ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

茂美志屋支店 @滋賀県長浜市

2019年07月19日 | 滋賀県

長浜市内の古そうな建物を求めて以前入ったことのないような路地を行ったり来たり。おかげでだんだん土地勘も付いてきた。ずっと自転車で走ったり、降りて歩いたりしていると朝昼食が早かったこともあってお腹が空いてきた。路地巡りの途中で「茂美志屋支店」に入ることにする。本店は黒壁スクエアの真ん中にあり人通りも多い場所だが、こちらの支店はひっそりと静かな通り。店も本店と違って一般的な大衆食堂の風情(そういえば以前は本店の「のっぺいうどん」で”撃沈”したなァ…)。もちろん観光客がここまではなかなか入ってこない場所なので地元客が中心のようだ。

カウンター席とテーブル席があり、先客が何組も。壁に品書きがあるので振り返って何にしようか思案する。「焼めし」と「オムライス」が気になっていたのだが、ふと見ると季節メニューが別に紙で貼りだしてあり、自転車で動き回って暑かったからか反射的に「冷やし中華」をお願いしていた。疲労で酸っぱいものを欲していただろうか。周りを見ると「焼めし」の注文率が高い。「焼めし」も…と思ったが思いなおす(そもそもそんなに入らない)。今年初の「冷やし中華」だ。

しばらくして給仕の女性によって運ばれた「冷やし中華」にはとても細い錦糸玉子がのっていた。他の具材はハム、キュウリ、刻み紅生姜。それに蒲鉾の上には辛子がのせてある。早速麺を手繰ってみると麺はストレート麺。ビッと酢が効いていて旨い。汗をかいた後の酢と冷たいスープはバッチリ。途中で辛子を箸先に漬けたりしてスルスルといただいた。観光客向けでもなく、気取らない感じの食堂。次に長浜に来た時にもまた寄りたいなァ。次はもちろん「焼めし」で(←と言いながらまた迷うに決まっている)。(勘定は¥650)

本店の記事はこちら

この後の記事はこちら

 


 

↓ 以前も訪れた、廃業済みの三ツ矢町の銭湯「いなり湯」(建築詳細不明)。建物はまだ健在だった。中を見てみたいなァ。

 

↓ 「茂美志屋支店」から遠くない路地にあった元浜町の洋館付きの建物(建築詳細不明)。赤い屋根に尖塔があるのが可愛らしい。

 

↓ パッと見て通り過ぎてしまった元浜町の建物(建築詳細不明)だが、よく観察してみると壁の仕上げ、窓枠下部の装飾や、隅切り(半切妻)屋根の意匠など古そうな雰囲気がプンプン。

 

 


 

 

茂美志屋支店

滋賀県長浜市神前町4-15

 

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鳥喜多支店 @滋賀県長浜市

2019年07月09日 | 滋賀県

本格的に梅雨入りして天候不順な中、暇を見付けて何度か長浜~彦根方面へドライヴ。この日は朝早く家を出て長浜市内の駐車場に車を停め、自転車を取り出して散策。今にも雨が降りそうな空模様だったが何とかパラパラ程度に収まった。人でごった返すことが予想された黒壁スクエア辺りの古い建物を早いうちに愛で、だんだんと郊外まで足を伸ばしていく。やっぱり自転車の機動力はいいなァ。駅の南側の近代建築を探索した後に昼食に向かったのは、かの人気店「鳥喜多」の支店。以前から訪問を計画していたのだが閉店時間が異常に早く、すでに2度振られている。あちら本店はこの日も約40人(!)の大行列。それに対して駅近くの路地にあるこちら「鳥喜多支店」(”喜”と”多”は変体仮名)は落ち着いている。開店時間と思しき時間に店に着くとすでに暖簾が掛かっていた。店内にはテーブル席が2つ、小上がり席が3つ。すでに先客が3組。こちらも親子丼率は9割。白髪の老夫婦と給仕女性でやっていらしゃるのかな。注文したのはもちろん「親子丼」。そして「かしわ鍋」もお願いした。

