天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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NHK杯(第55回)/空を切った謝パンチ

2007-10-31 23:29:37 | テレビ番組

10/21(日)、「NHK杯テレビ囲碁トーナメント/王立誠 九段 対 謝依旻 女流本因坊」が放送されました。
ストレートで女流本因坊を奪取した謝さん。1回戦では同じ台湾の先輩・林子淵七段を破り、この2回戦でさらに大先輩の王立誠九段との対戦となりました。

最近の女流碁界を席巻している謝さんの登場で注目されましたが、王九段が巧妙な打ち回しで謝さんの強力パンチをかわし中押し勝ちとなりました。

王立誠九段は過去、棋聖・十段・王座などのタイトルを保持し、中盤からの変幻自在のパワーは目を見張るものがありました。
最近はやや精彩を欠いているようですが、趙治勲十段が各棋戦で奮闘しているようにまだまだこれからだと思います。

一方敗れた謝さん、まだ日本語もたどたどしい17歳。日本女流碁界のトップ棋士となりましたが、次は世界の頂点を目差してほしいと思います。

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県高校囲碁選手権/2007秋

2007-10-29 21:36:25 | アマ棋戦

Bimg_0738 10/27、28の2日間、「関東高校囲碁選手権/群馬県予選会」が行われ見学してきました。
27日(土)は個人戦で参加者37名、28日(日)は団体戦(3名/チーム)で男子が4校(5チーム)、女子が3校(4チーム)と5月に行われた高校囲碁大会より参加数は減少していました。

この大会の位置づけは高校野球でいえば春のセンバツ大会(3年生は出場不可)で、5月の大会は夏の甲子園に当たるということで参加数が減ったのもやむなしということでしょうか。

それにしても3年前の5月大会では100人ほどの参加者がいたのに、この減少は残念ですね。あの頃が「ヒカルの碁」世代のピークだったようです。

役員の方の話では将棋の方が参加者が多いそうですが、こちらは男子がほとんどとのことでした。
いずれにしても若年層にとっては、囲碁に魅力を感じないということでしょうが、「ヒカルの碁」に匹敵する神風を期待するだけでは能がないですね。

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決定打はどこだ?/風鈴会

2007-10-27 22:45:07 | 囲碁

Wind_1_3 今日(10/27)は定例の「風鈴会」の日、今回の講座は「決定打はどこだ?探してみよう」。
プロの打碁より勝負を決めた一手についての解説でした。ただ決定的な一着というのは、そんなに沢山あるものではないでしょう。
決定打の背景をよく見渡し、裏付けをとった上で決行しないと逆襲に遭うので注意が必要です。

講座のあとプロより指導碁を打ってもらいました。結果は生意気な着手が命取りとなり、あえなく撃沈となりました。

◎反省
◆相手の薄みを分断しようという作戦が巧みにさばかれて、自陣が薄くなってしまった
 → 攻撃のタイミングを見極めることが必要

◆何か手がありそうだと軽い気持でチョッカイを出したところ逆襲され、引くに引けない状態になってしまった。
 → 裏付けのない気分の手は要注意

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第32期名人戦第5局/高尾名人が2勝目

2007-10-25 15:05:53 | プロ棋戦

 10月17日から神戸市北区の旅館「御所坊」で打たれていた第32期囲碁名人戦七番勝負の第5局は高尾紳路名人(30)が張栩挑戦者(27)に黒番2目半勝ちし、対戦成績を2勝3敗とした。
 第6局は11月1、2の両日、甲府市の常磐ホテルで。
 解説の坂井秀至七段は「接戦でしたが、後半に見せた名人の巧みな仕上げが印象に残りました」と話した。

<高尾名人の話>
 ずっと自信はなかった。黒139以下は予定の進行でした。最後の小ヨセでようやく勝ちが見えました。

<張挑戦者の話>
 封じ手のあたり、時間はあったがうまい手が見えなかった。2日目はチャンスはなかったかもしれない。

             (朝日新聞より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

第2局から3連敗しカド番の高尾名人ですが、本局ではあわてず重厚な構えから巧妙に立ち回り、2勝3敗と差を詰めました。
敗れた張栩碁聖、相変わらず早い着手で3時間以上を残しての省エネの終局でした。「もう少し考えた方が・・・」と素人は思いますがどうなんでしょう。

第6局は張栩碁聖得意の先番、快足の逃げ切りか、名人の追い込みか、決戦は最高潮を迎えます。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は神戸市北区有馬温泉の旅館「御所坊」。対局室の「偲豊庵」(しほうあん)は読んで字の如く、豊公を偲ぶ庵と名づけているそうです。
関西では今だに太閤・秀吉の人気は根強いようです。晩年の評価はイマイチですが、清濁合わせたスケールの大きさは現代では見当たらないですね。

