Weld / Neil Young & Crazy Horse (1991)
1990年に発売されたアルバム「Ragged Glory」に伴うツアーを記録した2枚組アルバム。久々にクレイジー・ホース(Crazy Horse)の面々との競演で、初っ端からギターが歪みまくっています。アルバムごとに表情を変える二ール・ヤング(Neil Young)ですが、この頃からディスト―ション・ギターを武器にオルタナティヴ・ミュージックへの接近をみせ、ツアー・サポートもソニック・ユース(Sonic Youth)だった。雑誌「クロスビート」でよくレポートを読んだけれど、当時はその組み合わせにピンとこなかった。その頃から彼をリスペクトする若いアーティストの発言が相次ぎ、のちには「ゴッドファーザー・オブ・グランジ」と呼ばれるようになる。
自分はニルヴァーナ(Nirvana)には全然ピンとこなかったが、パール・ジャム(Pearl Jam)は好きだったので、そのあたりの音楽を聴くようになってからようやくよく聴くようになった。でも二ール・ヤングのあの声は以前からあまり得意でなく、名盤と呼ばれているアルバムやベスト・アルバムは持っていたが、あまり掘り下げて聴くような事はなかったなぁ。このアルバム発売当時にしっかり聴いていたらもっと好きになったかもしれない。ちょっと遅すぎた。
当時はブッシュ政権下で湾岸戦争の時期でもあり、メッセージ性のある曲の中で目茶苦茶に歪んだギターの音と二ールの高いヴォーカルが不思議な世界を作り出している。さすがに音楽的に一体感があるとは言えないが、歳をとった二ールだからこその恐ろしいまでの迫力。そして行き着いた先はノイズまみれの「Arc」(「Weld」と3枚組でも発売された35分1曲収録ノイズ・アルバム)。なるほどソニック・ユースとウマが合うはず。でもこの彼の突拍子もない振り幅の音楽スタイルに合わせて一緒に突っ走ることの出来るクレイジー・ホースって凄い…。
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