ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

夏の十字架 / ラフィー・タフィー

2012年10月29日 | ロック(日本)

Rafytafy_2 

夏の十字架 / ラフィー・タフィー (2000)

物議を醸した「冬の十字架」の発売中止事件だが、こちらラフィータフィー名義の「夏の十字架」にはもう少し音楽業界の黒い部分が垣間見れるような事件があった。

一般的にはインディーズ・レーベルというとアーティストに近くてメジャーに載らないアーティストの味方みたいなイメージがあるが、それはそれ、業界にはいろいろあるようで、収録曲「ライブ・ハウス」で「♪偉くなったんだな」と自身の事を揶揄された下北沢QUEのオーナーが激怒し、関係レーベルから発売されるはずだったこのアルバムが発売中止になってしまったらしい。メジャーからもインディーズからも発売中止というのは前代未聞の事だろう。

それにしても天下の忌野清志郎でさえこんな了見の狭いゴタゴタに巻き込まれてしまうんだなとあ然とさせられる。お題に挙がった彼らからしてみれば、搾取がまかり通っているライブハウスの現状を歌った「ライブ・ハウス」の内容を自ずと証明してしまう結果になった訳だ。メジャーもマイナーも結局搾取する側の体質は一緒か。

このいきさつについては清志郎著の「瀕死の双六問屋」で触れられている。細かい事実の言及は無く、フィクションのようなノンフィクションのような不思議な世界観で書かれているが、行間から彼の怒りと悔しさがにじみ出てくる力作だ。清志郎の言葉はふざけているようでいつも物事の「本質」を突いている。興味のある方は是非読んで欲しい。

オークションにて購入(¥964)

  • CD (2000/7/7)
  • Disc: 1
  • Label: Swim Records
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    FORTISSIMO H (フォルテシモアッシュ) @名古屋市千種区・千種

    2012年10月26日 | 名古屋(千種区・守山区)

    池下のセントラルガーデンの成城石井で買い物をした際に寄ってみた有名パティシエ辻口氏のお店。ただ当たり前だがご本人が居る訳ではない。家人にお土産でも買って帰ろうかと思ったらイートインスペースがあるので入ってみた。

    店内は女性客ばかりで満員だったがカウンターがあったので一安心。エスプレッソメーカーが置いてあったのでエスプレッソを注文したら機械が故障中との事。仕方がないので普通のコーヒーと「ドゥ・ジャポン」(いわゆるモンブラン)を注文。

    店での提供だったが、ケーキの下のプラスチックの器がそのまま皿の上に載って出てきたので、ショーケースの中の物をそのままでの提供なんだろう。その場で何か手が加わっているとちょっと嬉しいんだけれど。生地はスポンジではなくメレンゲ。生クリームは軽め。表を覆った栗のクリームでしっかりと栗の味は味わえたがちょっとバランスは自分好みではなかった。コーヒーは可も不可もなし。少し期待をしすぎたのかごく普通の食後感で驚きとかはなかったがケーキひとつの注文だけでどうのこうの言えるものでもない。

    ネームバリューがあるのでお土産は知り合いにも家人にも喜ばれた。

    FORTISSIMO H (フォルテシモ アッシュ)

    名古屋市千種区高見2-1-16  名古屋セントラルガーデン

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    Welcome to Vh1 Storytellers / Various Artists

    2012年10月25日 | クラシック・ロック

    Story

    Welcome to Vh1 Storytellers / Various Artists (2000)

    ケーブルTV「Vh1」の名物企画「Storytellers」のオムニバス盤。大物がこぞって出演するこの企画は、スタジオライヴ演奏の合間に曲にまつわる様々な話をミュージシャン自身が話すというスタイルで、いくつかアーティスト毎にアルバムも発表されている。そんなスタイルなので和気あいあいとMTVのアンプラグドにも似た雰囲気で演奏される。このアルバムはオムニバスでそういった曲間はあまり収録されていないので、あの内輪ノリが嫌いな人もOKか。

    ボウイ(David Bowie)やプリテンダーズ(The Pretenders)、シェリル・クロウ(Sheryl Crow)などお気に入りのアーティストが収録されているので迷わず購入。馴染み深い彼ら以外でも自分はほとんど聴いた事がなかった6や8などなかなか素晴しい演奏があり満足。

    中古店にて購入(¥250)

  • CD (2000/4/25) 
  • Disc: 1
  • Format: Import, from UK, Live
  • Label: Interscope Records
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    冬の十字架 / 忌野清志郎 Little Screaming Revue

    2012年10月24日 | ロック(日本)

    Screaming

    冬の十字架 / 忌野清志郎 Little Screaming Revue (1999)

    このアルバムが発売された頃は清志郎の動向に疎かったし、RCサクセションのアルバム「コブラの悩み」以降、タイマーズを除いては聴いていなかったので、また発売中止騒動に巻き込まれたというニュースは知っていたが実情はどんなだったか全然知らなかった。

