天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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第48期十段戦第2局/張、防衛に王手!

2010-03-30 20:39:32 | プロ棋戦

 張栩十段に山下敬吾天元が挑戦する「第48期十段戦五番勝負」の第2局が3月25日、日本棋院で打たれ、白番の張十段が1目半勝ちをおさめた。張十段は対戦成績を2勝とし、防衛に王手をかけた。

      (産経囲碁WEbより抜粋)

「速攻 張栩、山下に連勝カド番に」、「山下またもやコウに・・・」

      (週刊碁見出しより)

     ◇  ◇  ◇

張十段、形勢が二転三転する中、終盤のコウ争いで抜き去った一局のようでした。
張十段の布石はこのところ、実利志向から厚みも意識しているようです。これも山下天元の影響でしょうか。

一方の山下天元、二連敗でカド番と苦しいシリーズとなりました。
本局では終盤、「コウ争い」に持ち込んだのが失敗。毎度ながら時間に追われ、形勢判断のミスのようでした。

昨年末から天元戦、棋聖戦、十段戦と3連続の同一カード。勝敗は張十段の8勝4敗と片寄っています。
日本の伝統スタイルに近い山下天元、巻き返しを期待しましょう。

     ◇  ◇  ◇

この十段位は実際の段位ではなくタイトル保持者の称号ですが、今まで名誉称号(5連覇、または通算10期以上)の資格保持者が出ていない唯一のタイトルのようです。

今までの十段位の記録をみると4連覇(加藤正夫・王立誠)、通算7期(加藤正夫)が最高だそうです。誰がこの名誉十段を獲得するか、これからの楽しみですね。

囲碁以外の分野で、武道などでは十段位は存在したようです。
柔道の三船久蔵、剣道の内藤高治などが有名とのこと。

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第57回NHK杯/結城九段が連覇

2010-03-28 19:49:49 | テレビ番組

第57回NHK杯囲碁トーナメントは、3/21に決勝戦が放映され、結城聡九段が井山裕太名人に黒番3目半勝ちし、2年連続2回目の優勝を果たした。井山名人の初優勝はならなかった。

    (日本棋院HPより抜粋)

「結城連覇、順風満帆に仕上げ、史上3人目の快挙」、「井山、最年少Vならず、記録は来期に!」

    (週刊碁見出しより抜粋)

   ◇  ◇  ◇

連続優勝の結城九段、本局では序盤で厚みを築き、その後は巧みな打ち回しで勝利しました。
本棋戦の二連覇は坂田栄男名誉本因坊、依田紀基九段、そして今回の結城九段の3人だそうです。
早碁棋戦では数度のタイトルを取りましたが、7大タイトルへは今一歩のところで涙を飲んでいます。次の飛躍を期待しましょう。

惜しくも準優勝となった井山名人、結城九段の気合に押され気味のようでした。
結城九段と井山名人は6月の「テレビ囲碁アジア選手権」に日本代表として出場、健闘を祈ります。

   ◇  ◇  ◇

テレビ棋戦では、棋士の表情や仕草に独特の個性が見られます。
井山名人は石を盤上に持ってきて、一呼吸おいてから打ちます。名人だからサマになっていますが、ザル碁党が真似すると「もったいぶって」いるようで、嫌味に見られます。

一方の結城九段は無造作に石を盤上に置きますが、もう少し格好をつけた方がプロらしく見えますね。

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社員研修に囲碁を導入

2010-03-26 23:03:17 | 囲碁

群馬県前橋市粕川町のサンデン赤城事業所が3月から、管理職の社員研修に囲碁を取り入れた。
終業後に社員約40人が碁盤に向かい、状況を正しく判断して実行する能力や戦略的思考を磨いている。
参加者は「先を読まないと、次の一手が打てない。考える力がつく」とやりがいを感じている。

   (上毛新聞より抜粋)

   ◇   ◇

3ヶ月で計6回の囲碁講座が行われるとのことです。
囲碁ファンとしては望むところですが、果たして楽しめるレベルに到達するでしょうか。
管理職といえば30~40代。小学生などに比べ頭が硬くなっていることも予想され、苦労するでしょうね。

