天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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RT囲碁部/親睦碁会(2007/09)

2007-09-29 19:38:18 | ルネサス/囲碁部

今日(9/29)はRT高崎囲碁部の碁会。マレーシアに赴任しているO氏が出張で帰国するのに合わせての親睦碁会です。
参加者は11名で東京方面からも3名が参加し、にぎやかな碁会となりました。

    ◇   ◇   ◇

昼食時に「マレーシアで囲碁合宿してはどうか」という話題になりました。
日程、費用など実施するまでには結構大変だと思いますが、実現できればすばらしいなと思っています。

「O氏のマレーシア・レポート」

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第32期名人戦第2局/張挑戦者が勝ち、タイに

2007-09-26 21:04:41 | プロ棋戦

 第32期囲碁名人戦七番勝負の第2局は9月19日から長野県松本市で打たれ、挑戦者の張栩碁聖が高尾紳路名人に黒番中押し勝ちし、対戦成績を1勝1敗のタイに戻した。第3局は9月26、27の両日、仙台市の茶寮宗園で。

 第2局の立会人を務めた岩田達明九段は「互いの持ち味が出た好局でした。中盤までは難しい碁で、高尾名人がどこかでちょっとしくじったようです。内容的には名人の手厚さも発揮された面白い碁で、見応えがありました」

<張挑戦者の話>
 左下の折衝でちょっと得したと思った。左下が一段落した段階で、これならヨセ勝負、少しだけいいかと。まあよかった。

<高尾名人の話>
 左下の折衝は、ちょっと悪いという結果になってしまった。2日目は、昼休憩前後の右中央から右辺の攻防が少し甘く、押し切られてしまった。

             (朝日新聞より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

挑戦者の張栩碁聖が機敏に立ち回り、先行逃げ切りのスタイルで1勝1敗のタイに戻しました。
一方の高尾名人、「重厚戦車、動かず沈黙」という印象でしょうか。

本局の終局は2日目の午後2時22分、第1局が午後3時50分と今までの七番勝負に比べ早い進行になっています。
七番勝負などの大一番では秒読みが定番でしたが、本シリーズではまだ見られません。第3局以降はどうでしょう。
特に張栩碁聖の方が早く、本局では3時間以上残しています。これも国際棋戦の影響でしょうか。

張栩碁聖の戦型はスピード重視の速攻型、これも韓国などを意識しての戦いぶりのような気がします。
それに比べて高尾名人は、従来の日本型のじっくりとした囲碁感覚で打っているようです。

それぞれの個性のぶつかり合い、今日から始まった第3局以降の熱闘を期待しましょう。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は長野県松本市のホテルブエナビスタ。
松本市といえば松本城が有名ですが、姫路城、彦根城、犬山城とともに四つの国宝城郭のひとつだそうです。
2、3度訪れていると思うのですが、あまり記憶に残っていません。
日本の文化遺産を軽視しするわけではありませんが、自分の生活信条や嗜好などとつながっていないと関心が薄れるのも仕方のないことかと思います。

この松本城、現在放送中のNHK大河ドラマ「風林火山」では深志城という名称で出てきます。
ドラマでは武田信玄が信濃の守護小笠原長時を追い、占領したシーンもありました。
「風林火山」もいよいよ佳境を迎え「川中島の決戦」となります。
信玄・謙信の龍虎の戦いと同様に囲碁名人戦も名勝負を期待しましょう。

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第32期新人王戦/井山、新人王獲得

2007-09-25 16:37:05 | プロ棋戦

【新人王戦三番勝負第2局】
 第32期新人王戦決勝三番勝負の第2局が、 9月17日(月)、東京・市ヶ谷の日本棋院で行われ、 井山裕太七段が望月研一六段に連勝し、 通算2勝0敗で初の新人王位を獲得した。
井山は2年前の30期に決勝に進んだが、金秀俊七段(当時)に敗れていた。

【新人王戦決勝三番勝負第1局】
 井山裕太七段と望月研一六段により争われている、 第32期新人王戦決勝三番勝負の第1局が 9月10日に大阪市の日本棋院関西総本部で行われ、 井山七段が292手までで白番五目半勝ちした。

    (日本棋院HPより抜粋)

     ◇   ◇   ◇

本命・井山七段の順当制覇というところでしょうが、一発勝負のトーナメント戦での優勝はさすがに底力を感じさせます。
井山七段はことし四月に史上最年少で棋聖戦リーグ入りを果たし、天元戦でも挑戦者決定戦に進出(山下棋聖に敗退)と、四天王につづく若手代表棋士といえましょう。

一方惜しくも優勝を逃した望月六段、若手大将格・井山七段に位負けでしょうか。残念な結果となりましたが苦杯をバネに飛躍してほしいと思います。

     ◇   ◇   ◇

新人王・井山七段は小学2年・3年で「全国少年少女名人戦」で連続優勝し、囲碁界の天才と注目されました。
少年少女名人戦では山下敬吾棋聖・王座も小学2年で優勝しており、この大会での優勝者が一流棋士への最短距離であることを証明しているようです。