    最近、また聴き始めたこともあっていろいろ過去の事を調べてみると、この時期においても彼は自分の信念に基づき、歌いたい曲を歌いたいように歌う、というアーティストとして至極真っ当な欲求に素直だったことに感心する。

    このアルバムでは「君が代」をロック・ヴァージョンで歌ったために怖気づいたレコード会社から発売中止になりインディーズからの発売となった。ただ当の宮内庁は特に否を論じなかったはずだし、右翼がどうしたとも聞かなかったはず…。これが最も怖い「自主規制」って奴なんだろう。

    あらためて聴いてみると清志郎の声はノッているし、以前にも増して輝きを放っているように感じる。リアルタイムで聴かなかったことを激しく後悔。収録時間が短いアルバムだがそれがまた集中して聴くことの出来る長さでもあり飽きさせない。

    そして続編ともいえるもう一つのアルバム「夏の十字架」の方がより彼の「凄み」を感じさせる事になるのだ。

    オークションにて購入(¥880)

  • CD (1999/9/22)
  • Disc: 1
  • Label: Swim Records
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    Searching for the Young Soul Rebels / Dexy's MIdnight Runners

    2012年10月23日 | エイティーズ

    Dexys

    Searching for the Young Soul Rebels / Dexy's MIdnight Runners (1980)

    80年発表デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ(Dexy's Midnight Runners)の傑作リマスター盤。エンハンスドCD仕様でビデオクリップが2曲見られるようになっている。この後に発売された大ヒット曲「カモン・アイリーン(C'mon Eileen)」が有名だが、このアルバムは以前から評価が高く、5は英国でヒットしている。

    パンクの系譜出身のバンドだけれど、ヴォーカルのケビン・ローランド(Kevin Rowland)の特徴ある声とホーン・セクションを多用したソウルフルな曲が魅力。後の奇行(失礼!)の印象があまりに強い今のケビンだが、若い頃から一度聴いたら忘れられないオリジナルな声。

    アルバムは冒頭でラジオのチャンネルを回す効果音からスタート。ピストルズ(Sex Pistols)やスペシャルズ(The Specials)が一瞬流れてかっこいい。そして楽曲はパンク色は薄いがパブロック、スカ、レゲエなどを通過した多様な音楽性で充実していて聴き飽きない。ジャケやタイトルのかっこよさも含めて名盤。

    中古店にて購入(¥210)

  • CD (2000/8/23)
  • Disc: 1
  • Format: CD, Enhanced, Original recording remastered, Import, from US
  • Label: Caroline
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    The Real... / Bob Dylan

    2012年10月20日 | クラシック・ロック

    Dylan

    The Real... / Bob Dylan (2012)

    ディラン(Bob Dylan)の最新3枚組オールタイム・ベスト(ただし80年代まで)。新品でも廉価盤なので驚異の値段。もちろん音源としては持っているものばかりだけれど迷わず購入。ライナーノーツなどは全く無しだが収録曲や曲順が新鮮なので充分楽しめる。曲順に関しては厳密な年代順でないのも興味深い。特に3枚目の選曲や曲順は独特。

    1-13「Down Along The Cove」や3-5「Pessing On」などの選曲が特に新鮮。あらためてディランが長い年月に渡って素晴らしい曲を作ってきたことが分かる。個人的には80年代初期~中期みたいに苦手な時期もあるんだけれど。

    まさかこれの日本盤は出ないと思うが、もしこれにライナーノーツと歌詞カードつけたとしたら日本のレコード会社はいくらで売るだろうか…。ベストアルバムなんて本来ここまでとは言わないが安い値付けが妥当だ。ただ巷の流行(特に大御所アーティストの場合)はディランの前回のベスト「Dylan」やストーンズ(The Rolling Stones)の次期ベスト「Grrr!」のように豪華おまけ付きデラックス・ヴァージョンを作って高額な値つけをする場合が多く残念だ。

    繰り返すけれど、これは本当にお買い得!

    amazonにて購入(¥890)

  • CD (2012/10/9)
  • Disc: 3
  • Format: CD, Import, from UK
  • Label: Sony UK
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    The Iron Man : The Musical by Pete Townshend

    2012年10月17日 | クラシック・ロック

    Pete

    The Iron Man : The Musical by Pete Townshend (1989)

    1989年にピート・タウンゼント(Pete Townshend)が発表したソロ・ミュージックスコア。「The Musical」となっているが実際にミュージカルとして上演されたのかは不明。アルバムとしてはザ・フー(The Who)名義の曲が2曲収録されていて、後の再結成ツアーに繋がった。

    気になるのはやはりザ・フー名義の曲。まず4はロジャー(Roger Daltrey)のヴォーカルがあるだけでしっくりくる「らしい」曲。バックのピートのコーラスで「あぁザ・フーだ」と実感出来る。11はロジャーのヴォーカルにエコーがかかっていて「らしくない」曲。完全にザ・フーの音だけ求めてしまうのは悲しい性か。