まず運ばれた「親子丼」は本店同様の玉子の黄身がのった姿。ネギはもちろん青ネギ。並べて出されたら自分は本店の物とこちらの物の区別は付かないだろう。まずは黄身を潰さないよう外側から攻める。あっさりめのつゆは玉子と絡んでいい塩梅にとろっとしている。こちらも旨いナー。本店に行ってから随分経っているのでつゆに違いがあるかどうかもよく分からない。下に掘り下げるよう箸を入れていくが、予想よりも早く黄身を損壊させてしまった(笑)。流れ出る黄身で丼ぶりは玉子かけご飯風に変化。これまた旨い。途中で運ばれた「かしわ鍋」は小さい土鍋に入っている。レンゲの上にはすり生姜が沢山盛られていた。生姜は脇に置いておき、まずはそのままつゆをいただく。しっかりと出た鶏の出汁が旨い。具材は親子丼同様、やや小さめに切られたかしわと青ネギ、それにネギの白い部分も入って玉子でとじてある。次はすり生姜を効かせて。ウン、間違いない。プリッとしたかしわとネギを挟みながらつゆをすくうレンゲが止まらない。ポカポカとして額から汗が滲んできた。あぁ、これで酒をやってみたいなァ。

勘定してもらい店を出て散策を続行。たまたま12時半頃に店の前に自転車で戻ってきたら、何ともう暖簾が仕舞われていた…。実質営業時間は約1時間半?(夜営業は未確認)。ご注意あれ。(勘定は¥950)

本店の記事はこちら

 

 


 

↓ 店に近い朝日町で見つけた洋館付き日本建築(建築詳細不明)。門柱もあってなかなかいい感じ。軒下や2連窓上の装飾などカッコイイ。この近辺はさすがに観光客は1人も歩いていないが、風情ある建物と街並みが残っており素敵なところだ。

 

↓ こちらも同じく朝日町の車も通れない細い路地の先にあった建物(建築詳細不明)。何の前知識も無かったので偶然見つけた時には興奮した。玄関先の雰囲気や渡り廊下でつながった平屋の建物の様子などからいくと医院か何かだっただろうか。何せ前の道が狭く、向かいの犬にも吠えられるので(笑)、写真が撮り辛くて…。

 

 

 

↓ 同じく朝日町のこちらの一般住宅(建築詳細不明)は増築部分が古くなく、パッと見、見逃しそうになったのだが、隅切(半切妻)屋根だったのでしっかり見てみると、軒下や窓枠部分に地味ながら装飾が。しかも2階窓の手すり部分が何と木製(!)なのだった。スゴイ。

 

 


 

 

うどん・丼物 鳥喜多支店

滋賀県長浜市北船町6-22

 

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おとわ屋 @滋賀県高島市

2019年04月27日 | 滋賀県

滋賀県高島市今津町のヴォーリズ建築巡り。昼食は今津ヴォーリズ通りから少し入った所にある食堂「おとわ屋」で。隣は和菓子屋になっていて中は繋がっている。ちょうど暖簾が出たところに店の中へ。土間にテーブル席が4つ並ぶ。杖をついた老齢のお父さんが「どちらから?」と声を掛けて下さる。「おーい、お客さん来はったでー。」と女将さんを呼んだ。調理など全般は女将さんがやられるようだ。壁の紙短冊に和洋麺類色々な品が揃っていて、どれにしようか頭を悩ませていると、お父さんが「カツ丼も旨いでっせ。」と言って下さったのでそれに決定(笑)。品書きに”出し巻セット”なるものがあり、わざわざセットになっているし単品にもあったので、こちらの名物だろうと単品で「出し巻き」を追加した。見慣れない関西地方の昼番組を見ながら出来上がりを待つ。品書きの横に「申し訳ありません。+20円消費税として頂いています」との貼紙が。全部20円?アバウト(笑)。

