天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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第2回若鯉戦/16歳・志田達哉初段が優勝!

2007-11-29 16:18:44 | プロ棋戦

30歳以下五段以下の棋士16名によって争われる、 「第2回広島アルミ杯若鯉戦」の準決勝と決勝戦が11月18日(日)に行われ、 中部総本部所属、志田達哉初段が三谷哲也四段を下し初優勝した。
志田初段は16歳11ヵ月で最年少参加者だった。 (昨年優勝の謝依旻三段も前回最年少参加者)

  【決勝戦の結果】
・三谷哲也四段―志田達哉初段 白番・志田初段の3目半勝ち
【準決勝の結果】
・三谷哲也四段―安斎伸彰四段 黒番・三谷四段の1目半勝ち
・謝依旻若鯉杯―志田達哉初段 白番・志田初段の中押し勝ち

      ◇

「サウスポーの時代がやって来る?!」
左利きの棋士といえば福井正明九段、小県真樹九段、森田道博九段、井山裕太七段などがいます。
先日の広島アルミ杯若鯉戦で優勝した志田達哉初段も左利きです。
アマチュアのみなさんも気分を変えて左手で打ってみるのはいかがでしょう。着手が一路ずれてしまっても責任持ちませんが。

     (日本棋院HPより抜粋)

    ◇   ◇   ◇

本棋戦、昨年は謝さんが優勝しその後は女流本因坊位奪取など、破竹の快進撃を果たしました。
今年は16歳の志田達哉初段が優勝、謝さん同様今後の活躍に注目ですね。
志田初段は中部総本部の院生時代、毎週福井から名古屋に通っていたそうですが地方出身者は大変です。

左利きの棋士が増えているそうですが、初代のサウスポー棋士は誰でしょうか。
伝統や格式などがうるさかった戦前では、認められなかったかもしれませんね。

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第33期天元戦第3局/河野が2勝目、3連覇にあと1勝

2007-11-27 16:03:18 | プロ棋戦

 第33期天元戦五番勝負の第3局が11月22日、福岡県大牟田市で打たれ、黒番の河野が中押し勝ちした。河野は対戦成績を2勝一敗としタイトル3連覇にあと1勝と迫った。 第4局は12月6日、兵庫県淡路市で行われる。

 序盤は穏やかな立ち上がりだったが、中盤からは「非常に難解なせめぎ合い」(高木祥一九段)が続く、激しい戦いとなった。
河野天元は左辺上部に厚みを築き、山下は中盤から中央の黒模様を荒らそうとしたが、黒が手ごわく応戦、乱戦となった。
終盤、山下は下辺でコウを挑み、逆転を狙ったが、河野が左上隅を制して押し切った。

<河野臨天元の話>

 中盤どう作戦を立てていいか分かりませんでした。中央の戦いも自信があったわけではありません。終盤セキ崩れになったところで勝ちになりました。

<山下敬吾棋聖の話>
 ずっと苦しいと思っていました。中央の攻め合いもうまい手が見つかりませんでした。最後、下辺でコウになり、チャンスが来たかと思いましたが、正しい打ち方が分かりませんでした。

             (西日本新聞より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

河野天元が乱戦を制して2勝目、防衛まであと1勝と迫りました。河野天元の風貌からすると冷静で知的な印象ですが本シリーズでは格闘技の様相ですね。

一方、カド番に追い込まれた山下棋聖、乱戦は得意とするところでしょうが河野天元の反撃にタジタジのようです。
山下棋聖はこの天元戦で○●●、並行して行われている今村九段との王座戦で○●と一進一退、この5局はすべて中押し勝負。
王座戦は今日(11/27)、明後日(11/29)に第3局、第4局を箱根で対局、全国をまたに山下、孤軍奮闘といったところでしょうか。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は福岡県大牟田市の旧三井港倶楽部。明治41年、三井財閥の迎賓館として建てられた西洋建築で、大牟田市指定文化財。現在は総合結婚式場、レストランとして営業しているそうです。

