ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

いち寅 @名古屋市西区・浅間町

2024年09月29日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

名古屋城の西、浅間町にある「いち寅」へ。HPを見るまで知らなかったが、初代が創業したのは昭和6年(1931)というから長い歴史がある。一見して一般住宅のような佇まい。その一部が店舗になっていて夜は居酒屋的な店のようだが、ランチで出される「オムライス」でも有名。色々なメディアで紹介もされているのでずっと気になっていた。日曜休みなのでなかなか機会を作れなかったが、酷暑厳しいある日の昼に浅間町の駅から歩いて無事店に入ることが出来た。なるほど店は居酒屋風情で奥に座敷があり、調理場付近にはウイスキーや焼酎の瓶が並んでいる。汗を拭きつつ手前のテーブル席に腰かけ、元々は裏メニューだったらしい「卵ふんわりオムライス」をお願いした。

しばらくして白い大きな平皿に盛られた「卵ふんわりオムライス」が完成。ライスの上にこんもりと紡錘形のオムレツがのった所謂”タンポポ・オムライス”。皿にはたっぷりのデミグラスソースと生クリーム。自分ももちろん若い頃に伊丹十三の映画「タンポポ」を観てからこのタイプのオムライスに憧れ、このタイプの店に行っては何度もオムレツを開いてきたが、最近どうにもこの食べ方が気に入らない。オムレツを広げてとろんと半熟の部分がライスを覆った瞬間がピークで、後は延々と同じ風にしか口に入ってこない。そこで最近はオムレツを広げないで敢えて垂直にスプーンを入れて食べるようになった。こちらでもそれを実践。厚みのある綺麗なオムレツは軟らかく、下のライスの量のバランスを変えながらいただく。うん、やっぱりこの食べ方の方が旨い(もうオムライスじゃない・笑)。少し苦みも感じるデミソースは深みがあっていい感じ。硬めに炊かれたライスの部分は細かく刻んだベーコン、玉ねぎ、ピーマンが使われていて所謂ケチャップライスではない感じ(デミソースが濃いので分かり辛い)。ソースまで残さず綺麗に平らげた。呑みでも使ってみたいが、この店のレイアウトからすると1人呑みはちょっと厳しいか。(勘定は¥1,200)

 

 

いち寅

愛知県名古屋市西区浅間1-4-4

 

( 名古屋 なごや 浅間町 せんげんちょう いちとら 居酒屋 定食 ランチ オムライス 日替りランチ タンポポオムライス )

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菊乃園 @名古屋市西区・菊井

2024年09月06日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

新道の「一八」で昼食を摂った後に訪れたのは菊井にある和菓子屋「菊乃園」。詳しい創業年は分からなかったが江戸末期の創業だとか(未確認)。趣ある現在の建物は昭和35年に新装したものだとか。店に入るとご高齢の女将さんが出ていらっしゃった。ガラス・ケースに並べられた菓子は冷蔵の品が多い。女将さんのお勧めも冷たい羊羹やこちらの名物「あんプリン」だった(外は酷暑だもの)。目当ては「金魚鉢」という夏季限定の菓子だったが、残念ながら売り切れ…。この後の用事のことを考えると要冷蔵品は難しいかなと、人気だという手焼きの「どら焼」と常温保存可能の「水ようかん(こし)」を2つづつお願いした。

家に持ち帰り妻と分けっこ。「どら焼」は「コーヒーとかにも合いますよ。」と女将さんに言われていたが、皮が所謂”ブッセ”のような口当たり。ふわっと軽い食感で、なるほど洋菓子と言われても納得してしまいそう。「水ようかん」は冷蔵庫で冷やしてからいただいた。つるんと滑らかな口当たりで、冷たいのでゆっくりと甘さが舌にのってくる。次はしっかりと保冷バッグを準備して「あんプリン」と「金魚鉢」を買いに行こう。(勘定は¥1,200程)