しばらくして女将さんがお盆にのった「カツ丼」と平皿にのった「出し巻き」を持ってきてくれた。「カツ丼」には昆布と豆の煮物の小鉢や、白菜漬けが付いている。とろっとした玉子とじの「カツ丼」は玉ねぎでなく青ネギが使われているタイプ。東海地方でもごくまれに見かけるが関西地方(特に京都?)に多いようだ。つゆは出汁の強くない家庭的な味付けでたっぷりめ。よく揚がったカツは薄いが丼ぶり一面にのっかっていて、旨い。青ネギのカツ丼には山椒もよく合うので、卓上の山椒も振りつついただいた。「出し巻き」は切られておらず、大きなものがそのまま。出来上がりは家庭的な感じでなかなか旨い。本当はこれで酒かビールでもやれたら最高なんだけれど、そうもいかない。美味しくいただいて勘定してもらった。(勘定は¥1,000程)

 

 


 

↓ これぞヴォーリズという感じの「旧・今津郵便局」(昭和11年・1936・建造)。何よりも素晴らしいのはほぼそのままの形で公開されているところ。ヴォーリズ建築らしい温かみのある建物の雰囲気をたっぷりと味わえる。トイレ(写真下15、16枚目)だってヴォーリズ(笑)。綺麗にしてガワだけ残しました的な近代建築とは説得力が違う。登録有形文化財。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

おとわ屋 (おとわ餅)

滋賀県高島市今津町今津1602-1

 

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グリル・フレーバー(2) @滋賀県彦根市

2019年04月08日 | 滋賀県

滋賀県彦根市周辺の散策。この日は夕方には帰る予定だったけれど「折角だから」という理由をつけて、嫁に夕飯までには帰らない旨連絡し、夜は市内で摂ってから帰ることにする(休日なので向こうは向こうで気が楽だろう)。結局朝に居た「銀座商店街」へ舞い戻った。車を停めてまず向かったのは商店街の裏手にある銭湯「山の湯」(創業明治12年!)。映画のセットかと思うような素晴らしい雰囲気の銭湯でゆっくりと汗を流した。そして歩いて向かったのは商店街の洋食屋「グリルフレーバー」。「スイス」とどちらにしようか迷ったのだが、ご高齢の大女将さんの姿を思い出してこちらに。店に入ると先客は数名。大女将さん達は端のテーブルで箸入れ作業中。厨房には以前見かけなかった若い調理人の姿が。跡継ぎかお弟子さんか…。

汗を流したので本当はビールを流し込みたいところだが、運転があるので”堪え難きを堪え、忍び難きを忍び…”(涙)。メニューを眺めながら思案。「オムライス」食べたいナ…、「カニグラタンライス」は鉄釜に入ってるのか…、などと長考の末、選んだのは「ビーフシチューセット」。横で女将さんの「いつもビーフシチューセットのあのお客さん、もう来はった?」なんて声が聞こえてきて反射的に注文してしまったのだ(笑)。ピアノ協奏曲が流れる店内で料理の出来上がりを待つ。カトラリーが置かれてまずはスープが運ばれた。「え、シチューのセットでスープ?」と意表を突かれる。しっかりと1人前の量があるコーンポタージュ。クルトンとパセリが浮いている。コーンスープを飲むのは久しぶり。これ自分の小さい頃の大好物(「あさくま」のが好きだった)。これがまたしみじみと旨い。きれいに飲み干した。

そしてしばらくすると蓋付きの耐熱皿に入った「ビーフシチュー」とライスが登場。ライスは半分の量にしてもらった。「ビーフシチュー」には牛肉の他にポテト、人参、いんげんが入っている。シチューはしっかりと濃い色、濃い味付け。酸味が強いのは上にかかったサワークリームのせいもあるだろうか。たっぷり熱々のシチューをまとった肉片を取り上げて口中へ。簡単に筋状にほぐれていく。旨い。熱いのでコップの水を飲み干すと、氷の音がカランとしただけで女将さんと作業をしていた女性(若女将?)がすぐに水を足してくれた。こういう気遣いがうれしいもの。中のポテトだけは既製品のようなクリンクルカットで味も正直今ひとつ。これが普通の茹でジャガイモだったら良かったのになァ。こちらではまだまだ食べたい物が沢山。行列の出来る「スイス」の人気も分かるが、こちらも勝るとも劣らない素晴らしい正調洋食屋ですヨ。Long live 大女将。(勘定は¥1,620)

