ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー / イエロー・マジック・オーケストラ

2016年04月30日 | テクノ・デジタル・ダンス

Solid State Survivor / Yellow Magic Orchestra (1979)

小学生の時にハマってから、はや40年近くか。それまで歌謡曲か、長姉・長兄の持っている欧米のハードロックやポップスのレコード盤止まりだった自分が、自分のお金を出してLPを収集するようになったのはRCサクセションとイエロー・マジック・オーケストラ(Yellow Magic Orchestra, YMO)あたりからだったと思う(実際に最初に買ったのはテレビドラマ「熱中時代」のサントラだったが・笑)。その頃の小学生なんかお金持っている訳はないから、お年玉なんかを掻き集めて思い切って購入したのだろう。YMOはこのアルバムの前にファーストがあったが、それを買ったのはずいぶんと後の話で、最初がコレだったはずだ。

もうその頃から雑誌「宝島」や「ビックリハウス」などのいわゆるサブ・カルチャー系の雑誌や、薄っぺらい頃の「ロッキング・オン」に目を通していたので、すぐに「ザ・ベストテン」を卒業し、少年はこっちの世界に足を踏み入れた。週刊漫画雑誌・少年チャンピオンの「マカロニほうれん荘」や、少年ジャンプの「すすめ!パイレーツ」には、それぞれの作者好みのハードロック・バンドやニューウェーヴ・バンドが多数登場していたので、そんなものとリンクして(歌謡曲でない)音楽の世界にどっぷりになっていくのだった。

中でも前述の2つのバンドは、親世代はもちろん、鼻タレの小学生にとっても衝撃で、外タレに負けない存在感があった。それらを聴いている自分は他の小学生と違うと思っていたし(同級生の嫁によると実際違っていたらしいが…笑)、聖子ちゃんやたのきんトリオなんか聴いていられないとイキがっていたはず。テクノ・ポップはすぐに巷でもブームとなり、NHKにヒカシューが出演したり、歌謡曲もそれっぽい曲が席巻した(実際にYMOのメンバーや周辺が関与していたなんて知ったのはずっと後)。YMOはオリエンタルな香りがたっぷりのポップな旋律、リズムをマシーンに同期させる生演奏、(当時は)無口なメンバーの奇抜なファッションと態度は何だかかっこよかったし、日本人離れしたセンスと「最先端」を感じさせてくれた。

アナログ・レコードで揃っていて、YMOのCDは編集盤やボックス・セットばかりだったが、安値で刺さっていたのでつい購入してしまった。これは悪名高きアルファ・レコードでなく、ソニーに移ってから発売されたもの。いま聴いてもかっこいいし、アルバム通して聴くのは久しぶりなので新鮮。”時代の音”だったテクノ・ポップの音を今聴いても古臭く感じないというのはすごい事だと思う。なんせ当時のシンセサイザーなんてステージの上でタンスが連なっているくらいデカく、コードの付いたプラグ端子が無数に刺さっているという代物なのだ。再結成の「テクノドン」や、ちょっと前にメンバーが再結成してロンドンかどっかでライヴ演奏した音を聴いた時のアレンジの方が何だか古臭く感じたくらい。こうして聴くと、ヒットした有名曲はもちろんだが、他のアルバム構成曲のセンスというかクオリティーが凄いことに気付く。

ブックオフにて購入(¥280) 

  • CD (2003/1/22)
  • Disc : 1
  • Label : ソニー・ミュージックハウス
コメント (2)
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アミー @岐阜県恵那市

2016年04月29日 | 岐阜県(東濃・老舗)

