・シェイクスピア(Robbie Shakespeare)や、バレット兄弟(Aston "Family Man" Barrett、Carlton "Carlie" Barrett)が参加している。

普通アルバムではキャッチーな曲が先頭だが、こちらはいきなりダブ。ヴォーカル無しでグッと腰を落とした分厚いベースとドラムスの音に、エフェクトのかかったギターが加わり、後にスタンダードになるダブの空間が拡がる。カッコイイ。パブロはピアニカ(英語ではMelodica)を駆使した先駆だとか。これがまた楽器のチープさを感じさせず雰囲気があっていい感じ。後のレゲエ・アーティストの多くはこのサウンドを模している。バックの演奏もさすが名うてのミュージシャン。彼らはこの後もっと有名になるが、ここでも安定した音と痺れるフレーズを紡いでいる。以前からダブのアルバム(主にアナログ)は持っていたが、やっぱり王道のここから聴くべきだった。さて次はどこに手を付けたらいいんだろう、パブロ?キング・タビ―?。

ネット・ショップにて購入(¥680)

  • Label ‏ : ‎ Shanachie
  • ASIN ‏ : ‎ B000000DY6
  • Disc ‏ : ‎ 1
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Greatest Hits / The Selecter

2023年05月25日 | レゲエ・スカ

Greatest Hits / The Selecter (1996)

2トーン・スカの代表的なバンドのひとつ、コヴェントリー出身のザ・セレクター(The Selecter)のベスト盤CD。元々バンドはスペシャルズ(The Specials)のメンバーとも重なって組まれていたそう。デビューもスペシャルズのシングル「Gangsters」のB面のインストゥルメンタル曲「The Selecter」が最初。それから女性ヴォーカルのポーリン・ブラック(Pauline Black)が加わって名作ファースト「Too Much Pressure」が発表される。自分は彼らのアルバムをレコード盤で所有しているが、1枚目はこれぞ2トーンといった快活なスカだが、2枚目はガラッと雰囲気が変わって落ち着いているのが印象的だった。ただしバンドはこの2枚だけで解散。主要メンバーだったNeol Daviesとポーリンは90年代にバンドを再結成したが、その後袂を分かってそれぞれがバンド名を名乗って活動しているそう。

ベストだとやはりファーストの曲が中心だろうなと思ったのだが、ここではファースト、セカンドから意外とバランス良く選曲されている。自分は好きだったけれどセカンドってそんなに評価が高かったっけ。その分、ファーストで馴染みのある曲がオミットされているので若干消化不良にもなるが、バンドを俯瞰するという意味ではなかなかの内容だと思う。労働者階級の若者の日常を題材にしたオリジナル曲はもちろん、古いスカの曲のカヴァーも上手く消化しているし、テイストの似た2トーン・スカの曲群の中にあってやはりポーリンのヴォーカルが光ったバンドだった。あれ、でも改めて自分ちのCD棚を見てみたら、全く同じCDが既に…。安かったからいいけど、またやってしまった…。

中古店にて購入(¥330)

  • Label ‏ : ‎ Emd Int'l
  • ASIN ‏ : ‎ B0000073OU
  • Disc ‏ : ‎ 1
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Ska Madness 2 / Various Artists

2023年03月21日 | レゲエ・スカ

Ska Madness 2 / Various Artists (2012)

以前にも購入した2 Tone Ska世代に焦点を当てたスカ、レゲエの原曲集「Ska Madness」。その第2弾は副題を「Another 20 Reggae Classics Which Inspired A Generation」と変えて20+2曲を収録。前回はツートーンのアーティストが影響を受けたりカヴァーした曲に絞っていたが、こちらはちょっと間口を拡げたような選曲になっているようだ。収録アーティストと曲は以下の通り。