囲碁普及の立場から云えば対象者は管理職より、新人・若手に覚えてほしいところですが、上司に合わせ部下も一緒に楽しむようになればハッピーだと思います。

私が30代半ばの頃、上司や同僚にゴルフをする人が増え、私も10年ほど仲間入りした時期がありました。
職場ではゴルフの話題も多く、人付き合いの点でプラスになることもあったように思います。

その点、囲碁は職人気質というか、マニアックな雰囲気を感じますね。
その特殊性が長続きする趣味として、愛好者を惹きつけているのかも知れません。

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囲碁書籍/勝利は10%から積み上げる

2010-03-24 21:18:56 | プロ棋士

11208  ◆書籍紹介
・書籍名:「勝利は10%から積み上げる」
・発行所:朝日新聞出版
・著者:張 栩
・発行年月:2010年2月

内容紹介
囲碁史上初の5冠(名人・十段・天元・王座・碁聖)を達成した現役最強棋士による、勝利のレッスン。
大きすぎる期待を背負い10歳で単身来日。全く言葉も通じない異国の地での苦悩と挫折から、名人戦での緊迫した状況までを赤裸々に告白。
「相手の最善手を考えることを習慣に」「不利はすぐさま取り返さない」「相手を尊敬することが最終的に勝ちにつながる」……、けれん味のない著者の言葉の迫力と深みにしびれる。

    (朝日新聞出版Webより抜粋)

     ◇   ◇   ◇

従来の日本棋士の特長は「勝負より芸を磨く」という点に重きをおいていたように思われます。
しかし張栩さんは「勝つ」ということに対して、自分なりの厳正な方程式のようなものを確立し、それが「勝負強さ」という形で実績に表れているようです。
この考え方は「ザル碁党」にも、大いに参考になるところですが・・・。

あと日中韓の囲碁の「国風」についても分析しています。
国際棋戦では中韓に遅れをとっている現状ですが、日本の弱点克服には何が必要か。
そして勝負とは別に日本碁界の誇れる点は何か・・・。

それにしてもこの本から、張栩さんほど自分に厳しい棋士はいないと感じましたね。

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第29期NECカップ/河野が2年ぶり2度目の優勝!

2010-03-22 21:53:10 | プロ棋戦

囲碁界唯一の公式公開対局、第29期NECカップ囲碁トーナメント戦の決勝戦が3月6日に東京都の「テレビ東京天王洲スタジオ」で行われた。
羽根直樹NECカップ選手権者と河野臨九段の決勝戦は河野が209手までで黒番中押し勝ちをおさめ、2年ぶり2度目の優勝を果たした。

    (日本棋院HPより抜粋)

「息づまる乱戦 河野に凱歌、羽根の連覇を阻止!」、「羽根 追求不足に泣く」

    (週刊碁見出しより抜粋)

    ◇  ◇

河野九段、終盤のコウ争いで乱戦に決着をつけたようです。
昨年12月に行われた「第5回大和証券杯ネット囲碁オープン戦」で優勝。3/27には同棋戦の「グランドチャンピオン戦」で高尾九段と決勝戦。「NHK杯」では3位と早碁棋戦では好調です。
ただ一昨年、3連覇していた「天元位」を奪われており、物足りなさを感じます。

一方の連覇を逃した羽根本因坊、「農心辛ラーメン杯」では日本勢として唯一の2勝をあげ一人気を吐きました。
どちらかといえば長時間の棋戦向きのように思われますが、早碁でも相当の実績をあげていますね。

    ◇  ◇

本棋戦は公開対局として各地で開催され、もう29回を数えるようです。
囲碁のスポンサーが減少する中で、「NEC」は長年にわたる支援を続けており、日本の碁界にとっては貴重な存在です。

好景気の時代には各社が「企業メセナ」と称し、多種多様な社会貢献活動が繰り広げていましたが、景気後退の現時点では最小限に絞らざるを得ないようです。
消費者やマスコミは社会貢献する企業に対して、もっと正当な評価すべきではないかと思いますね。

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こども囲碁教室(2010/03/20)

2010-03-20 20:53:49 | 囲碁

今日の午前中は囲碁教室「伊勢崎こども囲碁アカデミー」の指導スタッフでした。
2桁級担当の女性スタッフが「女流アマ囲碁選手権大会」出場で欠席。新加入の生徒の対応と重なり、テンテコ舞いの状態でした。

