ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Bitches Brew 40th Anniversary Collector's Edition (DVD+3CD) / Miles Davis

2024年06月15日 | DVD

 

Bitches Brew 40th Anniversary Collector's Edition / Miles Davis (2015)

ジャズ史を語るうえで外せない1970年の問題作「Bitches Brew」(ジャケット写真下)。エレクトリックを導入したマイルス(Miles Davis)が早い段階で到達した極み。もちろんこれをジャズではないという人はいまだに居るだろうし、自分もジャズかと訊かれるとちょっと違うと思ってしまう。こちらはそんな名作の2010年に発表された40周年記念盤からアナログ盤を抜いた新装版3CD+1DVD。発売は2015年。名盤だけに1998年には「The Complete Bitches Brew Sessions」なるボックスも発表されたが、水増しというかそれ入れちゃっていいの?という時期の曲も収録されてファンからは疑問符が付いた。こちらはオリジナル・アルバムに加えて別テイクとシングル・ヴァージョン、そして70年Tanglewoodでのライヴ、DVDは1969年コペンハーゲンでのライヴ映像という内容で時期的には妥当。

たまに聴いても都度ゾクゾクするオリジナルのスリリングな冒頭。今では当たり前だが、このレコーディングは録音された素材をプロデューサーのテオ・マセロ(Teo Macero)が編集しまくった言わばツギハギ。当時はまだ珍しかった手法だそう。テオの名前はマイルスと併記されてもいいくらいの貢献度だ。出来上がった音を聴いたら演奏したメンバーも面食らっただろうなァ。これがどの程度当時マイルスの頭の中で出来上がっていた音楽とシンクロしているのか分からないけれど、完成した音楽はジャズの垣根を軽々と飛び越えている。ただアルバムを通して聴くとどっと疲れが(笑)。

Tanglewoodでのライヴは映像も残されている有名音源だけれど、プロモーターのビル・グラハム(Bill Graham)所有の音源を大量に発表したWolfgang's Vaultの音源と同じかな(←ライナー読め)。あれは2000年代初め頃だったろうか。急にサイトで様々なアーティストの貴重なサウンドボード・ライヴ音源が次々と発表され、当時自分はリッピングで寝る暇も無かった(笑)。即興演奏の緊張感漂う中、マイルスも吹きまくっているし文句なしにカッコイイ。

コペンハーゲンでのライヴ映像はマイルスがカラフル(過ぎる)なシャツを着ている有名なもの。さすがオフィシャル、以前観たものより画像の解像度が上がっている。ステージ上は観客の存在はどこへやら、メンバーの間に緊張感たっぷりの張りつめた空気が漂っており、メンバーに演奏を任せたとばかりにマイルスが勝手にステージを外したと思えば、途中で入って来てあのトランペットの音色で均衡を破るひと吹き。カッコイイ。

ネット・ショップにて購入(¥1,746)

  • Label ‏ : ‎ Columbia
  • ASIN ‏ : ‎ B00TCAM9EO
  • Disc ‏ : ‎ 4
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Live At The Wiltern (DVD+2CD) / The Rolling Stones

2024年03月30日 | DVD

Live At The Wiltern (DVD+2CD) / The Rolling Stones (2024)

ストーンズ(The Rolling Stones)の2002年11月にロサンゼルスのWiltern Theatreでの公演完全版がCD、DVD化。当時はLicks Tourで、バンド初の試みとして1つのツアーでシアター、アリーナ、スタジアムと色々なフォーマットでライヴが開催され、会場規模に応じて選曲もマニアックにしたりという趣向を凝らしていた。この公演は当時から話題になり、一部の音源や映像は公式に発表されたり、BBCで放送されたりもした。もちろん当時から垂涎のセットリストでブートレグ(海賊盤)の餌食にも(←まんまと買った)。ハコのキャパは2,000人だそう。

今回もというか、最近はみな一緒だが、注文した輸入盤が届く前にネット上で全曲公開…。これ誰が得するんだろう?特に最近のイヤホンで聴けりゃ音質なんか構わないっていう人達は絶対フィジカルで買わずにリッピングするだけと思うが。せめて1ヵ月くらい後にすれば多少なりとも売上は増えるような気がするのだが…。