01 Desmond Dekker & The Aces – Israelites
02 Dave & Ansel Collins – Monkey Spanner
03 Toots & The Maytals – Pressure Drop
04 Boris Gardiner – Elizabethan Reggae
05 Eric Donaldson – Cherry Oh Baby
06 The Paragons – The Tide Is High
07 The Melodians – Sweet Sensation
08 The Jamaicans – Ba Ba Boom
09 The Paragons – Wear You To The Ball
10 John Holt – Ali Baba
11 The Upsetters – Return Of Django
12 Symarip – Skinhead Girl
13 Tony Tribe – Red Red Wine
14 The Untouchables – Tighten Up
15 Pat Kelly – (If It Don't Work Out) Then You Can Tell Me Goodbye
16 Jimmy Cliff – Wonderful World, Beautiful People
17 Bob & Marcia – Young Gifted And Black
18 Nicky Thomas – Love Of The Common People
19 Horace Faith – Black Pearl
20 U-Roy & John Holt – Wear You To The Ball
21 Millie Small – Enoch Power
22 The Pioneers – Let Your Yeah Be Yeah

ロックやソウルのアーティストもカヴァーした有名曲や、スカ、レゲエを語るうえで外せない名曲の数々がずらり。中にはあまり有名でない曲もいくつか混ざっているが、昔ツートーンや映画「The Harder They Come」にハマってこの辺りを聴き倒している自分にはその位のバランスがちょうどいい。テーマを持ったコンピレーションとしての出来は前作の方が上回っているが、こちらも充分楽しめた。

ネット・ショップにて購入(¥524)

  • Label ‏ : ‎ Sanctuary UK
  • ASIN ‏ : ‎ B006J9I6WA
  • Disc ‏ : ‎ 1
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Original Album Series / Peter Tosh

2023年03月09日 | レゲエ・スカ

Original Album Series / Peter Tosh (2014)

安っぽい造りとはいえ簡易紙ジャケのアルバムが5枚入ってお得な「Original Album~」シリーズ。今回購入したのはピーター・トッシュ(Peter Tosh)。ご存じの通りウェイラーズ(The Wailers)のオリジナル・メンバーで、脱退後はソロとして活躍したが、1987年に強盗に撃たれて命を落としている。ここに収録されているアルバムは以下の通り。

Bush Doctor (1978)
Mystic Man (1979)
Wanted Dread & Alive (1981)
Mama Africa (1983)
No Nuclear War (1987)

時期的にはローリング・ストーンズ・レコーズと契約していた頃の3枚とEMIと契約していた2枚。自分が最初に買ったピーターのアルバムは1978年の「Bush Doctor」。ストーンズ(The Rolling Stones)のアルバムを集めていて関連アーティストも買うようになって手に入れた。アルバムにはミック(Mick Jagger)とキース(Keith Richards)が参加していて、プロデュースもグリマー・ツインズ(The Glimmer Twins・2人の変名)が担当している。

サングラスで分からないが眼光鋭く、主義(ラスタファリズム)を貫き、解禁(マリファナ)、アフリカ回帰、人権、反戦など、様々なメッセージ性の強い作品を発表していて、ここに収録されたアルバムにも主張がしっかり。彼の低音ヴォーカルはボブ・マーリー(Bob Marley)と並び立ち、ウェイラーズの音楽に深みを与えていたし、ソロ作品でも個性は際立っている。自分は先述の作品と、コロンビア時代の2枚は持っているが、残りのアルバムはしっかりと聴いたことがなかったので聴けて嬉しい。ちょっと遅きに失したけれど…。レゲエのベテラン勢は、流行した”ダンスホール”など大幅にスタイルを変えて生き長らえたアーティストもいるが、ピーターは亡くなるまで同じスタイルを貫いていたんだな。

ネット・オークションにて購入(¥1,198)

  • Label ‏ : ‎ Imports
  • ASIN ‏ : ‎ B00KM4787C
  • Disc ‏ : ‎ 5
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Dancehall Sessions / Various Artists

2022年06月30日 | レゲエ・スカ

Dancehall Sessions / Various Artists (2005)