 

 

菓舗 菊乃園

愛知県名古屋市西区菊井2-1-22

 

( 名古屋 なごや 菊井 きくい きくのえん 菊乃園 秋紅 菊乃園秋紅 きくのえんしゅうこう きんぎょ鉢 あんプリン 和菓子 菓子舗 )

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一八 @名古屋市西区・新道

2024年09月01日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

東海地方に数多く存在した麺類食堂「一八」の屋号。少なくはなっているがまだ各地に残っている。この系譜の大元が橘の「一八本店」(創業明治23年)だろうことは間違いないと思うが、他の店はどうかというと分からない部分も多いし、暖簾を見ても”山(実際は”一八”のデザインのよう)”に”曻”の文字の入った「のれん会」の店と、家紋(?)が入っている店と違いがあったりして色々。こちら西区新道の「一八」は昭和元年(1926)の創業で現在3代目。HPに詳しくは書いていないが、かつて「新道一八」と名乗っていた店。現在はのれん会から外れているようだ。

店に到着しがた駐車場が分からなかったので店の人に訊くと外に出て案内してくれた。少し離れた場所にあって先客の車が入っているので動かしてもらい、奥に停める。店内は手前にテーブル席が3つ、奥に小上がり席が4つある。主人の趣味なのかゴジラのフィギュアが飾ってある大きい卓に相席で腰掛けた。主人と思しき男性と女性2人の3人体制。品書きには”料理を作れる人が減った為”と品を限定している旨が記述されている。丼物とかは注文出来ないということかな。そこで「きしめん」を”ころ”でお願いした。「わさびか生姜どちらで?」と訊かれたが、唐突だったので思考が停止してしまう(苦笑)。結局あまり理由なく生姜でお願いした。

しばらくして「きしめん(冷)」が登場。たまり醤油由来の濃い赤つゆで、麺の上には赤縁(カマボコ)、ほうれん草、甘く味付けした揚げ、花鰹、と典型的なきしめんの具材が並んでいる。刻みネギとすり生姜は別皿に。こちらのきしめんは薄いが透けておらず、しっかりとした歯応えのある強い麺。この薄さでここまで張りのあるきしめんも珍しいかも。ころでもしっかり冷やしてあるタイプで麺量は多め。外は酷暑なので喉を通る冷たい麺が旨いなァ。途中で卓上の容器に入っている揚げ玉を足したり、別皿のすり生姜をすこし溶いたりしていただき、冷たいつゆもごくごくといただいた。このきしめんは温かいのも是非食べてみたい。次は丼物や揚物も揃っている時に伺いたいナ。(勘定は¥650)

 

 

和風料理 めん処 一八

愛知県名古屋市西区新道1-13-16

 

( 名古屋 なごや しんみち 菊井町 いっぱち 麺処一八 めん処一八 新道一八 一八のれん会 一八会 麺類食堂 大衆食堂 )

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二ツ玉 @名古屋市西区・円頓寺 (2)

2024年07月24日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

久しぶりに円頓寺本町商店街の麺類食堂「二ツ玉」へ。この日は亀島のある食堂に振られ、こちらまで歩いて辿り着いた。そのせいで昼には少し遅い時間に店に着いたが、”厚生省認可”と書かれた暖簾をくぐると店内はテーブル席も小上がり席も満席の盛況ぶり。ちょうど小上がり席が空いたが、座るなり女将さんが「カツ丼売り切れてますがいいですか?」と。この日の目当ては別だったので「ハイ」とそのまま座らせてもらう。外は暑かったが、しっかりと冷房が効いている中「みそにこみ」を食べている人が多い。外から来たばかりの自分は「冷麦」と迷ったが、結局来る前から決め打ちしていた「天南丼」をお願いした。この地方特有の絶滅危惧丼です。