格言シリーズ、今回は「二目のアタマは見ずハネよ」。結構、使用頻度の高い格言だと思います。問題はさらに飛躍して二段バネの功罪ですが、こちらは有段者でもムズな内容ですね。

前回は「車の後押し、ヘボ碁の見本」。一般的にはそうだと思いますが「後押し」が必然のケースもあり、判断に迷うこともあります。

生徒の対局状況を見ながら、指導碁も行います。相手は2桁級ですので、当方の棋力はあまり影響ないと思います。
問題は終局後に並べ直して検討するのですが、正確に覚えていないことがままあります。
「後で検討するから記憶しておかなくては・・・」と思いながら、自分の着手も考えていると忘れてしまうのですね。
まだ記憶力の低下を認めたくはありませんが、これも自然の摂理かも・・・。

    ◇   ◇

今週の「週刊碁」に「碁でイノベーション/群馬・前橋市、サンデンの新機軸」という記事がありました。
「サンデン」という会社の幹部社員研修の一科目に囲碁が採用されたということです。30数名が参加し、期間は3ヶ月にわたるとのこと。
幹部研修ですから自主的ではないかもしれませんが、囲碁人口の裾野が広がればと期待しています。
なお「伊勢崎こども囲碁アカデミー」の代表および指導スタッフにもサンデンO・Bが参加しています。

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第11回農心辛ラーメン杯/韓国が逆転優勝

2010-03-18 21:06:50 | プロ棋戦

日中韓3国の囲碁棋士各5人による勝ち抜き戦、第11回農心辛ラーメン杯の最終局が3月12日、中国・上海市で行われた。
韓国の李昌鎬九段と中国の常昊九段の対局は、李九段が黒番中押し勝ちし韓国が2年連続9度目の優勝を飾った。
李九段は韓国最後の生き残りだったが、中国の3人に連勝した。
日本は9日に行われた対局で5番手の羽根直樹九段が中国の劉星七段に敗れて全滅した。

     (産経囲碁Webより抜粋)

「韓国優勝、日本3位」、「羽根、3人抜きならず」

     (週刊碁、見出しより)

   ◇   ◇

韓国チームは最後の砦となる李昌鎬九段が、中国勢に3連勝で優勝に導きました。李九段、健在というところでしょうか。
また、先月行われた日中韓の女流勝ち抜き戦「第8回正官庄杯」でも韓国の5番手・朴鋕恩九段が4連勝で優勝しました。
李九段、朴九段とも恐ろしいほどの勝負魂ですね。

本シリーズ第3ラウンドで残っていた棋士は中国:3人、韓国:1人、日本:1人と中国チームが優勢でしたが、李九段に3連敗で2位となりました。
ただ選手層の厚さでは日韓に比べて、優位のような気がします。

日本チームは最終5番手の羽根直樹本因坊が中国3番手の劉星七段に敗れ、3位に甘んじることになりました。本棋戦、日本は4回連続の最下位だそうです。
長らく低迷を続ける日本勢ですが、中韓に比べ小・中学生世代の厳しさ・鍛え方が違うようです。

   ◇   ◇

第3ラウンドの開催地は中国・上海。中国経済発展の象徴のようです。
「上海」で思い起こされるのは子供の頃にラジオで聞いた歌謡曲「上海帰りのリル」。戦後間もないころのヒット曲のようです。

もう20年ほど前でしょうか、私より一回りほど先輩の上司がカラオケで朗々と唄っていたのを思い出します。

♪ 船を見つめていた、ハマのキャバレーにいた
  風の噂はリル、上海帰りのリル、リル~
 

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第22期女流名人戦/謝が2連勝、タイトル防衛

2010-03-16 19:58:04 | プロ棋戦

 謝依旻・女流名人に向井千瑛・四段が挑戦していた「第22期女流名人戦三番勝負」の第2局は、謝先勝のあとを受けて3月10日、東京都千代田区の「日本棋院」で行われ、黒番の謝が2目半勝ちした。この結果、謝が2連勝で防衛を決め、3連覇を果たした。
 両者知力の限りをつくしての戦いが続いたが、最後は謝が難戦を制してシリーズに決着をつけた。

     (産経囲碁Webより抜粋)