岐阜県恵那市明智町にある「日本大正村」。こちらは犬山市の明治村のように古い建物が集められているのではなく、古い建物が現存する地域を指す。近辺でひと休みするために寄ったのは喫茶「アミー」。入口にある看板には「SNACK & CAFE アミー」とあり、ガラス戸にはうっすらと「喫茶・軽飲食 アミー」、その上には「TEA SNACK BAR RESTURNT〔ママ〕AMI」とある。もう怪しい雰囲気たっぷりだが、こちらは明治40年創業の「割烹旅館笹乃家」(※残念ながら営業を止めてしまった)の地階にある喫茶・バーで、大正9年頃(1920)に「キャバレーヒノデ」として開業した店なのだとか。和風旅館の地階にあるバーというだけでグッとくる。この土地は旧街道が重なる交通の要衝で、製糸産業が盛んになっていた時代には多くの宿泊者が居たのだろう。しかもこの街を歩くと、とても地下があるような街でなく、ガラス戸を開けて階段を降りていくというアプローチだけでワクワクする(写真上)。見どころ満載。

↓ アミーの入口。ガラス戸を押すと地下への階段が現れる。(下右)アミーがある「笹乃家旅館」の玄関先。

 

真っ赤なセルロイド板がはめ込まれた扉を恐る恐る開けてみると…、天井の低い店内にはカウンターとソファ席、まさにバーが出現した。暗い店内にはクラシックな照明や布張りスツールが並び「大正ロマン」なんて言葉が頭に浮かぶ(想像だが…)。そのカウンターはなぜか老齢のお姉さま達に占拠されている。カウンター内の主人も年輩の女性。「へぇー、人気だなー。憩いの場になってるのかなァ」なんて思いつつ、井戸端会議の声を聞きながらソファ席に座り、コーヒーを注文した。(色んな意味で)濃いなァ、この店(笑)。店ではハヤシライスなんかも食べられるよう。

その時に外から地元の中年男性客が2人入ってきた。「久しぶりー」なんてカウンターのお姉さま達と喋っているところを見ると旧知の間柄のよう。でも男性客がすぐに「えーっと…、また来るわ」って帰っていったのを不思議に思っていたところ、すぐにコーヒーが運ばれ、小さい豆菓子が2袋置かれる。正直言ってシャバいコーヒーをひと口啜った途端…、埃をかぶっていた大きなスピーカーから耳をつんざくような大音量で演歌のイントロが流れ、カラオケが始まった! 運悪くスピーカーの近くに座った自分に容赦なく降りかかるお姉さまの歌声…。爆音。そこでようやく逃げるようにして帰った男性客の意味が分かった。きっと恒例のカラオケ・タイムなんだろう。歌いだした途端に曲の途中で店を出るのも失礼かな、と我慢して(笑)1曲を聞き終え、すばやくお勘定に立つ。「(うるさくて)ゴメンね」と言う主人に、いくらか訊くと「500円ね」と言われ、ズッコケそうになりつつも(えらく高いなー・笑)、店からの脱出に成功。

いやー、面白い体験だった。今思えば、店先の看板が「レーザーディスク」(古っ!)だったことに気付くべきだった(苦笑)。ちなみに、この後に行った先で飲んだコーヒーは、こだわりの豆でじっくりと時間をかけて淹れられ、モダンな建物と素晴らしい景色とを共にいただいて450円。でもどちらが面白かったかと尋ねられれば圧倒的にこっち(笑)。

この後の記事はこちら

↓ 店の中に入って初めて分かったが、店には裏通りに出られる裏口もある。入口にある店名が入った味のあるステンドグラスもなかなかの見もの。

 

 

↓ 裏口に面した狭い通り(旧・中馬街道)は「うかれ横丁」なんて名前が付いている。昔は旅人に酒や食べ物を売る店が並び、賑わったのだとか。酔っぱらっていい気分で歩いた御仁がたくさん居たんだろうナ。道路を跨ぐ珍しい渡り廊下があり、その昔は反対側にあった置屋から芸妓が料亭のお座敷に出る為に利用したのだとか。(下右)側溝の上に斜めに張り出した「笹乃家旅館」の旧料亭(と思われる)。

 

↓ うかれ横丁にある昭和9年創業の元カフェーで、のち洋食屋の「グリル田中」。外壁がきれいにリフォームされているが現在営業はしていない。以前はデミグラスソースのカツ丼が有名で、店内も往時の雰囲気を残していたのだとか。中を見てみたかったなァ。残念。この近辺おもしろ過ぎる。

↓ 素晴らしい佇まいの洋館「旧・保母歯科醫院」(昭和初期頃建造)。残念ながら文字看板がいくつか落ちてしまっている。ちゃんとこのまま維持されるだろうか?