以前の記事はこちら (1

この後の記事はこちら (3)(4

 

 ※フレーバーのマッチ

 


 

↓ 商店街の路地裏にある「山の湯」(建築詳細不明)。創業は明治14年(1879)だそう。彦根唯一の銭湯。銭湯のすぐ近くに社(やしろ)があるのがまた何とも言えない雰囲気。いつの建物か分からないが番台から何から古いまま。格天井の脱衣所には床がガラス板で下が見える凝った池庭もある。浴場は湯気抜き天井で、薬湯の壁には埋込み水槽も(魚は居るが暗くて見えない・笑)。真ん中にあるごく小さい湯舟は子供用(ちゃんと温め)なのだとか(おじいさんが入っていたけど・笑)。熱めの温度設定も好み。ツイッターがあってビックリ(笑)。

※令和19年8月末に廃業されました

  

↓ 夕闇迫る「滋賀中央信用金庫銀座支店(旧・明治銀行彦根支店)」(大正7年・1918・建造)。もう少し暗くなるとライトアップされた姿が観られるはずなのだが…。

 

 


 

 

グリル・フレーバー

滋賀県彦根市銀座町4-19

 

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パーラー風月 @滋賀県彦根市

2019年03月25日 | 滋賀県

彦根市内を自転車でたっぷり散策し、多賀大社方面へ移動する為に彦根銀座商店街近くの駐車場まで戻ってきた。その前に軽くコーヒーでもと、朝はまだ開いていなかった「風月堂」上階の「パーラー風月」へ。階段を昇っていき、「あぁ、こんな色付きのガラスってあった、あった」といきなりノスタルジックな気分にさせる黄色いガラス扉を開けて店内へ。ランチタイム頃とあって先客は無し。お母さんが1人でやっていらっしゃる。童謡のような曲がかかっていて、ペンダントライトや木彫りの熊などの観光土産や何かが置いてある壁際が昭和のまま。経年でクッションがなくなってお尻が嵌ってしまいそうな椅子に腰掛け(笑)、メニューを眺めた。注文したのは「ホットコーヒー」と「風月プリン」。音だけ聞こえたがコーヒーは喫茶店でよくある鍋温めのよう。

しばらくしてコーヒーと「風月プリン」が登場。「風月プリン」は四角いガラス平皿にプリンが2つとフルーツが盛られている。プリンは手作りと思しきカスタードプリンで、頂部にカラメルソースがかかっている懐かしいタイプ。配膳時にお母さんが砂糖とミルクのポットを置いて蓋を開けてくれていたが、自分はコーヒーに砂糖やミルクを使わないので、このプリンのしっかりとした甘さが嬉しい。美味しい2つのプリンに添えてあるフルーツは、苺、キウイフルーツ、パイナップル、オレンジ、バナナととても多彩。そこに生クリームも添えられている。オッサンが洒落た店でこの組み合わせを注文するのは勇気が要るが、この店なら問題無し(笑)。いい休憩になった。(勘定は¥930)

 

 


 

↓ 花しょうぶ通の入口交差点角に立つ登録有形文化財の「滋賀中央信用金庫銀座支店(旧・明治銀行彦根支店)」(大正7年・1918・建造)を再訪。前の歩道や脇の道幅が狭いためなかなか写真を撮るのが大変。

 

↓ 花しょうぶ通で同じく登録有形文化財の「宇水理髪店」(昭和11年・1936・建造)も再訪。現役の理髪店で、何度見ても上部のバリカンを模した飾りが素敵。

 

 

↓ 本町にある「俳遊館(旧・彦根信用組合本店)」(大正13年・1924・建造)も再訪。何だか近代建築の存続を巡回監視している気分(笑)。

 

 


 

パーラー風月

滋賀県彦根市銀座町5-7

 