しばらくして味噌汁とたくあんと共に運ばれた「天南丼」は、ご飯の上の片側に海老天、もう片側に細く切った長ネギが配置されている。煮込まれたつゆは多めでご飯の下に溜まるくらい。海老天はかなりの厚化粧で、小さめの海老が倍の大きさに変身(笑)。ネギは少しシャキッとした食感が残るくらいに煮込まれている。海老天の衣がしっかりとつゆを吸って旨い。思ったよりご飯の量が多かったので食べ切れるか不安になったが、ちょっと変わった風味の赤出汁を挟みながら結局綺麗に平らげた。常連客と主人夫婦の話をそれとなしに聞いていると、跡継ぎは居ないらしいので当代で店は終わりだろうとのこと。こちらのそばは手打ちらしいので次は食べてみたいナ。(勘定は¥830)

以前の記事はこちら (1

 

 


 

↓ 店に向かう途中の「株式会社ノリタケカンパニーリミテド 事務本館(旧・日本陶器事務所)」(昭和12年・1937・建造)。鈴木禎次設計。戦前に建てられたこういう大きな建物の中はどんな装飾がされているのか1度見てみたいな。

 

↓ 西円頓寺商店街にある長屋「名駅2丁目長屋」(明治~大正年間・建造)。店が入れ替わりながらリノベを繰り返してしぶとく残っている8軒長屋。現在は法人所有らしい。こういうテナントは2階も借りるのかな?。名古屋市の登録地域建造物資産に指定されている。

 

 

↓ これも同じ通りにある「旧・山英商店」(昭和7年・1932・建造)。かつては味噌・たまりの製造販売で創業したのだそう。こちらも名古屋市の登録地域建造物資産に指定されている。

 

 


 

 

めん処 二ツ玉

愛知県名古屋市西区那古野 2-13-20

 

( 名古屋 なごや 円頓寺商店街 円頓寺本町商店街 ふたつたま 大衆食堂 食堂 てんなんどん 天なん丼 うどん 蕎麦 きしめん 志の田丼 しのだ丼 木の葉丼 このは丼 近代建築 )

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いせや @名古屋市中村区・中村公園 (2)

2024年05月31日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

中村公園の豊國神社に続く参道を散策。いつもは休日でも営業している喫茶店に寄ろうと思ったら珍しく臨時休業…。そこで公園に入って休憩所の「いせや」へ。創業は大正時代だそう。公園は大正時代に県から市へ移管されたというから、その頃から茶店として公園と共に歴史を刻んだんだろうなァ。この日は園内が工事中だったからか店内は工事業者で大盛況。テーブル席は塞がっていたが、ちょうど立ち上がる方が居たのですぐに座ることが出来た。もちろんテレビは競輪中継中。壁に貼られた黄色い紙の品書きは全て新しいものになっているようで、ラインナップにも若干の変化が。もう「でんがく」は無いのかな。

歩いて来たので店の人に声をかけて冷蔵庫から缶ビールと冷えたグラスを、そして惣菜の「ブロッコリーとマカロニサラダ」を取り出した。冷たいのをグイッとやって酒肴をつつく。350mlなのであっという間に無くなり「日本酒一合」を追加。「おでん」は席を立って鍋まで選びに行き、大根と厚揚げと赤棒(※名古屋特有の着色した練物)を盛ってもらった。もちろん味噌がけでいただく。徳利の燗酒をミニグラスに注ぎちびちびとやりつつおでんを平らげ、最後に「どて煮」を追加する頃には、昼の休憩時間が終わるのだろう工事業者の連中がサーッと居なくなった。(勘定は¥1,700程)

以前の記事はこちら (1

 

 

休憩所 いせや

愛知県名古屋市中村区中村町字公園内3

 

( 中村公園 なかむらこうえん 豊国神社 伊勢屋 茶屋 茶店 中村屋 昼飲み おでん どて 駄菓子 駄菓子屋 名古屋競輪 )