それはさておき、まずはCDから。この頃で既にオリジナル・アルバムの発表無しでツアーをするというキャリア総括的な意味合いもあったが、いやいやこうして聴くとまだ元気溌剌。メンバーもレアな曲が多いということでかなり試行錯誤が伺える演奏だが、次々と出てくる意外な選曲で、このハコに入ることが出来た筋金入りのファンは興奮のるつぼだったろう。ジャム派生でストーンズらしい曲といえばらしいが「Dance Part.1」なんか、ライヴではかなりまとめにくそうな曲だもんなァ。ゲストにメンバーにとってのレジェンドであるソロモン・バーク(Solomon Burke)が登場したりと特別感も凄い。

映像の方はブートは買っていなかったので、公式に発表されていた何曲かを除いて初見。いやァハコが小さいなァ。これは羨ましい。キース(Keith Richards)は相当気合が入っているようで狭いステージ上を動き回ってジャララーンとやっている。相変わらずミック(Mick Jagger)のパフォーマンスは凄い(当時59歳)。確かに3月の来日時も声が伸びまくっていたもんなァ。今は亡きチャーリーのクールなドラミングも懐かしい。上記の「Dance」の間奏でブラジルの楽器「クイーカ」(←ゴン太くんのアレ)のような音を出していたのはコーラスのリサ・フィッシャー(Lisa Fischer)の裏声だった。これ昔発売されたDVD「Four Flicks」では見逃していたところ。

こうしてリックス・ツアーの頃の演奏を聴いたり観たりすると、キャリア総括だったとはいってもバンドの充実度は最高潮のような気もする。自分はこの翌年のの来日公演で、武道館と大阪ドーム2日間の計3回の公演を観た。武道館は間違いなく生涯最高のライヴ(←自分の興奮状態が・笑)だったし、大阪では”キースぶち切れ事件”があったり、自分の前で酔った観客同士が殴り合って片方が完全にノックダウンしたという事件もあって、その頃の記憶が蘇ってきた。

amazonにて購入(¥3465)

  • Label ‏ : ‎ Mercury Studios
  • ASIN ‏ : ‎ B0CQPK4Q4V
  • Disc ‏ : ‎ 2
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Neil And Jack And Me (DVD) / King Crimson

2024年03月09日 | DVD

Neil And Jack And Me (DVD) / King Crimson (2004)

キング・クリムゾン(King Crimson)が80年代にVHS等で発売した映像「The Noise: Live in Frejus 1982」「Three of a Perfect Pair: Live in Japan 1984」の2つをコンパイルした便利なDVD。「Sleepless」のPVや写真などのおまけ付き。前者はフィルム撮影、後者はヴィデオ撮影。当時発売されたオリジナル・アルバム「Beat」('82)と「Three of a Perfect Pair」('84)に伴って行われたツアーからの映像。当時のメンバーは、フリップ(Robert Fripp)、エイドリアン・ブリュー(Adrian Belew)、トニー・レヴィン(Tony Levin)、ビル・ブルーフォード(Bill Bruford)の4人体制。いわゆるディシプリン期。

82年の映像はフィルムゆえなのか、ライヴ映像を前提としていなかったかのような暗めのライティングで、演者の表情も読み取りにくい(→フリップは明るいのが嫌いなのだとか)。フリップに関してはほぼブラック・アウト。でもそれが後ろで目を光らせているバンマスっぽくて彼らしい(笑)。オープニングはビル・ブルーフォードが1人叩くシモンズ(一世を風靡したシンセ・ドラム)に80年代っぽいショルダーの広いスーツを着たエイドリアンが加わる(そうそうエイドリアンはドラムも叩けるのだ!)。相変わらずニコニコと1人機嫌よく笑顔を見せて演奏が続いていく。

84年の方ではタイトルやら映像のエフェクトがいかにも80年代のヴィデオ作品という感じ。こちらにはメンバーのオフ・ステージの映像なんかも収録されていて、ある意味貴重。編集は日本側のそのままなのかな(←どうも別ヴァージョンもあるらしい)。最近でこそ面白い爺さんキャラで出ているフリップ翁だが、この頃はまだクールでにべもないという感じ。それでも表情さえ伺い辛い82年と違ってライヴ中のにこやかな表情や、ソロ時の悶絶の表情までしっかり見ることが出来て興味深い。エイドリアンは独特の(=変な)ファッション・センス全開(笑)。相変わらず1人だけニコニコと楽しそうな態度が浮いていて面白い。でもヴォーカルを担当しながら、あの変態ギターを弾き倒し、シモンズも叩く彼はやはり天才。才能が溢れまくっている。見ていて気付いたのだが、まだこの頃はステージに向かって紙テープを投げたりしてたんだなァ。

