取引先との研修旅行で広島に行くことになった。自分の仕事と家族の都合もあって、最近は遠出する旅行がこんな形でしか実現しないので貴重な機会だ。日中はどうしてもお任せのツアー形式になってしまうが、そこはそれ自分がどのようにエンジョイするかで旅行の満足度が変わってくる。もちろん夕食後は勝手に外出する予定だ(笑)。
まず向かったのは「オタフクソース」の工場見学。お好み焼にまつわる展示及び工場を見学する組と、実際に自分で調理して昼食代わりにする組と分かれて行動する。見学及び調理施設は「お好み焼館・Wood Egg」という施設。体験スタジオに入って入念に手を洗い、2つの大きな鉄板が準備された場所に立ち、調理の手ほどきを受ける。我が家は母親が大阪出身(しかも叔母は元お好み焼屋)なこともあり完全に関西風。それも家で食べることがほとんど(なぜか調理担当はいつも自分だ)。広島風お好み焼(広島の方にとって”広島風”なんていうのは存在しないそうだ・笑)を食べる機会はほとんど無いので楽しみにしていた。調理は丁寧な指導のもと(もちろんサポートの若い方も居て至れり尽くせり)システマチックに進んでいく。でもこうして並んで他人の行動を見ていると、これだけ丁寧に教えてもらっても言うことを聞かない奴(聞けない奴)は居るんだなァ。それが年輩者だったりするのでタチが悪い(苦笑)。
それはさておき、関西風と違って材料を重ね焼きする広島のお好み焼で一番大切な工程と思われたのがキャベツを蒸す工程。温度管理に気を付けながら、びっくりするほどのヴォリュームのキャベツの甘みをじっくりと引き出していく。材料を重ね合わせてひとつにまとまったら準備してある様々なオタフクソースをたっぷり使い、ヘラを使って切り分け、そのままいただく。自分が使ったソースは「PREMIUM」と書かれたリッチなタイプ(写真下左)。
レギュラータイプと比較はしていないが、やはりこれも甘め。野菜由来の優しい味だ。焼きそばを含む材料それぞれがまとまった形で口に入らず一体感に欠けるのは自分が作ったお好み焼の完成度がまだまだ低いせいか。やっぱりプロに作ってもらわないとなァ。今では中部地方のどのスーパーに行っても簡単に手に入るオタフクソース。それだけ広島風が全国に浸透しているということかな。工場見学のお土産には出来立てでまだ温かいオタフクソースをいただいた。やはり出来たばかりのものは新鮮で少し味も違うのだとか。野菜だけで旨味を作り出しているので水で割ると簡易デミグラスソースにもなるのだそう。ほう、今度試してみよう。
↓ 江戸幕府から”最上醤油”と認められた7銘柄のうちの「キッコーマン」の特約店でもあった「佐々木商店」(大正11年・1922・創業)がオタフクソースのルーツ。
↓ 「広島平和都市記念碑(原爆死没者慰霊碑)」(昭和27年・1952・建造、改築)◇。学生の時に修学旅行で訪れた時には正直ピンとこなかった「ヒロシマ」だが、大人になり、結婚し、子供を持つ身になり、多少なりとも知識が付いた現在では、その重さがまるで違って感じられる。
↓「広島市レストハウス(旧・大正屋呉服店)」(昭和4年・1929・建造)◇。爆心地でほぼ唯一残った戦前からの建造物。実際に原爆ドームからは150mしか離れていないのが不思議だ。
お好み焼館 Wood Egg (オタフクソース)
広島県広島市西区商工センター7-4-5
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