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風月堂 @滋賀県彦根市

2019年03月16日 | 滋賀県

彦根の「銀座商店街」にある和菓子屋「風月堂」へ。まだ店を開けてすぐだろう時間に中へ入ってみた。ガラスショーケースの中には和洋の様々な菓子が並んでいる。好物の最中の種類が多い。前回彦根に来た時は色々時間の都合があり、ちょっと慌てて帰ったのでいくつか購入しようと思っていた品の事を忘れてしまっていた。そのうちのひとつで、絶対に買って帰ろうと思っていた目当ての品は、その名も「バルブ最中」。「”バルブ”ってあの工業製品の!?」と、気になって仕方がなかった。この「バルブ最中」は戦後から発売されているそうで、バルブの生産が明治20年からの彦根の地場産業なのだとか。知らなかった。にしてもバルブで最中って…(笑)。一緒に本物のKITZのバルブが並べてあるが、この見覚えあるバルブも彦根で生産しているのかな。店の中には誰もおらず、奥に引っ込んでいるんだろうと呼び掛けるも全く返答がない。奥に向かって何度大声を出してもダメ…(不用心だなァ・苦笑)。外を見回しても誰も居ないし、ちょっと待ってみたがダメ。結局出直すことに…。

市内散策をして時間を置いてからもう一度訪問すると、今度は主人がいらっしゃった(ホッ…)。購入したのはもちろん「バルブ最中」と、”彦根銘菓”と冠が付いていた「たちばな」。嫁の分と2つづつ購入して持ち帰った。家に着いてから包みを開ける。分かってはいたが本当に”バルブ”(写真下左)。最中種には”FUGETU”の文字も。あんこが少しはみ出しているのは元々だったのか、自分が自転車で振り回したからか。何しろ面白い形だ。中は照りのある甘めのつぶ餡。バルブだけあって厚みがあるのであんこの量も多い。

 

二重に包装された「たちばな」は粉を吹いたゆず風味の菓子。餡が軟らかい求肥で包まれている。”たちばな(橘)”は井伊家の家紋で、彦根の茶席でもよく使われる菓子なのだとか。上品な甘さでこれも旨い。まだまだ色々な最中や菓子が置いてあったのでまた寄ってみよう。(勘定失念)

 

 


 

↓ 今回の彦根散策で一番のサプライズだったのが錦町の「シブヤ寫眞舘」(昭和10年・1935・建造)。この建物の情報は全く持っていなかったので、細い路地を適当に入って行って見つけた時は感動した。路地が狭すぎて上手く写真は撮れないが、逆読みの立体文字看板といい、庇の装飾といい、ショーウインドーといい、素晴らしい。こちらの写真館は彦根市等に数多くの歴史的な写真を寄贈しているのだとか(参考:)。もちろん自主的なんだろうけれど、町の写真館にはこういう素敵な役目もあるんだなァ。

 

 

↓ 「シブヤ寫眞舘」前の細い路地を東に行くとあった建物(建築詳細不明)。サッシに替えられているがそこはかとなく洋館の雰囲気が。

↓ 銀座街と交差する京町~錦町の通り(「登り町グリーン通り商店街」)には時代を感じさせる建物が目白押し。故意なのか色が似通っているので逆に没個性的になり、それぞれの建物の特徴が分かり辛くなってしまっているが、今回写真を撮った建物は全て木枠の窓だったので古いことは間違いないんじゃないかな。

 

 

  

 


 

風月堂

滋賀県彦根市銀座町5-7

 

( 滋賀 しが 彦根 ひこね ふうげつどう 奥井風月堂 バルブもなか 彦根銘菓 和菓子 洋菓子 近代建築 シブヤ写真館 彦根銀座街 銀座通り )

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スイス @滋賀県彦根市 (※閉店)

2019年03月12日 | 滋賀県

今回の彦根散策のきっかけとなったと言っても過言ではない店「スイス」へ。創業は昭和47年(1972)。彦根市民のソウルフードといっていい店だそうで、ずっと以前からその人気の程は伺っていたのだが、前回彦根訪問時は時間が合わず叶わなかった。念願の訪問。こんなに交通量の多いロードサイドにある店だとは思っていなかった。聞きしに勝る外観(笑)。夏は緑に覆われるんだろうか。開店時間前に店に着いたが、すごい並びかと思いきや車が1台停まっていただけだったので、時間を潰そうと隣のコンビニに寄って戻ると次々と車が駐車場へ。それでも並びはまだ10人程。自分も列に加わる。開店時間になり店内へ。建物の構えの割にこじんまりとしたスペースで、カウンターは5席程、テーブル席が7卓程。もちろんすぐに満席になった。テープで補修してあるがたついた椅子(笑)に座り、メニューを眺める。並んでいる時も何にしようか最後まで迷っていたが、結局定番と思われる「ハンバーグステーキ」と、店名を冠した「特製スイス丼」を注文した。