ネット・オークションにて購入(¥480)

  • Label ‏ : ‎ DGM
  • ASIN ‏ : ‎ B0002TT0GO
  • Disc ‏ : ‎ 1
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Straight No Chaser (DVD) / Thelonious Monk

2024年01月22日 | DVD

Straight No Chaser (DVD) / Thelonious Monk (2001)

1988年に公開されたジャズ・ピアノの巨人、セロニアス・モンク(Thelonious Monk)のドキュメンタリー映画。ビ・バップの創始の1人としてドキュメンタリー自体はかなり早い段階で企画されたそうだがなかなか製作にこぎつけず、結局製作総指揮をあのクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)が担当することになって映画化が実現したのだとか(クリント・イーストウッドはジャズに造詣が深いことで有名)。元になったのは80年代に発見された映像だそうで、1967年に西ドイツ(当時)の公共テレビがモンクに密着取材した時のものだそう。

モンクの映像を観ることはほとんど初めてだったが、スーツ姿にあの独特の帽子を被ったモンクがピーンと指を伸ばして弾く姿が印象的。ミス・タッチなど物ともせず鍵盤を叩くのだが、それがまた不思議な雰囲気となって曲を作っていくのが興味深い。指が流麗に鍵盤の上を転がるというよりはまさに叩くという感じ。他のパートの演奏中に立ち上がってステップ(?)を踏んだりと、レコードを聴くだけで分からない奔放なところが垣間見れるのも面白い。音楽と違って彼自身は雄弁ではないので余計にミステリアス。映像にご陽気なテオ・マセロ(Teo Macero)が出て来て初めて気付いたのだが、モンクの有名な作品はテオ・マセロがプロデュースしていたことを初めて知った。晩年は不遇で病気の為1982年に亡くなるまで約10年間はほとんど演奏は出来なかったそう。それでもこうして彼の強烈な個性を映像として観ることが出来るのはありがたい。

ネット・オークションにて購入(¥600)

  • 販売元 ‏ : ‎ ワーナー・ホーム・ビデオ
  • ASIN ‏ : ‎ B00005HXP5
  • ディスク枚数 ‏ : ‎ 1
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Live In Japan (CD+DVD) / 21st Century Schizoid Band

2023年09月07日 | DVD

Live In Japan (CD+DVD) / 21st Century Schizoid Band (2003)

キング・クリムゾン(King Crimson)の初期メンバーが終結して結成された「21st Century Schizoid Band」。これをカヴァー・バンド扱いしては叱られるだろうが、御大ロバート・フリップ(Robert Fripp)抜きなのだから微妙な感じは拭えない。このバンドがどういう経緯で結成されたのか全然知らないので分からないが、それでもバンド名の名付け親はフリップ自身という話もあるので公認のスピン・オフということなのだろうか。そのバンドが2002年に来日した時の音源と映像をパッケージした2枚組。参加しているメンバーは、

・ジャッコ・ジャクジク(Jakko Jakszyk – guitar, lead vocals, keyboards, flute)
・イアン・マクドナルド(Ian McDonald – alto saxophone, backing and lead vocals, flute, keyboards, piano, percussion)
・メル・コリンズ(Mel Collins – alto, tenor and baritone saxophones, backing vocals, flute, keyboards)
・ピーター・ジャイルズ(Peter Giles – bass, backing vocals, percussion)
・マイケル・ジャイルズ(Michael Giles – drums, backing and lead vocals, percussion)

の5人で、後に正式にクリムゾンのメンバーとして迎えられるジャッコ以外は初期のアルバムに参加していた面々。ちなみにジャッコはマイケル・ジャイルズの娘と結婚しているので義理の息子ということになる。やっぱりジャッコが話を持ち掛けて一緒にやるようになったのかな(※DVD収録のインタビューによるとマイケル・ジャイルズの発案だそう)。

初期クリムゾンといえば管楽器も重要な側面となっていて抒情的な展開の曲も多く、ディシプリン期以降のクリムゾンでは全くといっていいくらい演奏されなかった曲も多い。それがオリジナルなメンバーで再現されるのだから、初期からのファンには堪えられないだろう。後追いで、特にディシプリン期から聴き始めた自分にとっては正直初期の曲は聴き込みが足りず、このメンバーで演奏されることに対するありがたみが薄いのは申し訳ない気分(笑)。それでも確かに「Cat Food」のライヴ演奏なんてちょっとグッとくる。ジャッコは全編に渡って大活躍。

