青山ロックン・ロール・ショー 2009.5.9 オリジナルサウンドトラック / 忌野清志郎 (2009)
忌野清志郎が亡くなってから早いものでもう10年が過ぎた。これは”サウンドトラック”と称して青山の葬儀場で行われた彼の葬儀で流された音楽をコンパイルしたもの。式後かなり早く発表されたと記憶している。彼の長いキャリアからピックアップされた33曲がランダムに収録されていて、もちろんRCサクセション時代からソロ時代にまで至り、ゼリー名義のタイマーズ時代の曲も。デビューから約40年のキャリアがあるが、録音状態は別として驚くほど声は変わっていない。やはり彼のヴォーカルは他と違う。
今でこそどんな内容の歌でも、どんな歌い方でもアリなのは常識だが、彼の特異な視点、特異な言葉を用いて作られた曲はやはり唯一無二。”オイラ”なんて1人称は清志郎以外使っちゃダメだ。自分がレコードやCDでなく実際にライヴ会場で聴いて周りの空気感が変わるほどのパワーというかインパクトを感じたヴォーカリストは多くないが、日本人アーティストでは彼以外数人しか思い浮かばない。晩年は物分かりが良くなって”いい人”の空気を醸し出していた清志郎だったが、初期は観客を罵倒していたのは有名な話。自分の嫁もステージ脇でボーヤをブン殴っていたRC時代の清志郎を観たことがあり”引いた”のだとか(笑)。
どんな曲順にしたって、あれが入っていない、あれも入れて欲しいなんていうことになるに決まっているコンピ盤。こうして葬式の”サントラ”という形にして出したのはなかなか凄い思いつきだなと思う。原発に異を唱えていた清志郎が亡くなってすぐに人類史上最悪の原発事故が日本を襲う。予見していた清志郎は草葉の陰で「ほら見ろ。」と罵っただろうか、それとも悔恨の涙を流しただろうか。もし彼が生きていて、あの事故後の惨状を目撃していたら、次はどんな曲を作っただろうか。
オークションにて購入(¥1,260)
- CD (2009/7/29)
- Disc : 1
- Format: CD+DVD, SHM-CD
- Label : MILESTONE CROWDS