「謝依旻 V3、向井を破り花咲く笑顔」、「攻勢 向井に失意の一着」

     (週刊碁見出しより)

    ◇   ◇

謝・三冠、強いですね。これで女流名人戦は3連覇、女流本因坊戦でも3連覇と他を寄せ付けません。
「週刊碁/ウロ烏鷺戯評」では「新・鉄のゴールキーパー」とありますが、納得せざるをえませんね。

一方の敗れた向井挑戦者、残念でした。
中盤までは互角の勝負だったと思うのですが、謝さんのプレッシャーと時間との戦いに無念の敗退でした。

国内女流棋戦では謝さんの独走状態ですが、どこまで突っ走るか。ストッパーとして誰が浮上するか。
いずれにしても謝さんに勝る「勝負強さ」がポイントでしょうね。

    ◇   ◇

女流棋戦ではダントツの謝さんですが、男性棋士をまじえた一般棋戦となるとまだまだのようです。
何が違うのでしょうか。何か一つの事柄を追求する脳の機能が根本的に違うのかも知れませんね。
昨今は男女同等の考え方が浸透していますが、人体の特性として男女の役割分担はあってしかるべきと思いますが・・・。

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ちょっとお得なワザ/風鈴会

2010-03-15 22:22:58 | 囲碁

Wind_1_3 昨日(3/14)は定例の「風鈴会」の日。講座の内容は「ちょっと得する話しです!」ということで、手筋のワザを4題。
これまでどこかで見たことのある手筋でしたが、いろいろな変化があり表面的な理解だけではケガをするということです。
確かに「ハメ手まがい」の手を打たれて、今までどれだけ苦労したことか・・・。
ただ解説を聴いている時はナルホドと思うのですが、どれだけ身についているかが問題。ザル碁党の悲哀というところです。

今回の実戦対局は○●の1勝1敗。
1局目は先々月対戦したノリチャンとの白番。相手は猪突猛進型。じっくりと機をうかがいながら、相手の打ち過ぎを咎めました。

2局目はK弟氏との互戦(黒番)。相手の模様の中で小さく生かされ、形勢を損じました。後半、相手の打ち過ぎでチャンスがあったものの、力不足で届きませんでした。
対局後、S師範にポイントを解説したもらいました。問題は「欲張りとヤキモチ」、あとは勝負のアヤというか潮目を見極めるという点でした。
この対局中にK弟氏のケータイが鳴り、聞いたことない言語で喋り始めました。どうやら相手はタガログ語を話す人だったようですが、この会には不思議な人が結構いますね。

   ◇   ◇

例会の後は、常連十人ほどが集まっての懇親会。
他人の噂話やジョークに盛り上がりますが、「上から目線」でなく嫌味がないところいいですね。
この雑然とした「ごった煮風」の雰囲気、何ともイヤハヤ・・・。

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みんなで学ぶ楽しい囲碁入門教室/伊勢崎市(4)

2010-03-13 22:01:42 | 囲碁

今日は午後から「生活文化普及支援事業/みんなで学ぶ楽しい囲碁入門教室」の5回目で最終回。今回も約30人ほどの受講者が集まり、その内の3割くらいは保護者の方々でした。

当初の目標であった九路盤での実戦も、それなりに形になってきたました。
今回でこの入門教室は終了しますが、問題は参加者の方々が次のステップに進んでもらえるか否かです。
「入門教室の経験」は一つの成果ではあるものの、もう一歩踏み込んでもらいたいのが指導スタッフの願いです。

本講座の終わりに「囲碁入門、その後の手引き」ということで、対局場所や上達方法について説明しました。
ただ初心者向けの対局場所は極めて少ないのが実状で、囲碁普及に携わっている人たちの共通の悩みと云えそうです。

   ◇   ◇   ◇

本教室、全5回の講師を努められた三谷哲也・六段、本当に一生懸命でお疲れ様でした。
終了の挨拶で「囲碁を通して感謝の心を養ってください」という主旨の話がありました。
悲惨な事件の多い昨今ですが「感謝の気持」がふくらめば、人の心も安らぐように思います。

三谷プロはじめ今回の入門教室の運営に関わったスタッフの方々、本当のご苦労様でした。
私自身にとっても有益な経験となりました。

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