    その他メイン・キャラを演じているのがジョン・リー・フッカー(John Lee Hooker)っていうのが凄い。ブギー、ブルース以外の曲で彼の声を聴くのは新鮮。

    ピート十八番(マンネリ?)のシンセ音ループを多用していないのはいいけれど、ミュージカルとしての内容が全くつかめないので曲自体が胸に響いてこないのは至極残念。またヒアリングの壁が…。

    ブックオフにて購入(¥250)

  • CD (1989/6/19)
  • Disc: 1
  • Format: Import, from US
  • Label: Atlantic / Wea
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    The Joshua Tree (Deluxe Edition) / U2

    2012年10月13日 | エイティーズ

    U2

    The Joshua Tree (Deluxe Edition) / U2 (1987)

    U2の名盤のデラックスエディション。U2初期の頂点を示したアルバムだけに1枚目はもちろん文句なし。ここにボーナストラックとかを付け加えなくてよかった。

    2枚目はアウトテイクや別ヴァージョン、アルバム未収録曲をまとめたもの。チャリティ・アルバム「サン・シティ(Sun City)」(再発は無いのか?)に収録されていたストーンズ(The Rolling Stones)のキース(Keith Richards)とロニー(Ron Wood)との豪華競演アコースティック・ヴァージョンの9も収録されていてうれしい。この曲は個人的にはバンド・ヴァージョンよりこちらの方が出来がいいと思う。充実した時期だけにそれぞれの曲は本編に劣らない出来。

    個人的にはこれ以降U2への興味はだんだん薄くなっていったが、それ以降も様々な試みを続けてトップバンドに君臨している彼らはすごい。あぁ、「瀬戸市文化会館」へ行っておくべきだった…(←まだ言っている)。

    オークションにて購入(¥818)

  • CD (2007/12/10)
  • Disc: 2
  • Format: CD, Original recording remastered, Import, from UK
  • Label: MERCURY
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    助六 @岐阜県関市

    2012年10月12日 | 岐阜県(中濃)

    岐阜県関市の寂れた(失礼)商店街の端にある蕎麦屋。うどんやご飯ものもやっていた先代の頃から現在の主人が蕎麦のみを扱うようになってもう何年経っただろうか(※)。すでに雑誌や蕎麦本にも取り上げられて全国に名前を知られるようになった。店内の配置は昔とそう変わっていないので昔のままの雰囲気を残しているが、だんだんとしつらえを変えてセンス良く落ちついた雰囲気になっている。外観も新しく格子を設置したりして変化している。駐車出来る場所が多くなったのは有難い。

    (※自分は食べたことが無かったが、その昔有名だったのは「中華そば」だったのだとか)

    蕎麦(ざる)は喉越し良くとても好み。香りが強い訳ではないがバランスがいい(もちろん季節によって違う)。つゆは一時よりずいぶん濃いめになった気がするがどうだろう。以前はもっと出汁感が強いマイルドなタイプだった気がするが、久しぶりに行ったらかえしが強めの自分の好みの方に変わっていた。これはうれしい変化。と言いながら実は昔と全然変わっていなかったりして…。自分の舌の記憶なんてたいして当てにならない。最近はこの地域にもこだわった蕎麦屋が増えたのでもうこの店は大ベテランの域だ。蕎麦も食欲を満たす食べ物では無くなってしまったが(本来の姿に戻ったというべきか)、この商店街で末長く続いて欲しい。よく臨時休業するので訪問する場合は注意が必要。

    この後の記事はこちら

    そばきり 萬屋町 助六 (そばきり よろずやちょう すけろく)

    岐阜県関市本町8丁目27

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    (Music from) Vanilla Sky / Various Artists

    2012年10月11日 | サウンドトラック

    Vanilla

    (Music from) Vanilla Sky / Various Artists (2001)

    ディラン(Bob Dylan)の曲「Fourth Time Around」が入っていたから購入したけど収録されているのは「Live 1966」のテイクだった。その他にも多くはメジャーでありながらセンスあるアーティストの曲が収録されている。個人的には相変わらすRadioheadが苦手だけれど。

    この映画の監督のキャメロン・クロウ(Cameron Crowe)は以前購入した「Almost Famous(あの頃ペニーレインと)」でフィーチャーされた主人公その人らしい。なるほど選曲がマニアックなのも納得。

    この映画も観ていないので自分にはこのサントラを語る資格はないなぁ。何しろ映画自体と、このサントラのシンクロ具合がとても優れているらしいからぜひ探して観てみたいと思います。

    中古店にて購入(¥105)

  • CD (2001/12/10)
  • Disc: 1
  • Format: CD, Soundtrack, Import, from US
  • Label: Reprise / Wea
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