 

 

↓ 平成初めまで開業していたという元産婦人科の「旧・大塩医院」(明治43年・1910・建造)。玄関先の看板やポスターが無粋だが、現在は「明智回想法センター」別館として利用されている。

 

↓ 大塩医院の住居部分。裏庭もきれいに手入れされている。(下右)「明智回想法センター本館(旧・大塩医院病棟)」(昭和26年・1951・建造)。まるで小学校の校舎のような造りで、中には懐かしい家具や玩具、食器から文房具など懐かしい物が展示されている。

 

 

喫茶 アミー(AMI)

岐阜県恵那市明智町1270-2 B1F

( 恵那市 恵那 えな 明智 明智町 大正村 アミー AMI 喫茶 純喫茶 バー BAR カフェー カフェ CAFE レストラン 笹乃家旅館 中馬街道 うかれ横丁 近代建築 )

 

 

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The Very Best of Rainbow / Rainbow

2016年04月28日 | ハードロック・へヴィーメタル

The Very Best of Rainbow / Rainbow (1997)

まだ小さい頃、長姉にディープ・パープル(Deep Purple)のアナログ「ライヴ・イン・ジャパン」のB面1曲目(あの「Smoke On The Water」です)を繰り返し繰り返し聴かされ、洗脳を試みられたわりにはディープ・パープルには大してハマらず、その後もアルバムは2、3枚、その他は有名曲を知っている程度だったので、レインボー(Rainbow)も同様だった。いくつかの有名曲を知っている程度。あれだけ有名なのに、他のロック・スターと違ってリッチー・ブラックモア(Ritchie Blackmore)の人物像って自分の中に何にも無く、パープル時代以外でどういう来歴があるのかもほとんど知らないという状態。一度聴いてみようとベスト盤を購入。

そんなニュートラルな状態なので、一聴してもディープ・パープルとの違いさえ浮かんでこない(というか初期は特に音楽性もほとんど一緒のような気が…ファンに怒られるかな)。ギターを中心としたハード・ロックという路線は変わらないし、メンバーもディープ・パープルと何人も被っている訳で…。リッチー得意のヨーロッパ的な旋律も、4ではオーケストラを使用して荘厳(某バンドの某曲に雰囲気が似ているが…)。メンバーの異動が激しいので、当然音楽性もその都度違ってくるのだろうが、中~後期になってヴォーカリストが変わると雰囲気の変化が著しく、8、9や10になるとまるで違う明るい曲調になる。しっかり洋楽を聴き始めた時代なので、自分はその頃の音のほうに馴染みがあるナ。 

中古店にて購入(¥180)

  • CD (2002/6/21)
  • Disc : 1
  • Label : ユニバーサル インターナショナル
コメント (4)
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そば茶寮 文福笠井 @岐阜県各務原市

2016年04月27日 | 岐阜県(岐阜)

岐阜県各務原市の市街地を離れ、岐阜カンツリー倶楽部(ゴルフ場)の近くにある蕎麦の店「そば茶寮文福笠井」。名古屋市内のとある蕎麦屋の主人から教えてもらっていて、いつ行こうかと思っていたがなかなか機会が無く、やっと訪問することが出来た。店は田舎道の奥にあるのだが、店の前まで来るとその大きな構えに驚く。立派な古民家を再生して使用しているようで、佇まいは古いがしっかり手が入っている。門をくぐり中へ。玄関先で靴を脱ぎ、広間に案内される。板間にはテーブルが並べてあり、ほぼ満員の盛況。小さい子供を連れた家族連れや、女性のグループなんかも居て、お喋りでかなり賑やか。品書きではセット物がメインのようだったが、ちょっと手繰りたいだけだったので「田舎蕎麦」を注文して待つ。