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朝日屋 @名古屋市中村区・則武

2024年05月14日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

名古屋駅の西、中村郡道沿いにある麺類食堂「朝日屋」へ。創業は昭和9年(1934)だそう。メディアでもよく取り上げられる有名店だが中に入るのは初めて。以前に何度も訪れたことがあるが、コロナ禍だったり臨時休業だったりで、なかなかタイミングが合わなかった。店内は沢山のテーブル席や小上がり席がある。給仕をやっている年配の男性が主人かな。基本の”おしながき”の他に、壁やテーブル上に置かれたクリアファイルに無数に品が書いてあるので何を頼もうか迷ってしまう。よくこれだけの品に対応出来るものだ。この日は結局こちらで一番有名な品「焼ききしめん」をお願いすることに。ただそれにだって沢山の派生の品があるので基本の品がどれかもよく分からない。当てずっぽうだが「焼き太きしめん」っていうのがそれかな。

しばらくして手製のタオル生地のナプキンが用意され、熱々の鉄板に盛られて「焼き太きしめん」が登場した。熱さ対策か呑水とレンゲが付いている。多めのつゆの中に茶色に染まったきしめん。具材は豚肉、玉ねぎ、ピーマン、干し海老といったところ。味付けは甘醤油といった感じでかなり濃い味付け。麺を手繰るが切れて短くなっているので啜る楽しみはあまり無いか。旨いが濃くてちょっと単調になるのでご飯が食べたくなる(笑)。他にも色々な味付けの「焼ききしめん」があるので、単品だともう少しさっぱりとしているだろう「ねぎ塩」でも良かったかな。基本の”おしながき”にあった「ちらしそば」「雑煮きしめん」「あいのり」なんてのも気になる。麺類以外でも魚を推しているみたい。次は「アジフライ」か「刺身定食」っていうのもいいかも。(勘定は¥770)

 

 


 

↓ 夜の帳(とばり)が下りつつある名駅太閤口の”食べかけのとうもろこし”「チサンイン名古屋(チサンホテル)」(昭和48年・1973・建造)。一度泊まってみたいけれど、近過ぎて(笑)なかなか機会が作れない。

 

 


 

 

めん類・お食事処 朝日屋

愛知県名古屋市中村区則武1-18-16

 

( 名古屋 なごや 亀島 のりたけ あさひや 麺類食堂 食堂 大衆食堂 定食 丼物 うどん きしめん 煮込うどん 焼きしめん やききしめん )

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小ざくらや一清 @名古屋市中村区・中村公園

2024年05月04日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

中村公園近くの和菓子屋「小ざくらや一清(こざくらやかずきよ)」へ。創業は明治45年(1912)と110年以上の歴史があるそうだ。店は豊國参道から少し西へ行った所にある。こちら和菓子屋には珍しく日曜定休なのでなかなか伺うことが出来なかった。店に入ると沢山の菓子が並んでいる。こちら「おほほっ」と名付けられた所謂フルーツ大福で有名。この日はもちろんそれを買って帰ることに。大福の中のフルーツは季節によって変わるようで、訪れた日は苺(訪問3月)。その他に桜のどらやき「拝啓、桜さく。」を購入して持ち帰った。

妻と一緒にいただく。「おほほっ」は瑞々しい苺が透明感のある軟らかい羽二重餅にくるまれている。餡が入っているかどうか分からないくらい、中の苺それ自体が甘い。果汁をこぼさないように大口を開けていただいた。「桜のどらやき」は虎模様の皮の中につぶ餡、そして桜色の求肥が挟んである。皮も桜風味になっているかな。ほんのり桜が香って旨い。こちら主人が創作和菓子でも有名なのだとか。次は練り切りの菓子も買ってみようかな。(勘定は¥1,000程)

 

小ざくらや一清

愛知県名古屋市中村区草薙町1-89

 