「関が原決戦」以降、戦国最後の戦いとなった「大阪の陣」では真田幸村や後藤又兵衛らの奮闘もむなしく、天下は豊臣から徳川へ。
日本の中心も関西から関東に移りましたが、関西の伝統・心意気も捨てがたいものがあります。

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第26期女流本因坊戦第3局/謝依旻、3連勝でタイトル奪取

2007-10-23 20:43:55 | プロ棋士

 矢代久美子女流本因坊に謝依旻(シェイ・イミン)女流最強位が挑戦していた、第26期女流本因坊戦五番勝負の第3局が10月17日、東京・市ヶ谷の日本棋院で行われ、黒番の謝女流最強位が半目勝ちし、3連勝で一気にタイトルを奪取した。
 第1戦、2戦に続き、本局も大熱戦を繰り広げ、大フリカワリの攻防となったが、最終的には最小差での決着となった。17歳11ヵ月での女流本因坊位獲得は史上最年少記録になる。

             (日本棋院HPより抜粋)

       ◇   ◇   ◇

謝さんの3連勝でタイトル奪取が決まりました。第1局はどちらに転ぶか分からない勝負を半目勝ち。第2局は終局直前、矢代さんのまさかの錯覚で逆転勝ち。第3局も最小差の半目勝ちと、謝さんに幸運の風が吹いていたようです。

一方、タイトル防衛を逸した矢代さん、内容的には負けていなかったと思いますが勝負では不運な結果となりました。
「不運」と一言では片付けられませんが、メンタルな部分で謝さんに勢いがあったということでしょうか。

この両者の対戦は本タイトル戦の2局目(謝さん2連勝)の1週間後に、「女流名人戦復活戦」でもぶつかっています。
結果はこのときも謝さんの勝利でしたので、4週連続の4連勝と矢代さんはお得意さんという格好になりました。
実力的には紙一重だと思いますが、勝負は不思議な流れとなるようです。

       ◇   ◇   ◇

以下、毎日新聞「ひと」より抜粋

◆目標だったタイトル、でもまだ勉強不足--謝依旻さん

 囲碁界で最も権威と伝統のある女流本因坊のタイトルを史上最年少で獲得した。
 「目標にしていたタイトル。勝てたのはうれしいが、対局の内容には不満が残ります。まだまだ勉強不足」。終局後、緊張した面持ちで語った。
 台湾北西部の苗栗(ミャオリー)市出身。5歳で囲碁を覚え、地元で天才少女として有名になった。台湾出身の黄孟正九段が師匠となり、来日してプロ棋士を目指した。
 2年目の入段リーグ戦で13勝4敗の好成績をあげ、女流としては最年少の14歳4カ月でプロ入りを果たした。黄九段は「ハングリー精神というのでしょうか、来日した時から、ほかの院生たちとは顔つきが違っていた。入段できなければ、いつ母国に返されるか分からないのですから」と当時を振り返る。
 その後も順調に実力を伸ばし、昨年12月には女流最強戦で初優勝。女流タイトル獲得の最年少記録を更新したばかりだ。
 棋風は猛烈な力碁(ちからご)で、「武闘派」とも呼ばれる。時折見せる相手を射るような強いまなざしは、自信に満ちあふれている。碁盤から離れれば、音楽や小説が好きな明るい17歳だ。

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NHK囲碁講座(2007/10~)

2007-10-21 21:05:23 | テレビ番組

今月からNHK囲碁講座(日曜12:00~)も新しくなりました。「結城聡のこれが世界の新感覚」。
今月のテーマは「驚きの新手アラカルト」で、3回見た感じでは結構レベルが高く高段者向けの印象でした。「へぇ~、そんな手があるの~」と感心はするんですが、私のレベルでは実戦に役立ちそうもありません。

前回は「やっしー & 陽光の楽しく上達」。高段者には物足りないところもあったかもしれませんが、初心者から中級者には分かりやすい内容で納得することも多かったように思われます。
趣味の講座もいろいろなレベルがありどの層を対象にするか難しいところですが、まずは視聴者が楽しめることが第一でしょう。

今回の講師は結城聡九段。ケーブルTV主催の竜星戦決勝では絶好調の張栩碁聖に敗れ準優勝でしたが、関西の雄として活躍しています。
司会は万波佳奈四段。明るい笑顔がチャーミングですが、女流棋戦でもがんばっています。
TVの画面を見ると長身の結城九段とかなり身長差があり、仲のよい兄妹に見えます。

多数の囲碁ファンが見ているいる本番組、楽しい講座にしてほしいと期待しています。

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囲碁用語/小ビン

2007-10-19 20:55:51 | 囲碁

週刊碁に「加藤充志八段の筋力ジム」という連載記事があります。
その中で「小ビン」という初めて聞く用語が出てきて、なんだろうと思いました。
調べてみると、どちらかといえば将棋でよく使う用語のようです。

