張栩十段に山下敬吾天元が挑戦する「第48期十段戦五番勝負」の第2局が3月25日、日本棋院で打たれ、白番の張十段が1目半勝ちをおさめた。張十段は対戦成績を2勝とし、防衛に王手をかけた。
(産経囲碁WEbより抜粋)
「速攻 張栩、山下に連勝カド番に」、「山下またもやコウに・・・」
(週刊碁見出しより)
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張十段、形勢が二転三転する中、終盤のコウ争いで抜き去った一局のようでした。
張十段の布石はこのところ、実利志向から厚みも意識しているようです。これも山下天元の影響でしょうか。
一方の山下天元、二連敗でカド番と苦しいシリーズとなりました。
本局では終盤、「コウ争い」に持ち込んだのが失敗。毎度ながら時間に追われ、形勢判断のミスのようでした。
昨年末から天元戦、棋聖戦、十段戦と3連続の同一カード。勝敗は張十段の8勝4敗と片寄っています。
日本の伝統スタイルに近い山下天元、巻き返しを期待しましょう。
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この十段位は実際の段位ではなくタイトル保持者の称号ですが、今まで名誉称号(5連覇、または通算10期以上)の資格保持者が出ていない唯一のタイトルのようです。
今までの十段位の記録をみると4連覇(加藤正夫・王立誠)、通算7期(加藤正夫)が最高だそうです。誰がこの名誉十段を獲得するか、これからの楽しみですね。
囲碁以外の分野で、武道などでは十段位は存在したようです。
柔道の三船久蔵、剣道の内藤高治などが有名とのこと。