世の中いろいろな分野で天才少年・少女が出現します。その後順調伸びて一流の世界に入っていく人の陰に、無念にも挫折する人もいます。
この違いは本人の努力・才能よりも指導者・親といった周囲の環境+運の力が大きいように思います。

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ヨミを鍛える三手の詰碁/風鈴会

2007-09-23 21:31:10 | 囲碁

Wind_1_3_10 昨日(9/22)は定例の「風鈴会」の日、今回の講座は「ヨミを鍛える三手の詰碁」。
6問の詰碁を考えて、その解答の説明という内容でした。
題材は「詰碁の神様」といわれた前田陳爾先生の作品だそうそうです。

実際に碁盤に石を置いて、あれこれ石を置き直しながら試行錯誤を繰り返していくと、正解に近いところまで持っていけますが、頭の中でのシミュレーションは難問です。
詰碁はヨミの広さと深さを訓練する方法だと分かってはいるのですが、つい面倒で敬遠してしまいます。

詰碁が楽しく思えるようになれば、棋力アップは間違いないでしょうね。今度そんな棋書を探してみようかと思っています。

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囲碁川柳/週刊碁

2007-09-21 21:34:34 | プロ棋士

日本棋院発行の「週刊碁」に囲碁川柳のコーナーがはじまりました。
これは読者の囲碁川柳を、中山典之六段が選んで評するものです。

 ■以下、週刊碁/9月10号より、「ろ」の部

論よりも 証拠見たさに シチョウ逃げ (投稿者)

天国奈落 指のまにまに (選者:中山六段)

--「評」--

 単純なシチョウなら初心者でも判るが、行く手に双方の石があると追う方も逃げる方も度胸が要ります。
 しばらく考えていたあるお嬢様。面倒くさいわね。と言ってエイと逃げ出したので一大事。碁会所の全員が見物人です。

   ◇  ◇  ◇

なんとも身近さを覚える、囲碁川柳ですね。中山六段の「評」も天下一品です。
中山六段はいろいろな囲碁書籍を出していますが、技術書ではなく歴史物やエッセイなど文芸的なものがほとんどです。
海外普及などにも尽力されていますが、囲碁文士と呼ぶにふさわしい棋士だと思います。

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第12回三星火災杯/日本4選手は1回戦敗退

2007-09-19 20:51:54 | 囲碁

第12回三星火災杯世界オープン選手権が9月4、6日に1、2回戦が行われた。ベスト8進出は、韓国4、中国4、日本勢は1回戦で姿を消した。

   (週間碁より抜粋)

    ◇   ◇   ◇

本戦出場32人の内訳は韓国19、中国9、日本4。日本選手はシードの山下敬吾棋聖、二十五世本因坊治勲、河野臨天元と予選から勝ち上がった黄翊祖七段の4人でしたが、1回戦で全員敗退という結果でした。
2回戦に勝ち上がった16人の内訳は韓国12、中国4。ベスト8では韓国4、中国4と中国勢が善戦しています。
昨今の国際棋戦の勢力図は本棋戦が象徴している状況のようです。

日本の囲碁ファンからは日本勢の不甲斐なさに、投げやりな感想も聞こえてきます。
しかし勝負に栄枯盛衰はつきもの、囲碁ファンの質量と熱気が失地回復になると期待しています。
囲碁を単なる頭脳ゲームではなく、文化・伝統ととらえる日本の感性を大切にしてほしいものです。

    ◇   ◇   ◇

先々週、NHK日曜朝の「経済羅針盤」という番組で韓国サムスン(三星)グループのサムスン電子CEOがインタビューに登場していました。
サムスン電子は半導体のDRAMや液晶モニター、携帯電話などITから家電まで様々な製品を生産し世界を代表する企業になっているそうです。

半導体のメモリー分野で当時シェアを独占していた日本メーカーが不況期に投資を逡巡している時、サムスンは大胆な投資で成功し日本を追い越していきました。
日本の経営トップにもう少し決断力があればと悔やまれますが、ビジネスも栄枯盛衰でしょうか。

日・中・韓、それぞれの文化・伝統・流儀があります。時代を先取りしていくことは重要ですが、ぶれない精神性が評価されるのではないかと思っています。

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自転車生活

2007-09-17 21:00:32 | 日記・エッセイ・コラム

Tr2sbb 3週間ほど前に自転車を購入しました。
いろいろ迷いましたが「普段着に似合う、おしゃれなクロスバイク」というふれこみの自転車にしました。
デザイン・価格・サイズなど、ほぼ納得のいくものと思っています。
今までの通学用自転車に比べて軽快で、風を切って走る感覚は格別です。

最初、スリムになろうと急激にがんばり、お尻の痛い症状で1週間ほど休止。
お尻の部分にパッドのついたパンツを買い、再開したところです。

今日も利根川沿いのサイクリングロードを1時間ほど走ってきましたが、まだ残暑で快適とはいえません。
これから涼しくなると秋風が気持のいい季節になるでしょうが、ゆっくり長く自転車とつき合っていきたいと思っています。

