天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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第39期名人戦第3局/河野臨九段が2勝目!

2014-09-29 18:04:39 | プロ棋戦

第39期名人戦七番勝負の第3局が9月25日、26日に北海道札幌市で行われ、黒番の河野臨九段が井山裕太名人に中押し勝ちをおさめ、シリーズ2勝目を挙げた。井山名人1勝、河野九段2勝で迎える第4局は10月6日(月)7日(火)に京都市で行われる。
     (日本棋院HPより抜粋)

「河野連打、力強い攻め 井山をKO」 「井山 コウを軽視?」
     (週刊碁見出しより)

      ◇  ◇  ◇

2-1とリードした河野九段、正確な読みで競り合いを制した印象です。
敗れた井山名人、リズムが変調か

本局は「コウ争い」が勝負のポイントとなりました。
コウの重さ・軽さの判断はムズですね。ザル碁党にとってはやっかいですが、避けて通れない・・・

      ◇  ◇  ◇

今回の対局地は北海道札幌市の定山渓温泉「翠山亭倶楽部定山渓」。
札幌市街から南西に1時間弱と以外に近いですね。

森進一が唄う「盛り場ブルース」の二番歌詞に「定山渓」が出てきます。

♪ お酒飲むのも なれました~
  むせるタバコに あなたを忍ぶ~
  小雪はらって 今夜もひとり~
  酔ってみたいの 洞爺 すすきの 定山渓

定山渓が「盛り場」というイメージではないような気もしますが・・・
一番の歌詞では「銀座・赤坂・六本木」、こちらは納得かな・・・

1967年の曲ですからもう40年以上も前になるんですね。
ムード歌謡が流行ったのはこの頃でしょうか、懐かしい・・・

Jozankei

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趙治勲の「お悩み天国」/心澄ちゃんの手紙

2014-09-27 20:56:53 | プロ棋士

「週刊碁」に連載の「お悩み天国/治勲の人生相談室」、快走中です。
今週号(第136回)は張栩九段・小林泉美六段の娘さん・心澄(こすみ)ちゃん(祖父は小林光一名誉三冠)、手紙で「色紙が欲しい」と頼んだお話。

治勲さんはここで悩んだ。色紙を贈るのは問題ないのですが、宿命のライバル・小林光一さんをさしおいて・・・
そこで名案、色紙の左半分に「恋月 趙治勲」と書き、右半分は光一さんのために空白にしたそうです。

心暖まるいいお話ですね。
治勲さんと光一さん、タイプは違うけれど緊張感のあるライバル関係でしょうか。

ところで色紙は「恋月」と読めるのですが、意味がイマイチわかりません。
心澄ちゃんはまだ小学生だと思いますが、治勲さんの思いは・・・

Koituki_2

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本因坊道策と秀策を訪ねて(その2)

2014-09-25 19:13:12 | 囲碁

二日目(9/23)朝、秀策生誕の地・因島を出発し、島根県の大田市仁摩町馬路(おおだし・にまちょう・まじ)にある第四世本因坊・道策の生家へ。
歴史・文化史跡としては「秀策記念館」のように整備されていませんが、素朴で歴史の重みが感じられましたね。

道策のお墓・顕彰碑・生家のガイドは地元ボランティアのようでしたが、素人っぽいところに親しみを感じました。
一方、秀策記念館のガイドは流暢でプロ並み、見学者も普段は道策の地より多く、手馴れているんでしょうね。

その後、道策の生家から世界遺産・石見銀山の見学。バス駐車場からメインの坑道跡までの遊歩道は2キロ以上の道のり、疲れましたね。
世界遺産の印象としては「へぇ~」と感心するも、もう一度訪れたいというほどでは・・・

世界遺産といえば今年、群馬県の富岡製糸場が指定されました。まだ訪ねたことはありませんが、イマイチ興味をそそりません。
人間が造り上げたものより、自然の景観の方に心が動きますね。