( 名古屋 なごや 小ざくらや こざくらやかずきよ いちご大福 フルーツ大福 苺大福 創作菓子 創作和菓子 芸能人格付けチェック 練り切り )

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仙石すし本店 @名古屋市中村区・太閤

2024年01月09日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

ある夜に中村区の太閤にある寿司屋「仙石すし」へ。創業は昭和26年(1951)だとか。こちら駅から少し離れているにも関わらずランチが人気のようで、以前に店の前を通った時にも待ち客が並んでいたのを見たことがある。ただこの夜は落ち着いたもの。店内にはカウンター席が無く、小上がり席とテーブル席があるのみ。自分の他は海外からの観光客が2組ほど。漬け場には職人が2名と手伝いが1名。給仕女性が持ってきた用紙には定食と単品が載っているのみでそこに数を書き入れるようになっている。「握りのおきまりがあるか」尋ねると別の品書きを持ってきたので、そちらから「スペシャル握り1人前」というのを注文。

握り手が2人も居るわりにはまあまあ時間がかかって桶に入った1人前が届けられた。鮪赤身が2つ、白身、イカ、ボタン海老、茹で海老、焼穴子、玉子、鉄火3つ、という内容。タネは大きめの切りつけ。タネの質はこんなものだろうが、穴子だけは痩せて乾いた身がバーナーで炙られているのか、焼き目でなく”焦げ”になっていてとても味わうようなものでなかったのは残念。ただ同じ内容の握りがランチだとかなり安くなるようなので、”お得感”を求める人はやはりランチがいいのかも。予定していた用事の時間が押していたので5分で平らげ勘定してもらった。(勘定は¥2,000程)

 

仙石すし 本店

愛知県名古屋市中村区太閤4-4-3

 

( 名古屋 なごや たいこう 仙石すし本店 仙石寿司 せんごくすし 握り ランチ 海鮮丼 ランチ握り )

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みやこ本店 @名古屋市中村区・大門 (2)

2023年12月29日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

久しぶりに大門にある「みやこ本店」(”こ”は変体仮名)へ。昼には少し遅めの時間だったが店内はほぼ満席の盛況ぶり。相変わらず惚れ惚れとする達筆で書かれた品書きを眺める。この日はバスで移動していたのでちょっと口を湿らせようと画策。ビールよりも日本酒の気分だったが、あまり日本酒に合いそうな肴は無さそう。とりあえず「お酒(小)」と「板わさ」をお願いした。

しばらくして「ねのひ」の徳利と猪口で酒が、醤油受け付きの器にカマボコが8切れ並んだ「板わさ」が供された。カマボコは厚切り。ピンクの縁で綺麗に飾り切りがしてある。「板わさ」って店によって色々だがこうして手が加えてあるとちょっと嬉しいもの。店は相変わらず忙しそう。ご高齢の大女将も給仕として第一線で立ち働いていらっしゃる。ゆっくりと徳利を空けた後は麺類で締めよう。こちらは”ミニ”があるのが酒呑みには有難い。「ミニきしめん」をお願いした。

小さめの鉢に盛られた「ミニきしめん」は、濃い色のつゆに刻みネギと鰹節と省略型。麺は見るからに薄いものだったのでグズグズな軟い麺かと案じたが、ちゃんと張りのあるいい感じのもの。つゆには少し甘味を感じる典型的な名古屋のきしめんつゆ。あぁ、旨い。ほぼ飲み干してしまった。次はフルサイズで。(勘定は¥1,250)

以前の記事はこちら (1

 

 


 

↓ 「稲垣邸(旧・春福、ツルノヤ)」(大正12年・1923・建造)。普通のスーパーマーケットとファッションヘルスが並ぶシュールな大門に残る妓楼建築+カフェー。次々と取壊しが続くこの界隈のかつての様子を残す数少ない建物。初めて裏手に廻って観察してみたが、建物の奥行きの深いこと(写真下6,7,8枚目)。裏から見ても渋い。

