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天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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怒涛の譜(第1局)木谷師との唯一の局

2005-12-31 18:48:25 | 囲碁

※加藤正夫精局集「怒涛の譜」より譜の内容、コメントを記載していきます。

■内弟子指導碁/S34(1959)/08/12
■木谷實九段 五子 加藤正夫(12歳)
■結果:「白中押し」木谷師の石を取りに大石を追いかけるが、包囲網を破られ黒石が頓死。
■「囲碁クラブ誌」の「木谷道場・内弟子指導碁シリーズ」の一局。入門四ヶ月目のこの指導碁が師との生涯唯一の局となった。
■後年の自評
・黒石のピンチの場面で:「しのぎを用意していたのは、われながら上出来。当時から手どころの読みには自信があった」
・白石を狙っている場面:「大場を占め、バランスをとって勝とうという小ざかしい知恵は持ち合わせていなかった」
■コメント
・自陣の味の悪さなどものともせず、攻め一直線の一局。

   ◇  ◇  ◇

2005年も今日が最後、今年の年頭では「棋譜を並べて棋力アップ」を掲げていましたが、空手形になってしまいました。
ここ何年かは惰性の年月が過ぎていくようでイマイチの心境ですが、「災いもなく、よしとしたものか」という思いです。
しかし、加藤先生が最後まで燃やしていた信念を思うと、小生も「まだこれから」という気持ちになります。

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かあちゃんは好敵手・藤沢秀行

2005-12-30 20:48:33 | テレビ番組

今日、NHKのアンコール放送で「かあちゃんは好敵手・天才棋士とモト」を再放送していました。
この番組はATP(全日本テレビ番組製作社連盟)賞のグランプリを受賞したそうで、なるほど良質な番組と共感を覚えました。

藤沢秀行、「飲む・打つ・買う・借金」などその破天荒な生き様は「最後の無頼派」と呼ばれていたそうです。
湯河原での秀行合宿の模様を映していました。結城聡九段や坂井秀至七段を相手に厳しい叱責がと飛び交っており、その中で「碁を強くするには人間性を高めなくちゃダメだ」といっていましたが、「無頼派の人間性は高いのかなあ・・・?」と頭をひねりました。

それにしてもモト夫人の「猛妻」ぶりは存在感十分で爽快さを感じます。
人生の晩年はかくありたいと思う次第でした。

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「怒涛の譜-加藤正夫精局集-」購入

2005-12-28 16:49:01 | 本と雑誌

もう何年も前から「加藤正夫名誉王座」ファンの私は、ちょっと高額な本なのでためらいながらも、そっと購入申込書を郵送しました。
しばらくして本書が宅配便で届き、女房殿は怪訝そうな顔で受け取っていました・・・。

とりあえず、特別付録のDVD(今年1月にNHKで放映された追悼番組がメイン)を見たところで、中身はこれからゆっくり読む(研究する)つもりです。
掲載されている棋譜が200局。全部並べるには相当な時間がかかりそうですが、気合で取り組んでみたいと思います。
投資は回収しなければ・・・

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小林覚九段に囲碁ジャーナリストクラブ賞

2005-12-26 21:51:31 | 囲碁

 第23回日本囲碁ジャーナリストクラブ賞に小林覚九段(46)が選ばれ、都内で表彰があった。秋の名人戦で張栩名人をあわやのところまで追いつめた活躍が評価された。本人は「阿含・桐山杯の決勝で負け、史上最年少16歳の井山裕太君を優勝させたおかげかな」。                       (12/23、朝日新聞「棋信」より)

      ◇  ◇  ◇  ◇

今年の小林覚九段は話題が多かったですね。名人戦では3連敗後の3連勝。最終局は及ばなかったものの中年囲碁ファンを喜ばせました。
小林覚九段は小林千寿五段、小林健二七段、小林孝之準棋士の四姉弟の末弟となります。
長野県から東京に移り、子供たちを支えた両親の苦労は大変だったと察せられます。

囲碁に限らず才能面では、兄弟の中でも下の方が伸びる傾向にあるような気がしますが・・・

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天元戦第5局/河野、初タイトル(12/20)

2005-12-25 21:48:22 | プロ棋戦

  第31期天元戦五番勝負の第五局は12/20、徳島市で打たれ、白番の挑戦者・河野臨七段(24)が山下敬吾天元(27)に四目半勝ちし、3勝2敗で初の天元位を獲得した。
 若手のフレッシュ対決で注目された今シリーズは、河野七段が第2、3局を制して先行。第4局は落としたものの、
大一番に快勝して、タイトル戦初登場で初のビッグタイトルを手にした。
 序盤は意欲的な応酬から左下隅で新型が出現。白の実利に黒が外勢で対抗する分かれになった。
河野黒模様に踏み込み、「白優勢」の声が控室で挙がった。河野は正確に寄せて逃げ切った。

<河野臨新天元>の話
 左下は打ったことのない形で難しかったのですが、黒二子を取って少しよくなったかと。初タイトル奪取についてはまだ実感がありません。

<山下敬吾前天元の話>
 黒右下の肩ツキで、戦えるかと錯覚していました。五番勝負全体はミスが多く、この結果は仕方ありません。
            (徳島新聞より抜粋)

         ◇  ◇  ◇  ◇

河野新天元、豪腕の山下九段を着実な打ち回しで勝ち切りました。24歳での天元位初タイトルは師匠の小林光一九段も同じだったそうです。
師匠は弟子の碁を「派手な碁じゃありませんけど、芯の通っている碁」と評していました。