Sekitan 大牟田市は日本の石炭産業盛衰の歴史と同じ歩みを刻んできているようですが、業態を変革するのは大変なことだと思います。
現在、石油価格の高騰が問題になっていますが資源は有限、人間の英知が試される時代でしょう。

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TVドラマ/点と線

2007-11-26 16:45:11 | テレビ番組

Train 昨日(11/25)、一昨日(11/24)とTVドラマ/「点と線」を見ました。
松本清張/推理小説のドラマ化ですが、昭和30年代のベストセラーでこの時代に読んだ多くの人が、このドラマを見ていたのではないでしょうか。
もうストーリーはすっかり忘れていましたが、東京駅での有名なシーンはずっと記憶の片隅に残っていました。

ドラマの評価はよく分かりませんが個人的にはレトロな雰囲気が懐かしく、平均点以上の作品ではないか思っています。
ただ若い人たちにはどうでしょうか。この時代のトリックが現代では成り立たない部分もあるでしょうし、展開がゆっくりしすぎという印象も受けるかもしれません。

     ◇   ◇

これから団塊世代が定年を迎えTVやラジオに接する機会も多くなると思われますが、この世代を満足させる本物の番組を提供してほしいものです。

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激闘をふり返ろう/風鈴会

2007-11-24 23:25:51 | 囲碁

Wind_1 今日(11/24)は定例の「風鈴会」の日、今回の講座は「団体戦から~激闘をふり返ろう!」。
先日行われた団体戦より会員(Oさん:4級、Hさん:初段)の対戦2局の解説でした。

解説を聞いて感じたのは「アマは自分の都合のいいように局面を解釈する」ということでしょうか。相手も必死に考えていることを忘れてしまうんですね。

プロがアマの対局解説で「これはすばらしい手だ」といわれることがあります。
プロはその根拠を明確に示してくれますが、対局者自身がどこまで理解しているか疑問です。この落差を埋めていくことが、棋力向上ということでしょうか。

    ◇  ◇

囲碁教室や講座では布石・手筋・詰碁・ヨセ・プロの棋譜解説など、いろいろなテーマの講義があります。
そんな講義の中で私は「アマの碁の解説・手直し」が一番ためになるし、なにより面白いと思っています。
アマの棋譜の中にはわれらザル碁党と同じ思いとドラマ(喜劇?)があるような気がします。

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第55期王座戦第2局/今村九段が熱戦制しタイに

2007-11-21 21:25:51 | プロ棋戦

 11月15日、大阪市で打たれていた第55期囲碁王座戦5番勝負第2局は、白番の挑戦者、今村俊也九段が黒番の山下敬吾王座に中押し勝ちし、対戦成績を1勝1敗のタイにした。第3局は27日、神奈川県箱根町の龍宮殿本館で行われる。

<今村俊也九段の話>
 白が厚いところを攻められて悪くなったかなと思っていました。地元なので、山下さんが気を使ってくれたのかもしれません。1勝できて良かったです。

<山下敬吾王座の話>
 地合は悪くなかったと思いますが、中央が薄く、あっという間につぶされてしまいました。途中からはぐちゃぐちゃになってしまいました。

    (日経e-碁サロンより抜粋)

      ◇   ◇   ◇

今村九段が地元で意地を見せました。序盤から黒番の山下王座が攻勢をかけ、白の今村九段は防戦気味でしたが一瞬の隙をつき黒の大石を召し取り、中押し勝ちとしました。

本シリーズはこれで1勝1敗のタイ。山下王座は天元戦でも河野天元を相手に1勝1敗と一喜一憂、ファンを楽しませてくれますね。

      ◇   ◇   ◇

今回の対局地は大阪市の「リーガロイヤルホテル」。対局はホテル内の囲碁サロン「橘中楽」を借り切って行われたそうです。
この会員制囲碁サロンの会費をみてビックリ、とても庶民が行けるようなお値段ではありません。
豪華なサロンで対局するのも、古い碁会所で対局するのも碁を楽しむ気持に変わりはないと思いますが・・・(本音は負惜しみ)。
大盤解説会の会場はホテル内にある結婚式で使うチャペル、十字架のある場所に大盤が設置されたそうですがこれも時代でしょうか。

