西浅草の「飯田屋」で泥鰌(どじょう)鍋に舌鼓を打ったあと、2軒目を求めて連れとうろつく。最初は六区のいわゆる「煮込み通り」に引き寄せられたけど、「どこにする?」なんて言っているうちに通り過ぎてしまい、以前も入った事のある「神谷バー」を思い出した。創業は明治13年(1880)で、建物が登録有形文化財という老舗。連れにとっては、初めて泥鰌を食べた上に、2軒目が「日本最古のバー」っていうのも面白くていいだろうと店に入る。一応ここのルールは分かっていたので、連れの分も勝手に食券を購入。もちろん連れにはこちらの名物カクテル「デンキブラン」とチェイサーのビールを呑んでもらう。自分は「デンキソーダ」を。つまみには季節のカキフライと、さっき食べそびれた煮込みを注文。
食券を持って空席を探した。遅い時間だったが、けっこうな客の入り(閉店は10時と少し早い)。ここは相席が普通なので、ご夫婦で座っていらっしゃるテーブル席に挨拶し、腰を下ろす。座るとすぐに給仕の方が食券をもぎりに来てオーダーが通った事になる。以前に数回来た事があるだけで先輩面して(笑)、連れにデンキブランとは何ぞやと講釈を垂れていると、すぐにデンキブランとデンキソーダが届いて乾杯。薬草のような、薬くさい不思議な味のブランデー・カクテルを2人で面白がり(決して旨いとは言わなかったナ・笑)、つまみもすぐに平らげて、酔った勢いで、ここ定番のカクテルというハチブドー酒とスペアリブなどのつまみを次々と注文し、ラストオーダー時間となった。
相席となったご夫婦は、こちらの店に何十年も前から通っていらっしゃるのだそうだが、以前は宿の無い人達が酔い潰れたりしているような店で、もっと物騒な感じだったとのこと。今はごく普通の洋風居酒屋という感じになったので感慨深いのだそうだ。へぇー、そんな時代があったんですねェ。気さくに声を掛けてくださったこのご夫婦とは楽しく話をさせていただいた。こんなのも相席のいいところ。ちなみにデンキブランは「オールド」がおすすめだとか。あれこれと講釈垂れている方が田舎もんで、案内されている方が都内在住者と聞いて驚いていらっしゃった。ハハ…。(勘定は¥6,000程/2人)
↑ 夜にライトアップされた雷門。混雑する昼よりもずっといい感じ。
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東京都台東区浅草1丁目1番1号
(浅草 日本最古のバー かみやバー 電気ブラン 電気ソーダ デンキブラン ハチブドー酒 ハチブドーカクテル)