品書きや、後から見たHPなんかを見てもかなりしっかり作り込んでいて、入口にはお土産や洋菓子まで置いてあり、まるでどこかの会社がプロデュースしているよう(実際はどうだか知らず)。ちょっと賑やか過ぎて落ち着かない店内を見回していると、思ったよりも早く蕎麦が運ばれた。四角いザルにのせられた蕎麦は山形の蕎麦を使用しているとの事。上には刻み海苔がのっていて、山葵の他に葱、おろし大根、粗挽きの唐辛子(!)、漬物が付く。細切りで切りも長い蕎麦はしっかりと整った感じ。つゆは辛汁で濃いめ。徳利に入った量も多く、なかなかいい(あまりに量が少ない店ではなんだかへこむよね)。ただ山葵のすぐとなりに結構な量の唐辛子があるので箸に付かないようにするのが面倒臭い。そもそもこの唐辛子はどう使うものなのか…。おろしと混ぜてつゆに入れちゃうのかな?(やらなかったけど)。そうしたら蕎麦湯は…。海苔もなんだか邪魔だなァ、と心が千々に乱れ(笑)、肝心の蕎麦の印象が薄れてしまう。建物も素晴らしく、綺麗な庭もあり、足りないものは無いどころか、あれもこれもとフル装備なのに、蕎麦を含めてなんだか落ち着かない。客とは勝手なものです。しっかり蕎麦湯をいただいて店を後に。(勘定は¥1,188)

 

 ↓ 各務原市苧ヶ瀬(おがせ)にある国の重要有形民俗文化財の農村舞台「村国座」(明治10年頃・1877・建造)を有する「村国神社」。参道に並ぶ石灯籠が壮観。

 

↓ こちらが芝居小屋の「村国座」。残念ながら中は見られなかったが、こんな田舎に舞台が残っているなんてすごいなァ。毎年子供を中心とした地歌舞伎が行われるんだとか。

 

↓ かなり立派な神社で、境内の裏手の階段を登ると木々に囲まれた荘厳な雰囲気のこんな社もある。

↓ 蘇原古市場の交差点に建つ衣料雑貨商店「小川屋」(建築詳細不明)。残念ながら外から見ても建物の詳細は分からないが、先達によると古い建物のよう。銀行だったという話も…。

 

そば茶寮文福笠井

岐阜県各務原市蘇原飛鳥町3-47

( 各務原 かかみがはら かがみがはら かがみはら 蘇原 そはら 蕎麦 蕎麦笠井 かさい ぶんぷくかさい 近代建築 村歌舞伎 こども歌舞伎 むらくにざ 村国神社 )

 

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Hank Mobley with Donald Byrd and Lee Morgan / Hank Mobley

2016年04月26日 | ジャズ

Hank Mobley with Donald Byrd and Lee Morgan / Hank Mobley (1957)

「訳も分からずブルーノートのアルバムを激安で買っちゃったよ」シリーズ第10弾は、「Hank Bobley Sextet」として知られる面々の1957年発表のアルバム。パーソネルは、

Hank Mobley - tenor saxophone
Donald Byrd - trumpet
Lee Morgan - trumpet
Horace Silver - piano
Paul Chambers - bass
Charlie Persip - drums

という、ジャズに大して詳しくない自分でも名前を知っている有名ミュージシャン勢揃い、といったとても豪華な連中。もう誰がリーダーか分からないくらい。ジャケットを見ても、アルバム・タイトルを見ても、まるで3巨頭が同格のような扱いだし、残り3人も演奏では充分に同格の扱い。さすがに出だしはちょっと古臭さを感じさせる(当然だ、60年前だもの)。それぞれがテーマを中心として軽快にソロを連ねていくが、アップテンポな曲で流れるように繋いでいく演奏はスリリングで、かっこいい。正直リーダーのモブレーのテナー・サックスが一番地味かもしれないが、その音色は角が取れて気持ちいい。4は”Mobleymania”という曲名が面白い。収録曲の作曲は全てモブレーだが、自分で付けるか?こんな曲名(笑)。

中古店にて購入(¥180)

