浅草の合羽橋道具屋街から上野まで歩いて小腹が空いたので軽く蕎麦を手繰りに池の端へ。近くの「池の端藪蕎麦」はすでに中休みの時間なので迷うことなく今日はこちらへ。
古い看板が歴史を思わせる老舗蕎麦屋。でも店内に入ると意外なほどモダンな造りになっていて、いわゆる風情を味わう事の出来る意匠の店とは違う。壁にはまるで美術館のように蕎麦猪口が飾られている。風情は無いが落ちついた店内。外れた時間だという事もあって店内には数人の年配の女性客らのみ。今回は蕎麦前は無しで、軽く「せいろそば」を1枚注文。
女性客が「この店は古いのよねぇ」と娘さんに尋ねている。「150年位ですっ」と事も無げに快活に答えていた(創業1860年)。それって…凄い事だ。
でもこの雰囲気のある店構えには以前から疑問がある。自分の持っている古い本(平成2年発行)にはこの店が紹介されているのだが、店内のドーム上の天井やモダンな造りは今のままだが、店の正面も丸窓のついた扉があり、とてもモダンな意匠で、現在の鄙びた感じとは全然ちがうのだ。店内からいくと店の表も当時改装されたと考えるのが普通だが、そうすると現在の写真のような表はまた造り替えられたものなのか…。どうして?何があったのだろう。
量的には多くないけれどしっかりした食感の蕎麦。色は白く香りは強くない。濃いめのつゆは東京の老舗に共通している。やかんに入った蕎麦湯を足して飲み干して一息。(支払いは¥630)
池之端 蓮玉庵
東京都台東区上野2-8-7