・小びん (こびん)
頭の左右前側面の髪。びん。「―のほつれ毛」
将棋用語では「飛車や玉のナナメ上の位置のことをいいます。この位置を攻めることを『小びんをつく』といいます」

Kobin 囲碁では左図の⑤を「小ビン」というようです。
囲碁用語はほとんど理解していると思っていましたが、まだまだ知らないことがありますね。

プロはこの形になると、必ずといっていいほど白⑤と入りますね、すぐに。何故かというと・・・筋だから、というしかありません。(加藤八段)

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第32期名人戦第4局/張挑戦者が3勝目

2007-10-16 20:37:42 | プロ棋戦

 第32期囲碁名人戦七番勝負の第4局は10月10日から静岡県伊豆市で打たれ、挑戦者の張栩碁聖(27)が高尾紳路名人(30)に黒番中押し勝ち。対戦成績を3勝1敗とし、名人位奪還へあと1勝とした。第5局は17、18の両日、神戸市で。

 1日目終了間際の黒93からの戦いが勝敗を分けた。コウの絡む攻防のなかで挑戦者がリードを奪い、最後は、しのぎ勝負に出た名人の大石を召し捕って勝ちきった。

<高尾名人の話>
 白104が敗着でしょう。最後は上辺のしのぎに賭けましたが、おそらく生きはないと思います。

<張挑戦者の話>
 1日目の白88あたりまではいい勝負とみていました。その後の難しい戦いで、ちょっと得をしました。

             (朝日新聞より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

本局は高尾名人が実利、張碁聖が厚みと本来の持ち味とは逆の展開で進行しました。
勝負の分かれ目はコウ絡みの攻防のようでしたが、コウといえば張碁聖の得意とするところ、高尾名人としては自分の土俵で戦うべきではなかったでしょうか。
これで高尾名人はカド番に追込まれましたが、ここからが名人の真価を問われるところでしょう。

先週、伊豆市での第4局に続き、明日から神戸市で第5局が始まります。熱戦を期待しましょう。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は静岡県伊豆市の「鬼の栖(すみか)」。何とも恐ろしいネーミングですが、文芸の鬼才たちの常宿を「鬼の栖」と呼んだところからの由来のようです。

伊豆市は修善寺町・土肥町・天城湯ヶ島町・中伊豆町が2004年4月に合併し、誕生しました。
現在もそれぞれの地名は残っているでしょうが、由緒ある地名が風化しないようにしてほしいものです。

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日本棋院/群馬県支部対抗戦/2007

2007-10-15 20:52:26 | アマ棋戦

Shibutai2007 昨日(10/14)は日本棋院の群馬県支部対抗戦が行われ、運営スタッフとしてお手伝いをしてきました。
参加者は前年と同じ12チーム、60名(1チーム5名)で、優勝はアマ強豪の奈良昌利さん率いる桐生支部、以下前橋支部B、太田支部の順でした。

本支部対抗戦は5、6年ほど前までは全国大会がありましたが、諸事情で中止になりました。
支部は日本棋院の会員組織ですが、最近は会員減少でどの支部も苦労しているようです。

私が世話人をしている「RT高崎碁友会支部」も最盛時の三分の一ほどで、存続さえきびしい状況になっています。
囲碁人口自体が減少している現在、これも時勢と諦めるのは簡単ですが、関係者の一員として何をすれば活性化するのか思案中です。

日本棋院はじめプロ棋士も囲碁人口拡大のために、いろいろな取り組みをしていますがこれが決定版という妙手は見当たらないようです。
まずは自分の周辺から囲碁の磁場を拡げていくことでしょううか。

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囲碁普及新機軸/週刊碁

2007-10-13 20:13:47 | 囲碁

日本棋院発行の「週刊碁」に石倉九段、梅沢女流棋聖、万波四段による「アクティブ囲碁普及座談会」の記事が載っていました。
「以前に比べ囲碁を取り巻く環境が変化しており、普及活動も変化に対応していくことが必要」、そんな主旨の内容でした。

以下、囲碁PRの一部を抜粋

「心の成長に役立つ囲碁の効能」
梅沢 話題はかわりますが、石倉先生は囲碁を覚えるとどういう良さがあると思われますか。
石倉 囲碁は実利と厚味のバランスを非常に求められる点です。実利をお金や出世といった目先の利益とするならば、厚味は健康や友人、趣味などに例えられるでしょう。
これは子どもたちに限った話ではありませんが、今の世の中はあまりにも実利主義に走りすぎていると思います。大局的な見地からものを眺める能力を養うには、囲碁は最高だと思います

いかさか手前味噌に感じるところもありますが、現在の社会の断面をよくとらえていると思います。
日本の社会も実利偏重の風向きを変えていくことが、必要だと思っています。

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