この地方が発祥と言われる「ベトコンラーメン」。その発祥の店と言われているのが一宮市にあるこちら「新京本店」。昭和44(1969)年の創業とのこと。ごく普通の住宅街の街道沿いにあり、周囲に特に目立つランドマークがないので地図を確認しながら初めての訪問。店舗のそばを通る高架近くに駐車場があります。名の知れたお店なので、正直こんなに地味な店構えだとは知らなかった。看板には「ベトコンラーメン本舗」と書かれている。日曜日の昼過ぎだったが、周囲はのんびりとした雰囲気。車も人通りもあまりなく、のどかな休日だった。店に入るとコの字のカウンターとテーブル席がある。見たままの小さなお店。先客が何組も居たし、自分が店に入った後も次から次へと客が入ってきた。カウンターに座って、標準のベトコンラーメンを注文。壁いっぱいに貼られたメニューや説明書きによると、ラーメンも色々な仕様(麺の種類や辛さなど)で注文出来るようだ。ラーメンのみでなく、数多くの一品料理やご飯ものもある。どれも何だか旨そうだ。
「ベトコンラーメン」に関しては発祥はこちらで間違いなさそうだが、名前の由来については諸説ある。こちらの店の関連サイトではベストコンディションラーメンの略としている(なぜかこの店が店舗一覧にないが…)。ただ岐阜の店などでの説明は違うようだ。自分もこの店の創業時期(ベトナム戦争真っ只中)や、果たしてベストコンディションをベトコンと略すだろうか?という疑問があり、何らかの事情で後付けした理由なんじゃないかな、と勝手に思っている(※)。ま、自分が最初にこのラーメンを知ったのは大昔に岐阜の店の路上看板でなので、記憶に刷り込まれているだけかもしれない(笑)。
※こちらの店主が取材記事でベトナムコンサン(南ベトナム解放戦線)から名付けられたが、のちに由来の方を変更したと述べている
しばらくして奥の厨房からベトコンラーメンが登場。脂たっぷりで炒められたニラ、もやし、唐辛子と、粒のままのニンニクがごろごろと入っている。全部で8つくらい入っていたかな。どれもトロトロに柔らかく煮込まれていて、それ自体がニンニク臭い訳ではない(スープには溶け込んでいるだろうけど)。見るからに辛そうだが、口に運んでみると意外とそうでもない。ピリッとした辛さとしっかり炒められた野菜が旨い。麺は意外と細くて縮れている。スープもこれ以上辛いと人を選ぶだろうが、いい塩梅で、あっという間に完食した(さすがにスープは残したが)。額にじんわりと汗が。スープを飲み干しこそしなかったが、ずいぶん匂っているんだろうなァ(笑)。次はベトコン焼そばなんて気になる…。(勘定は¥850)
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新京 本店
愛知県一宮市松島町5
※閉店されたそうです(令和4年現在)
(しんきょうほんてん 新京本店 しんきょう ベトコン ベトコン・ラーメン 閉店 廃業 )