  • CD (2004/12/8)
  • Disc : 1
  • Format: Limited Edition
  • Label : EMIミュージック・ジャパン

 

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ワイ・マーケット・ブルーイング・キッチン (3) @名古屋市中村区・柳橋

2016年04月25日 | 名古屋(中村区・西区)

久しぶりに柳橋のクラフト・ビールの醸造所兼店舗の「ワイ・マーケット・ブルーイング・キッチン」へ。開店時間が早く、使い勝手が良い。自分がこの近辺に居るのは、名駅辺りで会合や研修があった際がほとんど。それらの場所では午後4時前頃に放り出される事が多く、多くの店舗の5時~6時の店の開店には早いし(←呑む気満々かいっ)、どこかで時間をつぶすっていってもコーヒーなどの水分は摂りたくないのだ(←ビールの為かいっ)。今ではグループで利用するバーベキュー・レストラン「柳橋TERRACE」も出来て人気も完全に定着したようだ。一時は廃れてしまった地ビールも、最近は再ブームになり、首都圏でも名古屋でも大流行りの様子。1階の醸造設備を横目に見ながら2階へ。

 

こんな時間(午後4時頃)でも先客が居るのが頼もしい。名駅から徒歩で近いので、新幹線で移動する名古屋以外の人達が利用することも多いのだとか。だからメニューもどことなく名古屋を意識したものが多いのかな。この日は5時過ぎに近くで用事があったので、軽く1杯だけ。

カウンターに座り、選んだのは「煌めきIPA」という名前のビール。アメリカのアマリロ産のホップを使用しているんだとか。色は薄く金色で、口に含むと苦味がしっかりと感じられる。あぁ、旨い。通常、お酒を呑む時には必ず何かつまみを頼むのだが、こちらのフード・メニューは「メキシカン名古屋風味」といった感じの濃くて辛いメニューが多く、せっかくの繊細なビールの味をスポイルされることもあるので、あとで用事も控えていることだし、喉を潤すだけに留めておいた。(勘定は¥700程)

以前の記事はこちらこちら

 

Y. Market Brewing Kitchen (ワイ・マーケット・ブルーイング・キッチン)

愛知県名古屋市中村区名駅4-17-6

( 名駅 めいえき 名古屋駅 ワイマーケット ケグナゴヤ 地ビール クラフトビール 醸造所 )

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I Need A New Adventure / Television

2016年04月24日 | パンク・ニューウェーヴ

I Need A New Adventure / Television PVCD1007 (2003)

「Punk Vault」というレーベルから出たテレヴィジョン(Television)の1978年のアウトテイクを集めたブートレグ(海賊盤)。ここに収録されている楽曲が中心のセカンド・アルバム「Adventure」(写真下)がリマスターされボーナス・トラックを追加して発表されたのが2003年なので、(よくあることだが)アーカイヴを整理する段階で音源が流出したのかもれない。それとも以前から出回っていた音源なのかな。この「Punk Vault」とうレーベルはこの頃にニューヨーク・パンクやロンドン・パンクのレアな音源をいくつか発表したレーベルで、一説には日本のある有名な海賊盤レーベルの派生らしい…。

それはさておき、このブートの音源が元になったアルバム「Adventure」は、ファーストにして名盤の「Marquee Moon」に比べると地味で世間の評価が著しく低いものの、ライヴでも多く演奏された名曲揃いで、劣ることのない充実盤(と個人的には思っている)。こうしてアウトテイクを聴いていても、曲の構成は完成されていてライヴ等で鍛え上げられていたことが想像出来る。2はアルバム・タイトルに採用されたものの、アルバムに収録されることは無く、リマスター盤のボーナスとして収録された。11、13は未発表曲。ライヴ・ブートレグを何枚も所有しているが自分も初めて聴いた(ただしどちらもインストゥルメンタル)。12は解散後にトム・ヴァーレイン(Tom Verlaine)のソロ・アルバムに歌詞を付けて収録されている。個人的に好きな曲は14。オリジナル・アルバムのラストでは何だかあっさりとした感じだったが、やりようによっては名曲「マーキー・ムーン」にも匹敵するくらいの名曲に成り得たんじゃないかと個人的には思っているんだけどなァ。トムとリチャード・ロイド(Richard Lloyd)のツイン・ギターの掛け合いはどの曲を聴いても抒情的で、スリリングで、痺れる。