一方、無冠となった山下九段、本シリーズでは精彩を欠いたようですが、来年早々から羽根棋聖との七番勝負が始まります。山下九段らしい碁を見せてほしいものです。

         ◇  ◇  ◇  ◇

 今回の対局地、徳島市は吉野川河口に位置し人口は26万人。「阿波おどり、人形浄瑠璃、藍染・阿波しじら、すだち」などが有名のようです。
 歴史的には天正年間に蜂須賀家政が阿波に入国し、城郭を築いたのが始まりで、蜂須賀14代の治世のもと、阿波の政治・経済の中心として栄えたとのことです。

2年ほど前、徳島県で「ねんりんピック」が開催され、囲碁団体の役員として視察に行きました。神戸淡路鳴門自動車道から見る「鳴門のうずしお」は迫力がありましたね。

Naruto

鳴門うずしお

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加藤正夫九段の棋譜解説

2005-12-24 23:51:31 | 囲碁

今日はプロ棋士が主宰する囲碁教室にいってきました。
講座内容の「加藤正夫九段の棋譜解説」に心が動かされました。
講師は加藤門下生「S七段」で解説の棋譜は1986年の第11期名人戦第4局。
当時の小林光一名人から4-0でタイトルを奪取した一局で、白(加藤)が終盤右下で放った妙手が話題となりました。
解説では弟子のS七段が加藤九段の色々なエピソードを交えて説明され、その誠実な人となりに触れ胸が熱くなる思いでした。
加藤九段が亡くなってもう一年になるんですね。加藤九段の終盤は囲碁界発展のために全力を注いでいました。
加藤ファンの私も少しでもその意志が継げればと思っています。

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ALWAYS・三丁目の夕日

2005-12-22 14:12:12 | 映画

先週の日曜日(12/18)に映画「ALWAYS・三丁目の夕日」を観てきました。
舞台は昭和33年頃の下町が設定で、建設途中の東京タワーが随所に出てきます。
笑いと涙の人情劇で「男はつらいよ(フーテンの寅さん)」と共通するものがあります。
私自身はこの頃、小学生の高学年でしょうか。テレビが一般家庭に少しづつ普及し始めた頃で、私も近所の家に見に行ったものでした。
そういえばこの作品に出演していた吉岡秀隆さん(茶川竜之介役)は、離婚(相手は内田有紀さん)したと、昨日のニュースでいっていました。忙しすぎたのでしょうか。
吉岡秀隆さんといえば「男はつらいよ」で、寅さんの妹・さくらさんの子供役で子役から青年期までを演じていました。TVや映画でも真面目で純朴な役が多いですね。

  ◇ ◇ 昭和33年の囲碁界 ◇ ◇
この頃は棋戦もすくなく、プロ棋士の生活も大変だったと思われます。
■プロ棋戦
・第13期本因坊戦 高川秀格本因坊が4勝2敗で杉内雅雄八段を破り7連覇
・第6期王座戦 藤沢朋斎九段が2連勝で、半田道玄八段を破り優勝
・第5期NHK杯 坂田栄男九段が木谷實九段を破り優勝
■アマ棋戦
・第4期アマ本因坊戦優勝 菊池康郎(神奈川)
・第2期全日本学生本因坊戦 原田実(都立大)

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天元戦第4局/山下勝ち2勝2敗(12/15)

2005-12-21 20:55:04 | プロ棋戦

 神戸市中央区で打たれた第31期天元戦五番勝負の第4局は、黒番の山下敬吾天元(27)が挑戦者の河野臨七段(24)に中押し勝ちし、対戦成績を2勝2敗のタイに戻した。タイトルの行方は12月20日、徳島市で行われる最終第5局に持ち越された。

 山下得意のねじり合いの展開となった第四局。山下は左辺で実利を得ながら白石を攻めたのに続き、強手を連発、主導権を握った。

 河野も勝負手を放ったが、山下は緩まず白石の弱点を厳しく攻撃。その後も白の大石に圧力をかけながら冷静に寄せ、河野を投了に追い込んだ。

<山下敬吾天元の話>
 左辺の白を取ったところで、優勢かなと思いました。

<河野臨七段の話>
 左辺がうまくいきませんでした。切られた実戦の捨て方では、はっきり悪いです。

                   (神戸新聞より抜粋)

         ◇  ◇  ◇  ◇

山下天元の強攻が河野七段の技を打ち砕いた感じで、骨太の山下天元らしさが出た一局といえるでしょう。
一方の河野七段、師匠の小林光一九段が「いつもの手堅い、着実な打ちまわしではない」と解説していましたが、タイトルを目前にして着手に伸びがなかったようです。
注目の第5局は昨日、徳島市で行なわれ河野七段が初タイトルを取ったようですがコメントは次回の記事で。
         ◇  ◇  ◇  ◇
今回の対局地は神戸市。この季節、「光の回廊、神戸ルミナリエ」が有名です。先日、娘もツアーで見学してきたようです。
最近、色々な市町村で電飾を使ったイルミネーションが氾濫しています。神戸市のように目的が明確なものはともかく、ただきれいだからからと飾り立てるというのはどうかと思います。省エネの面でも問題でしょうし、個人的には日本的ではないような気がします。

Rumina2004

神戸ルミナリエ

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