80年代後半頃だったと思うがレゲエに新スタイルが登場。世間一般にまでは浸透しなかったが音楽好き、特にレゲエ好きには人気が出た。それが”ダンスホール・レゲエ”。どれもDJスタイルで、シンプルな打ち込み系ビートにトースティング(言葉)を乗せていくラップ・スタイルが特徴。当時盛んに開催された海外のレゲエ・フェスティバルでは、バックバンドは共通でシンプルにビートを刻み、入れ替わり立ち替わりアーティスト(シンガー)が登場するスタイルで効率的だった。正直このブームは長続きした訳ではなかったが、古いいわゆる”ルーツ・ロック・レゲエ”に対する若い連中の表現方法だったと記憶する。その中にはこのスタイルに変身して作品をする大御所も。

この”~Sessions"シリーズは玉石混交だが、流して聴くにはなかなか重宝していて、以前にも「Funk 45~」「Harlem~」「Blues & Soul~」そして「Dancehall~2」などを購入している。こちらはその第1弾。収録アーティストと曲は以下の通り。

01 Anthony Red Rose - Bangarang
02 Dawn Penn - No No No
03 Chaka Demus & Pliers - Tease Me
04 Pinchers - Bandolero
05 Frankie Paul - Little Walter
06 Shabba Ranks - Must Have Fe Learn
07 Flourgon & Ninjaman - Zigitup (Main Attraction mix)
08 Wayne Palmer - Come See Me Ya
09 Peter Metro & Sister Charmaine - Dibby Dibby Girl
10 Sanchez - Are You Still In Love With Me
11 Delroy Wilson - It’s A Shame
12 Phillip Leo & CJ Lewis - Why Do Fools Fall In Love
13 Glamour Murphy – What The Woman Want
14 Jack Radics - Groovin’
15 Chaka Demus & Don Angelo - Love You To The Bone

01 Tenor Saw - Ring The Alarm
02 Half Pint - Mr Landlord
03 U Brown - Tu Sheng Peng
04 Anthony Red Rose - Under Me Fat Thing
05 Winsome & Tippa Irie - Superwoman
06 Red Dragon – Leave Yuh Man Alone
07 Cutty Ranks - What Can You Do
08 General Levy – Heat
09 Shabba Ranks - Love Punnanny Bad
10 Wayne Wonder - Spare Me
11 Leroy Gibbon - I’m In The Mood For Love
12 Frankie Paul - I Know The Score
13 Dirtsman – Impeccable
14 Papa Charjan & Jack Reuben - One Scotch, One Tennants, One Brew
15 Tenor Fly - The Bright Side Of Life

このスタイルの後、いくつか派生と思われるスタイルが誕生したが、正直言って現在では”終わっている”スタイル。でも当時聴いていた自分にとっては時代を感じさせる音楽であることは間違いない。歌詞なんて全然理解していなかったけれど、それは今に始まったことではないし、音が面白かったのでいくつか当てずっぽうでアルバムを買ったりしたなァ。一時とはいえ、どうしてこれにハマったんだろ?(笑)。ここにも収録されているフランキー・ポール、シャバ・ランクス、大御所デルロイ・ウイルソン、ハーフ・パイント、ティッパ・アイリーなど、収録されている面々が懐かしい。後はほとんど知らないアーティストばかり。

ネット・オークションにて購入(¥310)

  • Label ‏ : ‎ Sessions
  • ASIN ‏ : ‎ B00076SJKU
  • Disc ‏ : ‎ 2
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The Story Of Treasure Isle / Various Artists

2022年03月26日 | レゲエ・スカ

The Story Of Treasure Isle (2004)

何で知ったか思いだせないが、その渋い選曲に魅せられて手に入れたジャマイカン・ミュージックのコンピレーションCD2枚組。副題に”Reggae, Ska & Rocksteady Classics”とある通り、レゲエ前史にも焦点を当てた選曲で、一般的にはあまり有名でないがジャマイカ音楽史を語る際に重要なアーティストも多数収録していて興味深い。収録曲とアーティストは以下の通り。