01 Ain't That Nothin'
02 Adventure
03 Glory
04 Days
05 Foxhole
06 Carried Away (aka Vibrato Song)
07 Ain't That Nothin'
08 Careful (aka I Don't Care)
09 Glory
10 Carried Away
11 Up All Night
12 Grip Of Love
13 Last Night (Piano Song)
14 The Dreams Dream
15 Glory
16 The Fire

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松浦軒本店 @岐阜県恵那市

2016年04月23日 | 岐阜県(東濃・老舗)

恵那市岩村町の古い町並みにあるカステラ(カステーラ)で有名な老舗和菓子店、創業寛政8年(1796!)という「松浦軒本店」。店は「岩村醸造」の向かいにあり、通りを歩く観光客、酒造から出てきた人達が通りでたむろしていて大混雑していた。こちらの店に来る前に通りを自転車で一通り廻ったのだが、実は南に400m位行ったところに「松浦軒本舗」(写真下)もある。こちらも「カステーラ」と看板が出ているが、創業は明治15年(1882)。どうも兄弟が分かれて商売をしたらしいのだが(未確認)、そのいきさつやいかに?

 店の中に入ると、ガラスショーケースの中に菓子が並んでいる。やはり目玉はカステーラのよう。カステラはヨーロッパのカスティーリァ王国がルーツにあるんだとか(こちらの店のパンフレットを見て初めて知った)。日本にはもちろん当時唯一外国と接点のあった長崎に伝わったのが初めて。ただパンフレットによると、研究者曰く、その原型はすでに本国や長崎には無く、何故か遠く離れたここ岐阜県恵那市に残っているのだとか。雑誌「サライ」にも特集されたようだ。城下町だったここ岩村藩の御殿医が長崎でオランダ人から製法を習い、この店の先祖に伝え、いまだに製法は当時そのままなのだそう。面白い…。

さぞかし高いのかと思いきや、1本ワンコイン以下から買えるというから有り難い。早速買って持ち帰った。220年も前の味とはどんなだろう? 包みを開いてみるとどことなく武骨というか、飾り気の無い姿。しっかりと焼き色が着いていて、現在のカステラのようなフワフワ感はあまりなく、どっしりとしている。生地もやや硬めですっとフォークが入らない。切って食べてみると、しっかりと甘いが、玉子と砂糖のシンプルな味が口に残る。想像したほど現在のカステラと乖離しているわけではないが、素朴で美味しいお菓子だった。次は「本舗」の方で買ってみようかな。(勘定は¥460)

 

 

 

 

↑ 通りに店を構える「水野薬局」(昭和20年・1945・建造)。ショーウインドーに飾られた数々の古い看板が凄い。

↑ 軒下には年季の入った木製の薬看板が並ぶ。

↑ 水野薬局近辺は賑やかだが、少し通りを下るともうこんな落ち着いた雰囲気に。そちらに「松浦軒本舗」がある。

 

↑ 移動して散策した明智町の「日本大正村」にある「日本大正村役場(旧・明智町役場)」(明治39年・1906・建造 ※国登録有形文化財)

↑ 急こう配な坂の途中に建っているので、役場の裏はこんな風に高くなっている。

 

↑ 役場の斜め向かいに建つ「大正時計店(旧・町営発電所電気事業部)」(昭和初期頃建造)。現在は時計展示、修理の店として使われている様子(未入店)。

↑ 役場の上に建つ「大正村絵画館(旧・小学校跡)」(建築詳細不明)。せっかく大正村を名乗っているんだから、HPなどで建築年などのデータをしっかり調べて提示して欲しいなァ…。

 

 