目の前の調理場の中にはご夫婦と、若い給仕が2人。年季が入った店内は煙で燻されて焦げ茶色に染まっている。こんな狭いスペースで調理しているのかとびっくりするほど。次々と入る注文はやはりハンバーグが多く、大きなボウルに入ったタネを主人がその場で軽く丸めて焼いていく。カウンターに隠れて手元までは見えないのでどこで作っていたのかも分からないオムライスなども次々と魔法のように出来上がっていく。キョロキョロと店内を見回したりしているうちに自分の注文した「スイス丼」も出来上がっていた。

楕円のカレー皿に盛られた「スイス丼」はメニューの説明通り”豚肉と玉ねぎを特製のたれで炒め煮にした肉丼”。よそでは焼肉丼なんて呼ばれることもあるタイプのご飯物だ。味付けはソースとケチャップを混ぜたような感じ。たっぷりの玉ねぎと豚バラ肉の脂で甘さも感じられる。いい意味で想像通り。パクパクとやっていると熱々の鉄板にのった「ハンバーグステーキ」が登場。こちらにはいわゆるソースはかかっておらず、味付けはごくシンプルに塩胡椒といった感じ。本当に軽く丸めただけという感じなので不格好だが、大きめに刻んだ玉ねぎがたっぷり入っていてふわっとした焼きあがり。しっかり肉の旨味が味わえて旨い。添えてあるのはやや強めに焼きあげられた目玉焼きとスライスした玉ねぎ。黄身はちゃんと軟らかいので途中で潰して肉と合わせたり、卓上のウスターソースを少したらしたりして楽しんだ。昭和54年のオイルショックから値段を変えていない(どころか内税なので消費税が上がると実質値下げ)という安さのバイアスもかかるが、この値段でこの味。彦根の若い学生の胃袋を支えてきたという人気に納得。次は最後まで迷っていた「オムライス」「カツサンド」「カツカレー」あたりを食べてみたい。(勘定は¥900)

この後の記事はこちら

 

 


 

 ↓ 彦根城のお堀端に建つ「滋賀大学講堂(旧・彦根高等商業学校講堂)」(大正13年・1924・建造)。この日は試験で門扉が閉じられ、残念ながら近づくことは出来ず。国登録有形文化財。

 

 ↓ 同じく滋賀大学の構内にある「滋賀大学陵水会館」(昭和13年・1938・建造)。裏の路地から撮影。正面から見てみたいなァ。ヴォーリズ建築事務所による建築。こちらも登録有形文化財にも指定されている。

 ↓ 「彦根地方気象台」(昭和7年・1932・建造)を再訪。改修工事で綺麗になった外観。あまりに整い過ぎて古さを感じさせないが、窓や玄関周りに近代建築の雰囲気を感じることが出来る。

 ↓ 中央町の「金亀会館(旧・藩校「稽古館のち弘道館」)」(寛政11年・1799・建造、大正12年移築)。傷みが激しいのかロープが張られて立入禁止となっていた。

 

 


 

喫茶・食事 スイス

滋賀県彦根市中藪町598-2

※令和4年5月を以って閉店されました

 