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県少年少女秋季囲碁大会/2007

2007-11-19 20:44:36 | アマ棋戦

Bimg_0755 昨日(11/18)は「群馬県少年少女秋季囲碁県大会」が行われました。
例年、小中学生の大会は春から夏にかけて県代表選抜を兼ねた団体戦と個人戦の2大会がありました。
秋季大会は「県内の囲碁好きな子供たちに、もっと交流の機会を」と初めて開催されることになりました。参加者は58名と前の2大会とほぼ同じ規模でした。

   ◇   ◇

中学生の参加は少なく大半は小学生で、両親、祖父母などが付き添ってくる人も少なくありません。
対局に負けて泣いている小学生を母親が困った様子でなだめていましたが、運動会などでもこのような場面が見うけられます。
この悔しさをバネに頑張る人と、もうイヤだと諦める人、この分岐点が難しいところで親・指導者の対応次第で先の状況が変化していきます。

前に進むための原動力になるのは、その未来に夢が持てることでしょうが、それを説いてもなかなか行動には結びつきません。
子供たちと同じ視点で泣いたり笑ったり、共感する気持が大切でしょうね。

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RT囲碁部/2007/11月例会

2007-11-17 22:43:19 | ルネサス/囲碁部

今日(11/17)は「RT高崎囲碁部」の月例会でした。
参加者は7名と相変わらずの低迷状態です。

大会の参加者数は多いほど活気がありますが、新しく他の会に参入するには結構エネルギーが必要です。
やはり馴染みのグループで打ちたい、という人も多いのではないかと思っています。

会員は少なくてもその分絆が強いのも、一つの会のあり方かもしれません。

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第33期天元戦第2局/河野が勝ち、タイに

2007-11-15 21:29:34 | プロ棋戦

 第33期天元戦5番勝負の第2局が11月8日、滋賀県長浜市で打たれ、白番の河野が中押し勝ちし、対戦成績を1勝1敗のタイとした。 第3局は11月22日、福岡県大牟田市で行われる。

 黒番・山下の三連星に、左下と右上で勢力を築いた河野が中央で戦いを挑んだ本局。最後は中央の黒地を食い破って、粘る山下を投了に追い込んだ。

<河野臨天元の話>
 中盤の戦いが一段落した時点で、地で大変になっていました。上辺で黒二子を取り、終盤のコウをツイだところで勝ちになったと思いました。

<山下敬吾棋聖の話>
 悪くないと思っていましたが、右下隅の打ち方が分かりませんでした。もっと堅く打つべきでした。

             (中日新聞より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

第1局に続き本局も乱戦模様でしたが、河野天元がしぶとく戦い抜き1勝1敗のタイとしました。
本局、山下棋聖は三連星からの大模様作戦で攻勢に立つも、河野天元がヨセで追い上げ、最後はコウで勝負を決めた一局のようでした。

昨今の戦型をみると布石らしきものは省略され、序盤から激しい戦いの碁が多いようですが、この一局は昔からある三連星の布石でした。
三連星はアマに人気のある大模様作戦ですが、攻めの良否で一気に勝負が決まるところに醍醐味があるようです。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は滋賀県長浜市の「長浜ロイヤルホテル」。琵琶湖の北東部に位置する歴史ある町です。

琵琶湖で思い起こすのは毎年夏に行われている「鳥人間コンテスト」。
空を飛ぶことにすべてを賭けている「熱い思い」がTVの画面からも伝わってきます。
「夢中になる」ってことは何かしらの感動を呼ぶものですね。

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第32期名人戦第7局/張碁聖が名人位を奪還

2007-11-13 16:12:31 | プロ棋戦

 第32期囲碁名人戦七番勝負の第7局は11月8日より静岡県熱海市で打たれ、挑戦者の張栩碁聖(27)が高尾紳路名人(31)に黒番2目半勝ちし、通算4勝3敗で名人位を奪還した。2年ぶり3期目の名人返り咲きとなる。