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囲碁書籍/囲碁を愛したトヨタマン

2007-09-15 10:24:49 | 囲碁

先日、書店の囲碁の棚を物色していたところ「囲碁を愛したトヨタマン 」というタイトルに目がとまりました。
本の帯には「囲碁から広がる人間関係、囲碁が高める人間力」、サラリーマン囲碁ファンにはうれしいキャッチコピーです。
中味をパラパラとめくりながら何となく著者と「思い」が近いと感じ、購入してしまいました。

目次
1 はじめに ― 囲碁とのかかわりのあらまし
2 私の囲碁習得過程の特徴
3 仕事の中の囲碁(トヨタ自動車技術部)
4 トヨタ自動車囲碁同好会
5 元郷碁楽センター
6 日本棋院についての私感
7 囲碁に対する姿勢について
8 棋譜編

囲碁は近年、競技人口が減り、社内の囲碁同好会も参加者が少なくなった。「趣味を通じた、部を超えての人付き合いも難しい時代になった」と酒井さん。

私も企業の囲碁グループの役員を長年やってきましたが、実感ですね。
「効率優先」はもっともですが仕事を進めているのは生身の人間、ひとりひとりが喜怒哀楽を抱えて勤めています。
そこには人と人との潤滑油が必要だと思います。その潤滑油の一つが「囲碁」だと思っています。

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第32期名人戦第1局/高尾名人が先勝

2007-09-12 20:57:45 | プロ棋戦

 第32期囲碁名人戦七番勝負の第1局は9月6日から広島市で打たれ、高尾紳路名人(30)が挑戦者の張栩碁聖(27)に黒番4目半勝ちした。第2局は19、20の両日、長野県松本市で。
 持ち味どおりの手厚い打ち回しをみせた名人が、中央を目いっぱいに囲って開幕戦を制した。
 解説の片岡聡九段は「両者の持ち味がよく出た、見応えある一戦でした。黒模様のまとまり具合が勝負でしたが、挑戦者に少し判断ミスがあったようです」と話した。

<高尾名人の話>
 上辺で白にうまく打たれ自信はなかった。左下黒のオサエを打てて、少し残ると思いました。

<張挑戦者の話>
 1日目の最後で、簡単に決めすぎた。もっと踏み込む手があったかもしれない。ちょっと楽観もあった。

       (朝日新聞より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

昨年と名人・挑戦者の立場が入れ替わった今シリーズ、どちらもこの一戦にかける意気込みは並大抵のことではないと思います。

結果は高尾名人が冷静に黒模様をまとめ、さいさきのよい一勝をあげました。
重厚戦車:高尾名人の焦らず、ぶれない、堂々とした打ち回しが冴えましたね。
一方の実利で先行した張挑戦者、名人の重い腰に寄り切られたようです。

「週間碁/依田の目」より抜粋
高尾さんは見た目は頭がよさそうではない。しかし本当は大変な頭脳の持ち主です。碁界では一番かもしれません。かねがねそうではないかとにらんでいたけれど、本因坊戦で顔を合わせてみて痛感させられました。
 -以下略-

上記のコメント、依田九段らしい意表をついた感想ですね。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は広島市中区の広島全日空ホテル。
前夜祭の高尾名人の挨拶、
「広島市に来たのは初めて。先ほど原爆ドームを見てきて原爆の悲惨さを改めて知った。こうして碁を打てることは本当に幸せなことと実感した・・・」
 -以下略-

世界で「ヒロシマ」の存在は注目されていますが、「戦争=悪」という真理がなぜ浸透しないのでしょうか・・・・。

広島を舞台にヤクザの抗争をテーマにした「仁義なき戦い」という映画がありました。
「被爆の街」と「ヤクザ抗争の街」、何か不思議なエネルギーを感じたものでした。

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トッププロの好プレー珍プレー/風鈴会

2007-09-10 21:27:46 | 囲碁

Wind_1_3_9 昨日(9/9)は定例の「風鈴会」の日、前回(8/26)は夏バテ気味で欠席でした。
今回の出席状況はいつもよりやや少なめでしたが、やはり夏バテでしょうか。
今年の暑さはハンパではなかったですね。本当にまいりました。

今回の講座は「トッププロの好プレー珍プレー」。
好プレーは最近の棋譜より「趙治勲十段のサバキの好局」と「三村智保九段の必殺パンチの妙手」。
解説を聞くととナルホドと感心しますが、ザル碁党のレベルでは思いもつかない着想に驚嘆するのみです。
この発想は読みというより「感覚」に近いと思います。この感覚が棋士の個性でしょうか。

珍プレーの方は「故加藤正夫名誉王座が本因坊戦(対林海峰名誉天元)で死活を見損じ、2日制の碁を一日目で投了した一局」と「藤沢秀行名誉棋聖が本因坊戦(対坂田栄男23世本因坊)で死活を誤り逆転負けの一局」。

どちらもポカミスですが、こちらも私などのレベルではミスと判断するのは難しい内容でした。

トッププロの技の切れ味に驚嘆するのも一興ですが、ミスで奈落に落ち込む一流棋士の姿も人間味のあるドラマだと思います。

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