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ベニヤ @滋賀県彦根市

2019年03月08日 | 滋賀県

1年半ぶりに滋賀県彦根市へ。仕事の都合上あまり遠出が出来ないので、片道2時間以上かかるような土地へ行く場合は途中で呼ばれたら帰る覚悟で臨まねばならない身。思い切って朝早くから車を走らせた。幸いスイスイと到着し駐車場に車を入れ、トランクから自転車を取り出し、朝の彦根市街へ。彦根銀座街のある喫茶店で朝のコーヒーでもと思ったが、その店はまだ開いていない様子。同じ商店街でいい雰囲気だったこちら「紅屋」に入ることにする。まだシャッターの閉まっている店ばかりのアーケードの下に自転車を停めて中へ。店内は煉瓦を基調としたシックな内装で、天井にはステンドグラスを模したような天窓風照明があり落ち着いた雰囲気。古い喫茶店はたいてい積年の雑多なものが見えてしまう場合が多いが、こちらは余計なものが何も無くスッキリ。年配のご夫婦でやっていらっしゃるようだ。メニューに「モーニングセット」というのがコーヒー1杯と100円しか違わずあったので、それをお願いした。

ベロアのソファーに座ってスローでムーディーなBGMに身を任せていると、コーヒーのいい香りが漂ってきた。いいねェ、こんな朝。木製のトレイにのった「モーニングセット」が登場。こんがりと焼かれたバタートーストに、ミニサラダが付いている。丁寧に淹れられたコーヒーは酸味強めの味わい。愛知岐阜のような、これでもかを競うモーニングセットではないけれど、落ち着いたいい雰囲気の中で美味しいコーヒーを飲むことが出来て満足。ケーキやサンドイッチ、昼にはカレーもあるようなので機会があったらまた寄ってみようかな。(勘定は¥500)

 

 


 

↓ 同じ商店街の「滋賀銀行彦根支店(旧・第百三十三国立銀行本店)」(大正14年・1925・建造)を再訪。装飾が少なく改修もされているだろうとは思うが、もう少しで築100年になる。

 

↓ 銀座街の東、河原の歴史ある「花しょうぶ通り商店街」にある「高崎家住宅主屋(旧・川原町郵便局舎)」(昭和9年・1934・建造)を再訪。登録有形文化財。通りが狭いので上手く写真に収めることが難しいが、向かいにある細い路地からも撮ってみた。

 

↓ 同じ河原の通りにある全面スリガラス窓の「前田理髪館」(建築詳細不明)と、歴史ある「とばや旅館」(江戸時代建造)。今度は前乗りしてここに泊まってみたいナ。

 

 


 

喫茶 ベニヤ (紅屋)

滋賀県彦根市銀座町2-21

 

( 滋賀 しが 彦根 ひこね べにや 彦根銀座街 彦根銀座商店街 純喫茶 喫茶 モーニング ランチ 珈琲 近代建築 商店街 )

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橋川酒店 @滋賀県長浜市

2018年11月09日 | 滋賀県

人混みの中、向かいの「魚三」で小鮎の天ぷらを食べていると「橋川酒店」の前で酒造の試飲をやっている。ちょうど”冷やおろし”の季節になったから並んでいるのは冷やおろしの酒ばかり。「どうぞ。」と言われて惹かれたが…、嫁に確認すると”帰りの運転はしません”宣言…。涙を飲んでお断りする。悔しいので酒は買って帰ることにして店の中の棚を物色。自分が日本酒を呑むきっかけにもなった銘柄のひとつ高島市・上原酒造の「不老泉」や、木之本町・冨田酒造(注・音が出ます)の「七本槍」など地元滋賀の酒が揃っていてそそられる。でもせっかくならご当地長浜の酒造がいいナと女将さんに訊くと、表で試飲をやっている「佐藤酒造」が長浜の酒造だと教えてくれた。この酒造なんと創業が2010年、免許所得が翌2011年という新しい酒造。珍しいなァ。そこで購入したのはこちらの筆頭銘柄「湖濱」の特別純米酒。初めてなので”ひやおろし”ではなく普通の4合瓶を買ってみた。

 

さっそく家に帰ってから封を開ける。香り高い酒ではないが、どちらかというと自分の好みはそっちの方なので願ったり叶ったり。しっかりとしたボディでまとまりが良い。クセは強くないので呑み易いが、時間差でしっかりと効いてくる感じ。濃いめの味噌鍋なんかでも負けない旨味がある。次は道中に米原市・醒井の「ヤマキ醸造」で購入した「鮒寿し」と合わせてみる。強い酸味のあるふなずしだとさすがに風味が飛んでしまうだろうと思いきや、逆にふわりと香り、ふなずしの酸味を和らげてくれ、めっぽう旨い。大人しい酒が途端に雄弁になってどちらも引き立ててくれた。若い酒造なので頑張って欲しいなァ。またどこかで見つけたら買おうっと。(勘定は¥1,500程)