<張新名人の話>
 7局とも難しい碁ばかり。今はただ、やっと終わってほっとしています。

<高尾名人の話>
 負けたのは実力の差。自分なりによく頑張れたので、悔いはありません。

<武宮陽光の目> 歴史に残る名勝負

 序盤から戦いにつぐ戦いで、最終局にふさわしい、両者気合の入った大熱戦でした。

 戦いが下辺から上辺に移ったあたりから、やや白の辛抱の時間が続きましたが、左上隅で名人のパンチが入ってそれが決め手になったかと思われました。しかしその後の張挑戦者のリカバリーが素晴らしく、黒187の手止まりに回っては黒の勝ちが動かなくなったようです。

 シリーズを通して見させていただきましたが、お二人の戦いはまさに実力伯仲で、7局とも大変素晴らしい歴史に残る大勝負だったと思います。これだけ難解な碁をこれほど正確に打たれるのを、間近で見ていて僕も感動、興奮し大変勉強になりました。

             (朝日新聞より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

七番勝負の最終局は張栩碁聖が難局を制し、名人位に返り咲きという結果になりました。
大熱戦の本シリーズ、両者の真剣勝負を十分堪能させてもらいました。(ザル碁党なりに・・・)

囲碁ファンにとっては興奮の大激戦でしたが、新聞などマスコミではそれほどのニュースにはなっていないようです。
主催紙の朝日新聞では一面に掲載されていましたが、他紙ではほんのわずかのスペースに載っているだけで、TVのニュースにもなかったように思います。

昭和30年代~40年代の頃は新聞・雑誌・TVなどで、もっと大きく取り上げられたと思いますが残念ですね。
娯楽の多様化などといわれていますが、最近の娯楽・レジャーを見ていると何となく薄っぺらな印象を受けますが、映画「ALWAYS/三丁目の夕日」世代の偏見でしょうか。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は静岡県熱海市の「あたみ石亭」。囲碁・将棋のタイトル戦で幾多の名勝負を演出してきた高級割烹旅館のようですが、庶民には敷居が高そうです。

今シリーズは最終7局までいきましたが、4局でシリーズが終わることもあります。そんなとき、主催紙はじめ関係者の落胆は大きいでしょうね。
「週刊碁」で依田九段が「6局までいかないと責任を果たしたことにはならないぞ」と新聞社の人に脅された、という記事が載っていましたが、本シリーズは主催紙・宿泊施設などの関係者はじめ、囲碁ファンにとっても大満足のシリーズではなかったでしょうか。

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日中囲碁団体戦2007/風鈴会

2007-11-12 15:27:34 | 囲碁

Wind 昨日(11/11)は「第24回日中友好囲碁大会/団体戦」が日本棋院で開催され、「風鈴会」チームの一員として参加してきました。

この大会は昨年に続き2回目の出場となりますが、500人を超える大会ということで主催者はじめ関係者のご苦労は大変なことと思われます。

風鈴会からは7チームが参加し、2チームが優勝を果たしました。
私のチーム(5人)は有段者Bクラス(ハンディ戦)で2勝2敗、昨年は4連勝の優勝でしたが今回は残念な結果となりました。

私個人は1勝3敗とチームの足を引っ張ってしまいました。前回は3勝1敗でしたので実力ダウンを認めざるを得ません。
ネット対局とテレビ観戦だけでは現状維持も難しいということでしょうか。

この敗戦を機に今一度、棋力向上策を考えています。来年こそは・・・。

   ◇   ◇   ◇

団体戦終了後は近くのレストランで恒例の打上げ、仮装やスピーチなどで盛り上がっていました。
このメンバーは「囲碁」という共通項を除いて年齢、棋力、職業、地域などの垣根がなく、不思議なコミュニティをかもし出しています。

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