第32期棋聖戦七番勝負、山下敬吾棋聖と挑戦者、趙治勲十段第6局は3月13日、14日、静岡県熱海市ので行われ、趙十段が白番4目半勝ちし、3勝3敗のタイにした。第7局は3月19、20日、同県小山町の「経団連ゲストハウス」で行われる。
右上白のシノギを巡る攻防で、攻め切れないとみた山下棋聖は外勢を築いた。
戦いが左辺に広がる中、趙十段は中央を動き出し、右辺をセキに持ち込んだが、山下棋聖も下辺を厚くするなど、際どい勝負が続いた。
しかし終盤、山下棋聖に誤算があり、優位に立った趙十段が山下棋聖の粘りを封じて逃げ切った。
<趙十段の話>
右上白への攻めが予想以上に厳しかった。最終局までこぎ着けて幸せだ。
<山下棋聖の話>
序盤が甘く、1日目で苦しくなった。次も勝ち負けを気にせず、思い切り打ちたい。
(読売新聞より抜粋)
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七番勝負の鬼、趙十段が気迫と執念で勝利をもぎ取り、最終局に持ち込みました。
若手の追撃を真っ向勝負で立ち向かう姿は、まさに百戦錬磨の勝負師ですね。
一方、趙十段の気迫に押され気味の山下棋聖、イマイチ元気がありません。
最終局ではフルスウィングの山下を見せてほしいと思います。
熱戦が続く棋聖戦も明日からの最終局で決着となります。どちらに栄冠が輝くか分かりませんが、囲碁ファンを魅了するような一局にしてほしいものです。
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今回の対局地は静岡県熱海市の「熱海後楽園ホテル」。従来、熱海といえば首都圏からの団体客でにぎわっていましたが、最近はリゾート客や都市から移り住む人が多くなっているようです。
顧客の好みも時の流れとともに変化していきますので、受け容れ側もその流れを汲み取る意欲が必要でしょう。
囲碁界もイマイチ停滞気味ですが、時代の潮流を見極めることが必要ですね。難問ですが・・・。