 

 

 

 

 


 

みや古本店 (みやこ本店)

愛知県名古屋市中村区名楽町5-1

 

( 名古屋 なごや 大門 おおもん みやこ みやこ本店 麺類食堂 大衆食堂 蒲鉾 昼飲み 近代建築 妓楼建築 中村遊郭 福春 TSURUNOYA )

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スエ @名古屋市中村区・柳橋

2023年12月21日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

老母を「名古屋栄三越」に連れて行ったものの、30分も経たないうちに「もう見るものない。」と言われ、仕方なく昼食の店を探す。タクシーを拾って向かったのは柳橋の交差点南にある「ステーキハウス・スエ」。創業は昭和27年(1952)とのこと。以前から入ってみたかったが、折角なら肉好きな母と一緒の時にと機会を伺っていた。事前に電話を入れておき、店に入るとカウンター席に案内された。店内は昭和の雰囲気そのまま。こちらの名物は何といっても国産黒毛和牛のTボーンステーキ。メニューには「Tボーンコース(お二人様用)」というのがあるので、迷わずそれを注文。瓶ビール(キリンラガー中瓶)もお願いした。料理長が取り出したのはノコギリ。これで大きな骨付きの塊から肉を切り出す。焼く前に部位の説明(テンダーロインとサーロイン)もしてくれた。脂身を切り落とし、肉は備長炭で焼き上げるのだそう。

真昼間からワイングラスのビールで乾杯していると、まず「オードブル(イカの雲丹和え、ローストビーフ、茹で海老)」が届けられた。さすがにどれもきっちり旨い。続いて届けられた「コーンポタージュスープ」は濃厚。自分は小さい頃こういうスープが大好物だったので懐かしさも感じる。続いてサラダはきゅうり、トマトと千切りキャベツ。今では一番最初に生野菜のサラダが出てくる店がほとんどだが、このタイミングで生野菜が出てくるのは由緒正しい店ならでは。

そしてメインの「Tボーンステーキ」が鉄板にのってドーンと登場。すごい迫力。肉は玉ねぎの上にのせられていてチリコンカンが添えられている。料理長曰く「この玉ねぎ、ステーキより美味しいですから!」(笑)と。早速2人でいただいていく。骨まわりの細かいところもしっかり焼いてあり、特に焼き加減を訊かれた訳ではないがミディアムレアといったところ。刷毛で塗った醤油ベースのたれで仕上げてある。肉は唸るほど旨い。下味は控えめなので肉の旨味がしっかり味わえるし、部位が色々なのでひと口毎にそれぞれ違った旨さがある。思わずグラスの赤ワインを追加。肉好きの母は「美味しいねー。」とパクパクと食べている(オイオイ、思ったより食うなァ…笑)。料理長が言う通り、肉汁を吸った玉ねぎも旨い。

添えられた「手作りロールパン」もいい感じ。肉を食べ過ぎてパンを1つしか食べられなかった母は紙ナプキンに包んでこそっと持ち帰ろうとしたが、しっかり給仕の女性にバレてドギーバッグを貰っていた(苦笑)。こちらの店員は給仕の女性も含めてみな慇懃無礼でない自然体の接客でとても居心地が良い。食後のコーヒーも苦味があってしっかり旨い。母は「もうお腹いっぱい。コーヒー残してごめんなさいね。」なんて言っていたが、なんのなんの、あなた沢山喰ったよ(苦笑)。大満足で店を後にした。また連れてこようっと。(勘定は¥23,000程/2人)

 

 


 

↓ 「名古屋三越」にて87歳の老母で遊んでみた(笑)。

 


 

 

ステーキハウス スエ

愛知県名古屋市中村区名駅南1-8-18

 

( 名古屋 なごや ステーキハウススエ スエ 柳橋 やなぎばし Tボーン・ステーキ ランチ 名古屋三越 )

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