松浦軒本店

恵那市岩村町本町3-246

( 恵那市 恵那 えな 岩村町 岩邑 城下町 岩村城 松浦軒 ポォン・デ・ロ ポォンデロ かすてーら かすてら スペイン ポルトガル 日本大正村 明智町 あけちちょう )

 

 

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Best Of Dark Horse 1976-1989 / George Harrison

2016年04月22日 | クラシック・ロック

Best Of Dark Horse 1976-1989 / George Harrison (1989)

1987年に復活し、ヒットを飛ばした後にコンパイルされたジョージ・ハリソン(George Harrison)のベスト盤。実はこれよりも新しい編集のベスト盤を購入した際にこれも隣に並んでいたので、どっちを買おうか迷ったが、安価ななこともあって両方買ってしまったのだった。しかも5曲しか重なっていないのでうれしい。思いっきり地味なジャケットがジョージらしいと言ったらファンの方に怒られるだろうか。

こちらは1976年の彼自身のレーベル「Dark Horse」創立後から1987年の復活(+89年当時の新曲2曲)までという区切りがあって、前述のオールタイム・ベスト(と謳っているのは日本盤だけだが)より分かり易く、まとまりのある選曲かもしれない。と言っても自分は彼のディスコグラフィーには全然詳しくなく、これが発表当時ファンを満足させたのかどうかは知らない。彼の音楽のみならず、人生に於いても色々な意味で最重要なミュージシャン、エリック・クラプトン(Eric Clapton)のギターを聴ける9、13、トラヴェリング・ウィルベリーズ(Traveling Wilburys)でバンド活動を共にするジェフ・リン(Jeff Lynne)との12、トム・ペティ(Tom Petty)との15、など話題になった曲も多い。元々地味な印象のあるダーク・ホース時代の彼の作品だけれど、こうしてピックアップされた曲を聴いてみると、しみじみと味のあるいい曲が並んでいる。 

中古店にて購入(¥180)

  • CD (1989/11/10)
  • Disc : 1
  • Label : ダブリューイーエー・ジャパン

 

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みやこ鮨 @岐阜県関市

2016年04月21日 | 岐阜県(中濃)

岐阜県関市の鮨屋「みやこ鮨」(こは変体仮名)へ家族で訪問。昔はごく普通の街場の鮨屋だったらしいが、息子の代になって炉端焼き(居酒屋)もやるようになったとのこと。以前に仕事関係で使ったことがあるが、この日は酒を呑みたい自分と、鮨を喰いたい家族の折衷案として浮上。車で店まで来ると店周りの駐車場は一杯の盛況。道路の反対側にも駐車場があったので車を停め、中へ。店に入ると右側にカウンター、左側に掘りごたつ風のテーブル席がある。まだ奥にも座敷があり、大勢の客はそちらに入っているらしい。さっそく品書きを開き、カキフライ、しめ鯖、串の盛り合わせ、サラダなどを注文し、息子はご飯ものという事でマグロ丼を別注文。自分は酒(百春・美濃市)をもらう。値付けも安くて頼みやすい。

漬け場には主人と息子らしき若いのが入っている。奥からも頻繁に注文が入るようで忙しそう。早くは出てこないが仕方がない。出てきた料理を少しづつ、みんなでつつきあう。主人が皿を持ってくると武骨で愛想が無いが、息子だと一転して愛想が良い(笑)。串の盛り合わせではレバーと鴨ねぎまが良かった。さすがに鮨屋なので魚介関係は旨い。ただ追加で頼んだ酒(黒帯・石川)がなかなか出てこなかったので間延びしてしまった。そうなると家族はだんだんお腹が膨れてしまうので、締めに切り替え追加で握りをそれぞれ適当に何種類かと、酒(玉柏・八百津町)を追加してかきこんだ。やっぱり家族の夕食と一緒に外で酒を呑むのはちょっとせわしないナ(足があるのはいいんだけれど)。(勘定は¥12,000/4人程)

この後の記事はこちら

みやこ鮨

岐阜県関市弥生町2-3-18

( 関市 関 せき みやこすし みやこずし みやこ寿司 みや古鮨 すし ろばた 炉端 炉端焼き )

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