橋川酒店

滋賀県長浜市元浜町11-25

 

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アーサー @滋賀県近江八幡市

2018年06月12日 | 滋賀県

滋賀県近江八幡市を散策。レンタサイクルを借りられず、歩いての強行軍。途中で昼食に寄ったのは洋食店「アーサー」。番地を頼りにスマホのマップで店を探すが、通りから外れた住宅街の中へ。そこに緑に包まれた看板も見当たらない店があった。外壁には「ASA」とある。「Arthur」じゃなかったのか(笑)。昼は過ぎていたがやっているかも分からないままひっそりとした店の中へ。すると老齢の主人と女将さんがいらっしゃって、不意を突かれたのかビックリした顔をされた(苦笑)。慌てて客席の照明が付き、クラシック音楽が流れ始める。店内はカウンター席が4つ程、テーブル席が7つ程で意外と広く、厨房も広い。座った席は木陰になっていて落ち着いた雰囲気。晴天の中を歩いてきたのでビールを所望。キリンラガーの中瓶とコップ、それにコップに入った枝豆風スナック菓子が付いてきた。メニューを眺める。「エスカルゴ」や「ミートパイ」「鴨」までラインナップされている本格派。デミグラスソースを味わいたかったので「合挽きハンバーグ」を注文した。ソースはキノコか玉ねぎを選べるという事で「キノコ」を。

ゆっくりとビールを味わいながら調理を待つ。ハンバーグはその場で包んでいるようでペッタンペッタンという音が響く。後から来た客はランチのセットは無いか尋ねていたが、そういうものは無く単品のみだそう。潔い。静かに調理が進み、プレートが運ばれた。綺麗な小判型に整えられた「合挽きハンバーグ」にはジャガイモ、カボチャ、スクランブルエッグ、パセリが添えられている。ハンバーグはふわっとした口当たりで軟らかく、デミソースの味わいも濃過ぎず優しい感じ。ソースにキノコ(エノキダケ)の風味が合わさって旨い。これをビールと味わう昼下がりだもの、幸せに決まっている。また機会があるといいナ。(勘定は¥1,500程)

 


 

↓ ヴォーリズ建築のひとつ土田町の「旧・柿本・パーミリー邸」(大正13年・1924・建造 ※1926年説も)。ずっと個人が所有していたらしい。数年前まで改修プロジェクトが進んでいたようだが、現在は2,850万円で売りに出ていた(笑)。※写真4枚目不動産広告記事

 

 ※

↓ そのすぐ近くにある、これもヴォーリズ建築「旧・浪川邸」(大正12年・1923・建造」。フェンスは新しいが、建物はそのまま。傷みの激しい部分も見えるが交通量の多い県道脇でよく保っているものだ。

 

↓ 池田町にある「吉田悦蔵邸」(大正2年・1913・建造・写真下左)と、「ウォーターハウス記念館(旧ウォーターハウス邸)」(大正2年・1913・建造・写真下右)。「ウォーターハウス記念館」は公開されていて(なぜか屋内写真撮影は禁止)、中に入ると何だかそぐわない寝具が置いてあったりしたので尋ねると、現在も研修の宿泊などで使うことがあるのだとか。

 

 

↓ 「旧・近江兄弟社ダブルハウス」(大正10年・1921・建造)。建物を取り囲む煉瓦塀や、特徴ある門扉、門柱などを見ることが出来る二世帯住宅。現在も一般住宅として使用されているようだが、どういう人が住んでいるんだろう。この地区には他にもW.M.ヴォーリズの設計した住宅が残っているが、徒歩での移動時間の関係上、全部は観られず(涙)。

 

 

 


 

 

レストラン アーサー

滋賀県近江八幡市中村町12-6

 

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