「治勲 宿敵に勝ち越し」
二十五世本因坊治勲と小林光一九段の対戦が久しぶりに実現した。両者の対戦成績はここまで63勝63敗とまったくの五分。結果は小林の一瞬の緩みに乗じて、趙が64勝目をあげた。(8月22日放送)
(週刊碁より抜粋)
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黒番、小林九段の堅実な着手に対し趙二十五世本因坊も堅実路線で地味なスタート、50手くらいまではアマの模範となるような石の運びでした。
黒模様の右下隅に様子見した白石が取られ黒優勢との評判でしたが、趙さんの目一杯の頑張りが功を奏し、白3目半勝ちの結果となりました。
一歩一歩着実な小林九段に対し、勝負手連発の趙さん、両者の持ち味が出た一局だと思います。
小林九段は「楷書の碁」と云われ、どの局面でも最善手を求めて積み上げていく棋風のようです。学校でいえば学級委員のような真面目さが伝わってきます。
趙二十五世本因坊は小林九段とは対照的に、「型のある生き方は性に合わない」勝負師タイプでしょうか。
個人的には趙さんのような奔放なタイプに共感しますが、女性からみるとカッチリとした小林タイプに好感も持つ人が多いかもしれませんね。