映像の方は曲数が多いので完全収録かもしれない。はっきり言ってメンバー全員見かけは地味なオッサンだし、ギャップが長かったメンバーも居るようだが、さすが腕っこきの連中だけあって初期の複雑な展開のナンバーもしっかりと再現していて聴き応えがある。ピーター・ジャイルズの立ち姿はカッコいいし、イアン・マクドナルドの多才ぶりは凄い(でも正直ヴォーカルは今ひとつ…笑)。なぜかCDの方は聴いていて焦点が定まらないというか弛緩するところもあるのだが(録音がちょっとフラットな感じで表現力に乏しいから?)、映像だとその辺りを補っていてより楽しめた。DVD視聴がお勧めです。このすぐ後に脱退したマイケル・ジャイルズがバンドのキモだったと思うんだけれど、何が原因だったんだろう。ここでは上手くいってると思うんだけどなァ…。

ネット・ショップにて購入(¥680)

  • レーベル ‏ : ‎ ユニバーサル インターナショナル
  • ASIN ‏ : ‎ B0000D8RJZ
  • ディスク枚数 ‏ : ‎ 1
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A Musical History (5CD+DVD) / The Band

2023年08月14日 | DVD

 

A Musical History (5CD+DVD) / The Band (2005)

お盆前にザ・バンド(The Band)のロビー・ロバートソン(Robbie Robertson)が亡くなったというニュースが入った。享年80歳。ちょうど彼らの歴史を布張りの豪華な本と5枚のCDと1枚のDVDに収めた集大成「A Musical History」を手に入れて聴いていたところだったので驚いた。うちには長姉か長兄が所有していたアナログのベスト盤(ジャケット写真下左)があるにはあったが全く聴くことはなく、後年になって解散時の映像作品、スコセッシ(Martin Scorsese)監督の「The Last Waltz」から入って、それからオリジナル・アルバムのリマスターCDを集めていったくらいの後追い。

 

以前この作品のエッセンシャルを抜粋した「The Best Of A Musical History」(ジャケット写真上右)を手に入れて聴いていたが、さすがにこの大作までは買ってもあまり聴かないかなと見送っていた。それでも彼らの歴史やディラン(Bob Dylan)との関係を追っているとやはり聴いてみたくなり、安値で見つけたのを購入。

4人のカナダ人と1人の南部アメリカ人が、The Hawksと名乗っていたロニー・ホーキンス(Ronnie Hawkins)やディランのバック・バンド時代から、The Bandと名乗って当時のロック界に大きな衝撃を与えたファースト、セカンドを始めとするオリジナル・アルバムに含まれる代表曲の貴重な別テイク、別ヴァージョン、ディランとの再共演、解散するまでの膨大なカタログから、ライヴ音源を含めて俯瞰しているという決定的な内容。

小中学生時代が70年代のニュー・ウェーヴや、80年代のMTV全盛時代にあった自分としては、彼らのある意味アーシーな感触の音や、哀愁漂うリチャード・マニュエル(Richard Manuel)の独特のファルセットを使ったりするヴォーカルに最初はなかなか馴染めなかった覚えがあるが、それが様々なルーツ音楽を咀嚼した芳醇な音楽として感じられるようになると、あの時代(60年代末)に大きなインパクトを与えた理由がだんだん分かって来るようになる。

6枚目のDVDは彼らの貴重な演奏映像をカラーで紹介。曲数は11曲とちょっと少ないが、自分はザ・バンド単独のカラー映像ってあまりしっかりと観たことがなかったので興味深かった。70年代といえば、かたやグラム・ロックやハード・ロック全盛で、男性ミュージシャンもギラギラにメイク・アップしていた時代。そこに彼らのように姿も衣装も地味過ぎるぐらいのアーティストが大活躍してスタジアムをいっぱいにしていたんだから不思議なもの。

ロビーに関しては、”勝手に「The Last Waltz」という企画を進めてバンドを解散に追い込んだ張本人”という日本の音楽評論家を含む見識を先に読んだりしてしまっていたので、”悪役”のイメージがなかなか拭えずに正当な評価がしにくかったが、ソロ作品等を聴くようになってだんだんそのイメージが払拭されていった感じ。90年代以降は自分の出自がインディアンであることを明かし、それに伴った音楽活動が中心となっていた。彼のようなビッグ・ネームであっても(それ故に?)そういった生い立ちを明らかにするのに抵抗があったんだなと意外に思ったものだ。R.I.P.