1-01 Phyllis Dillon - Don't Stay Away
1-02 The Jamaicans - Ba Ba Boom
1-03 Dennis Alcapone - Ba-Ba-Ri-Ba Skank
1-04 The Sensations - Baby Love
1-05 Dennis Alcapone - DJ's Choice
1-06 The Paragons feat. Roslyn Sweat - Blackbirds Singing
1-07 Alton Ellis - Dance Crasher
1-08 Dotty & Bonny feat. Don Drummond - Dearest
1-09 Phyllis Dillon - Don't Touch Me Tomato
1-10 Alton Ellis - Girl I've Got A Date
1-11 Derrick & Patsy - Housewife's Choice
1-12 Joya Landis - Angel Of The Morning
1-13 Alton Ellis - La La Means I Love You
1-14 Freddie McKay - Love Is A Treasure
1-15 The Paragons feat. Roslyn Sweat - Mother Nature
1-16 Dobby Dobson - Loving Pauper
1-17 Joya Landis - Moonlight Lover
1-18 Phyllis Dillon - Love The One You're With
1-19 U Roy - Behold
1-20 Tommy McCook & The Skatalites - Eastern Standard Time
1-21 Justin Hinds & The Dominoes - Carry Go Bring Come
1-22 Baba Brooks - Musical Communion
1-23 The Skatalites feat. Don Drummond - Mesopotamia
1-24 Shenley Duffus - Rukumbine
1-25 Justin Hinds & The Dominoes - Rub Up Push Up
1-26 The Skatalites - Musical Storeroom

2-01 Claudette Miller  Tonight Is The Night
2-02 Alton Ellis - Willow Tree
2-03 Phyllis Dillon - The Love That A Woman Should Give A Man
2-04 The Techniques - There Comes A Time
2-05 The Tennors - Weather Report
2-06 The Paragons - The Tide Is High
2-07 The Techniques - Queen Majesty
2-08 Ken Parker - True True True
2-09 The Paragons - On The Beach
2-10 Tommy McCook & The Supersonics - Mabrak
2-11 Dennis Alcapone - No. 1 Station
2-12 The Skatalites feat. Don Drummond - Occupation
2-13 The Paragons - Only A Smile
2-14 Errol Dunkley - Where Must I Go
2-15 Phyllis Dillon - Woman Of The Ghetto
2-16 Alton Ellis - Why Birds Follow Spring
2-17 The Gladiators - You Were To Be
2-18 Justin Hinds & The Dominoes - Sinners
2-19 U Roy  & Hopeton Lewis - Tom Drunk
2-20 The Techniques - You Don't Care
2-21 Phyllis Dillon - Perfidia
2-22 Alton Ellis - Rocksteady
2-23 Clive & Doreen - What More Can I Do?
2-24 Monty Morris & Tommy McCook - Penny Reel
2-25 Stranger Cole - Rough & Tough
2-26 The Skatalites feat. Don Drummond - Feeling Fine

レゲエは元々土着の音楽とか民族音楽という訳ではなく、それらが60年代にアメリカなどからラジオで流れてくるR&B等に影響を受けて発展していった比較新しいポピュラー音楽なので、ここに収録されているのも60年代の曲ばかり。大雑把に言うと、スカ~ロックステディ~レゲエという流れで発展していく。どれがどれっていうのは自分もはっきりとは指摘出来ないが、大体60年代初期から中期がスカ、中期から後期がロックステディ、そしてレゲエというのが一般的な認識か。自分は一時期凝ってこの辺りのレコードをかなり集めて聴いていたので、ここに収録されているスカタライツ(The Skatalites)はもちろんのこと、デニス・アルカポーン(Dennis Alcapone)やユー・ロイ(U Roy)、アルトン・エリス(Alton Ellis)なんかはコンピ盤に収録されていてよく聴いた。ただやはり一般的にはメジャーとは言い難い。後のボブ・マーリー(Bob Marley)らのように反体制的な歌詞の音楽も含まれているが、そうばかりではない牧歌的な曲やラヴ・ソングも多い。にしても最近はこういうある種マニアックな曲を手に入れるのが本当に簡単になったなァ。聴こうと思えばYouTubeなんかですぐに聴けるし。幸せではあるけれど…。

amazonにて購入(¥351)

  • Label ‏ : ‎ Metro Music
  • ASIN ‏ : ‎ B0002OHZH0
  • Disc ‏ : ‎ 2
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