知多岡田の古い町並みを散策した際、昼食には以前から立ち寄ってみたかった常滑市の「三善」まで足を延ばした(といっても車で15分程)。店に到着したのは12時少し前くらいだったか。暖簾をくぐると土間にテーブル席が2つ、小上がり席が2つとこじんまり。老夫婦と息子だろうか、3人でやっていらっしゃる様子。既に先客でいっぱいで、唯小上がり席が空いたので1人だったが座らせてもらった。年季は入っているがなかなか凝った意匠で、調理場はガラス窓で仕切られ開口が広く取られていて庇が出ていたり、調理カウンターには冷蔵ケースが埋め込まれていたり。冷蔵庫はペプシだし。渋い。壁に掛けられた札の品書きには、定食、丼物、鰻など。数少ない洋食から「オムライス」を選び、女将さんにお願いした。広い調理場で老主人が調理。
しばらくして白い平皿で「オムライス」が登場。こんもりと紡錘形に盛られている薄焼き玉子包みタイプ。上から品良くケチャップがたらされ、横ひと筋に青海苔がかけられている。脇にはパセリ。中はチキン・ケチャップライス。味付けは薄味で、上のケチャップを少しスプーンに付けながら食べるとちょうどいいくらい。旨いなァ。量もしっかり。ご飯の都合か自分の後の客はもう「オムライス」は出来ないと断られていたし、勘定を済ませて店を出るともう「本日終了」の看板が出ていた(写真下)。まだ12時40分だけれど…。これでもギリギリだったか。とすると営業時間は実質1時間程?。間に合ってヨカッタ。(勘定は¥760)
↓ 知多市岡田の町並み散策の続き。塀に囲まれた大きな敷地にあるこちらは「旧・岡田医院(竹内雅休邸)」(昭和4年・1929・建造)◇。手前の擬洋風建築が診療所、奥に主屋、そのまた奥に道具蔵がある。主人は豊橋陸軍病院院長だった方だそう。
↓ 「旧・岡田医院診療所棟」。洒落た意匠の建物で、正面の壁面にはレリーフが施され(写真下4枚目)、1、2階の窓の上にはコーニス(帯状に取り巻く装飾)がめぐらされている。2階は看護婦の部屋だったそう。
↓ 「旧・岡田医院主屋」。まるで道場のような広い玄関口。奥にはコンクリート製の「給水塔」と「道具蔵」が見える(写真下4枚目)。
↓ 建物を囲む塀は鉄筋コンクリート製。背が高く道路からは建物の屋根ぐらいしか見えない。塀は奥の「道具蔵」まで繋がっている。これら全ての建造物が国の登録有形文化財に指定されている。
↓ 古い建物はこうした庇の支えにも粋なデザインを施しているのが素敵(雅休邸敷地内)。
↓ 「開戸東組防空壕跡」(昭和18年・1943・建造)◇。地域住民が作った防空壕跡。坂道ののり面に残っている。当時は入口が2つでU字型になっていたのだそう。
↓ 「竹内久良男邸蔵」(昭和2年・1927・建造)◇。周辺に残る蔵と違い、煉瓦造りで鉄格子という洋風な蔵が残っている。
↓ 端正な黒塀が敷地を囲んでいる「旧・竹内虎王邸」(建築詳細不明)◇。竹内式木製動力織機を発明した地元の有力者の自宅。敷地が広すぎて全体像が掴めないほど。
お食事処 三善
愛知県常滑市久米西前田28-2
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