ネット・オークションにて購入(¥3,950)

  • Label ‏ : ‎ Capitol
  • ASIN ‏ : ‎ B000B19B6M
  • Disc‏ : ‎ 6

 

 

 Robbie Robertson (1943 - 2023)

 

 

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Shadows Kingdom (CD+DVD) / Bob Dylan

2023年08月11日 | DVD

Shadows Kingdom (CD+DVD) / Bob Dylan (2023)

80歳を過ぎてもまだまだ活動意欲が衰えない恐ろしき後期高齢者、ボブ・ディラン(Bob Dylan)。最新作は2021年にストリーミング限定フィルムとして公開された「Shadow Kingdom: The Early Songs of Bob Dylan」と題された映像作品のサントラ。ディランのかつての名曲の新解釈を行った作品で、LAのスタジオで録音されている。参加メンバーはクレジットされていない。ただ、言い辛いが自分が購入したのは実はブートレグ…(申し訳なし)。その映像を観ていないかったので是非観たいと、我慢できずにオフィシャルでないDVDとセットにされた物を購入してしまった。そもそもそんな映像あっての作品なのだから、オフィシャルもDVDとセットにして発売すべきだと思うのだがどうだろうか(←言い訳)。

映像はモノクロで、ジュークジョイントっぽい小さなクラブで演奏しているような雰囲気になっていて、観客(演者)も煙草を吹かしていたりとしっかりと作り込まれている(流石に歌うディランの前であの量の紫煙はないだろうから煙は合成だとは思うが)。演奏はドラムレスなのだが、現在のディランのライヴに通じる雰囲気があり、ディランの歌に演奏が即興で合わせていくといった感じ。4月の来日公演でもディランの姿は暗闇の中のキーボードの向こうにぼんやりと浮かび上がる程度にしか見えなかったが、こうしてカメラの前に立ってギターやハーモニカを持って立って歌うディランの姿には、やはり感動する。それぞれの歌にもしっかりと力が籠っていてじっくりと聴かせる。かっこいい。ハイ、後でちゃんと正規盤も買いますから。

ネット・オークションにて購入(¥1,400)

 

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deja VROOOM(DVD) / King Crimson

2023年06月21日 | DVD

deja VROOOM(DVD) / King Crimson (1999)

1999年に発売されたキング・クリムゾン(King Crimson)のDVD作品。映像の中心となっているのは1995年の日本公演。これが通常のライヴ記録映像とは違って、一部の曲でカメラ・アングルが選択出来たり、情報をPDFで見ることが出来たり、曲の演奏、ヴォーカル、ソロ演奏などを色々な時代から分けて選んで”「 21st Century Schizoid Man」を” 自分だけのミックスにすることが出来たりと、当時考え得るメディア・インタラクティヴの最先端を詰め込んだ作品となっている(ま、そういう事して遊ぶのは大抵1回こっきりなのだが…笑)。

肝心の映像が当時よくあったソフト・フィルターがかかったような映像で、はたまたクリムゾンの常でステージが暗いので見づらく、ちょっと歯がゆいところもあるが、ダブル・トリオ(ギター、ドラムス、ベースがそれぞれ2人づつ6人)構成の集大成的な作品となっている。この時期のライヴ、生で観てみたかったなァ。それぞれの操作が分かり易いとは言えないし、ひとつのライヴとしての流れはよくないが、見応えのある内容。ロバート・フリップ(Robert Fripp)っていくつであってもこういう最新テクノロジー(当時)に興味があるタイプの人間なんだね。

ネット・オークションにて購入(¥699)

  • Label ‏ : ‎ Discipline Global Mobile
  • ASIN ‏ : ‎ 6305225818
  • Disc ‏ : ‎ 1
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The Quiet One (DVD) / Bill Wyman

2023年06月06日 | DVD

The Quiet One (DVD) / Bill Wyman (2019)

元ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)のベーシスト、ビル・ワイマン(Bill Wyman)に焦点を当てたというか、ビル自身が活動を振り返っているドキュメンタリー。ミック(Mick Jagger)、キース(Keith Richard※当時)、ブライアン(Brian Jones)と目立つメンバーの中にあって、タイトル通り”クワイエット・ワン”と称されたビル(←でも下半身はメンバーの中で一番”Loud”だった・笑)。彼はバンドに関するありとあらゆる物を収集していたコレクターとしても有名。そんな彼のアーカイブも利用して60年代から彼のミュージシャン人生と、主にストーンズを始めとする在籍したバンドを振り返る内容になっている。にしてもジャケットが地味過ぎないか?(笑)。

こういうドキュメンタリーでは権利関係や製作費の問題もあってオリジナル音源が使われないことも多いが、そこは現在冷遇されようとも元創設メンバー、しっかりとストーンズのオリジナル音源が使われている。映像はビル自身が撮影した貴重な映像も多く(彼は当時まだ珍しかった高級カメラや8ミリ・カメラ、ヴィデオ・カメラ等の最新機材を誰よりも早く所有していた)、メンバーの素の顔を窺い知ることの出来る場面もあって、ファンなら「も、もう少し長く見せてくれっ…。」と逆にフラストレーションが溜まってしまうかも。いつだって冷静(のように見える)なビルだが、70年代初め頃の財政難や音楽的な不遇(スタジオに行ったら自分のパートをキースが全部演奏し終わっていたとか…苦笑)もあって、メンバーの中でいち早くソロ活動をし、ヒット曲も出した。

ファンからするとビルがストーンズを脱退したことは残念だったが、映像の中でも後悔は全く無いと証言する。確かに不確定要素が多く、他のメンバー(主にミックとキース)に振り回されることの多いストーンズでの活動には辟易としていたんだろう。脱退後のフーテージはわずかだが、リラックスした演奏姿が印象的。って、ストーンズ時代から演奏姿は全然変わらないか(笑)。最後のレイ・チャールズ(Ray Charls)とのエピソードは感動的。

※自分はリージョン・フリーのDVDプレーヤーなので試聴出来ましたが、リージョン1で国内製品では見られない可能性があります

amazonにて購入(¥1,650)

  • 販売元 ‏ : ‎ IFC Independent Film
  • ASIN ‏ : ‎ B07VBH4PN9
  • ディスク枚数 ‏ : ‎ 1
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Live At The Isle Of Wight Festival 2004(2CD+DVD) / The Who

2023年04月02日 | DVD

Live At The Isle Of Wight Festival 2004(2CD+DVD) / The Who (2017)

2017年に発売されたザ・フー(The Who)のワイト島フェスティヴァルの2CD+DVDの3枚組。この年のフェスティヴァルは、初日がステレオフォニックス(Stereophonics)、2日目がザ・フー、3日目がデヴィッド・ボウイ(David Bowie)というヘッドライナーだった。メンバーは、ピート(Pete Townshend)、ロジャー(Roger Daltrey)の他、ドラムスがザック・スターキー(Zak Starkey)、ベースがピノ・パラディーノ(Pino Palladino)。加えてピートの弟、サイモン・タウンゼント(Simon Townshend)もギターで参加している。これがジョン(John Entwhistle)が亡くなってから初めての母国公演だったらしい。この公演は6月だが、すぐ後の7月には日本で行われたフェス「THE ROCK ODYSSEY 2004」に参加する為に来日している。

夕刻になってから登場したザ・フー。フェスだけに構成はシンプルかと思いきや、ほぼ当時のフルセット(のはず)。ラフだがなかなか気合の入った演奏で、バックの腕っこきのサポートもあって素晴らしいステージを展開している。昔のフェスと違ってプロダクションもしっかりとしていて、映像の方は観客の熱狂もしっかり捉えている。フェスだからか前の方は客層も若く、かなり盛り上がっていていい感じ。バンドの調子の良さも伺える。特にロジャーはまだまだ声が出ている頃でヴォーカルの伸びもいい。音響は屋外会場ならではのエコーも感じられていい感じ。「The Punk And The Godfather」なんていうちょっとマイナーな曲でその演奏の充実さ加減が分かるというもの。それにしてもこの頃からピートとロジャーは一時の不仲が嘘のようにいい雰囲気になったよなァ。何で当時発売されなかったのか知らないが、やはり出来の良さもあって後年の発売となったんだろうか。

ネット・ショップにて購入(¥1,164)

  • レーベル ‏ : ‎ Eagle Rock
  • ASIN ‏ : ‎ B06XY41TR4
  • ディスク枚数 ‏ : ‎ 3
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