宿泊先の「しんじ湖温泉」では夕食後、多くの参加者が武田プロと指導碁に熱中していました。ただ棋力アップに「指導碁」はどの程度有効か・・・

三日目(9/24)は松江を出発し、広島へ。広島駅で解散、本ツアーは終了です。
移動距離が長く、バスに乗っている時間が多かったですね。

    ◇   ◇

今回の参加者は私より先輩の方が7~8割でしょうか。もう少し参加者同士の交流機会があればと思いましたね。

ツアーの目的は「囲碁の歴史・文化を訪ねる」と「囲碁を楽しむ」。
私は前者の方に重点をおいてきましたが、全体の割合としては半々の感じでしょうか・・・

これまで旅行というと「るるぶ(見る、食べる、遊ぶ)」が多いようですが、これからは目的を絞った旅が増える気がします。
今回のツアー満足度は75点くらいでしょうか。個人的な感覚ですが・・・

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本因坊道策と秀策を訪ねて(その1)

2014-09-23 22:38:35 | 囲碁

昨日(9/22)から「~本因坊道策と秀策を訪ねて~ 囲碁ゆかりの地・因島と世界遺産石見銀山・松江しんじ湖温泉3日間」というツアーに参加し、今は島根県・松江「しんじ湖温泉」のホテル」にいます。
参加者は30名ほどで、日本棋院中部総本部の武田祥典二段が指導棋士として同行しています。

1日目、岡山駅に集合し広島県尾道市の因島(いんのしま)「本因坊秀策囲碁記念館」へ、生家や資料を見学、秀策のお墓にもお参りしました。
その後、地元の囲碁愛好者(碁ランティア)と2局対戦し、宿泊先のビジネスホテルへ。

夕食後、希望者は武田プロとの指導碁、私は持参した「秀策極みの一手(高木祥一・著)」から数局並べていました。

    ◇   ◇

秀策については雑誌などでかなりの情報は仕入れており、それほど目新しさは感じませんでしが、秀策と同じ景色を眺め、同じ空気を味わい、同じ人情に触れたことに意義があったように思います。

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第39期名人戦第2局/河野が初勝利!1勝1敗に

2014-09-21 21:02:25 | プロ棋戦

第39期名人戦七番勝負の第2局が9月18、19日に鳥取県湯梨浜町で行われ、白番の河野臨九段が井山裕太名人に中押し勝ちをおさめ、シリーズ初勝利を勝利を挙げた。1勝1敗のタイに戻った第3局は9月25、26日に北海道札幌市で行われる。
     (日本棋院HPより抜粋)

「河野返した、大乱戦 井山に競り勝つ」 「井山 急転直下、大石トン死」
     (週刊碁見出しより)

      ◇  ◇  ◇

1-1のタイに戻した河野九段、目まぐるしい攻防を制しての勝利でした。
敗れた井山名人、勝負どころで誤算が敗因のようです。時間にも追われたか・・・

布石もないような接近戦の連続、両者ギリギリの精神状態で河野九段の気力がわずかに上回った・・・

      ◇  ◇  ◇

今回の対局地は鳥取県湯梨浜町「はわい温泉」の「望湖楼」。
◎町名の由来
湯梨浜という名前は、「東郷湖から湧き出る温泉、大地がはぐくむ二十世紀梨、そして日本海に広がる白い砂浜」という新しい町の特色をイメージして名づけたものです。

今日の朝日新聞に第2局の記事が大きく掲載されていました。
その中で昼食とおやつのメニューの紹介

◆1日目昼食
 ・井山:海鮮丼と地元シジミの味噌汁
 ・河野:カレーライスとサラダ
◆1日目3時のおやつ
 ・井山:ショートケーキとホットコーヒー
 ・河野:大福とアイスコーヒー

◆2日目昼食
 ・井山:カレーライスとサラダ(前日、河野が注文した品)
 ・河野:おにぎりとシジミの味噌汁
◆2日目3時のおやつ
 ・井山:チョコレートのショートケーキ
 ・河野:倉吉名物「打吹(うつぶき)だんご」と大福

おやつは井山が洋菓子、河野が和菓子、年齢差でしょうか・・・
名人戦には付録の記事ですが、緊張の中にホッとした気分・・・

Cake Daifuku

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第39期新人王戦(志田vs一力)/1勝1敗のタイ

2014-09-19 21:21:45 | プロ棋戦

【第39期新人王戦決勝三番勝負第1局】一力が先勝!
第39期新人王戦決勝三番勝負・志田達哉七段―一力遼七段の第1局が9月11日に名古屋市の日本棋院中部総本部で行われた。結果は黒番の一力が半目し勝ちをおさめ先勝した。

【第39期新人王戦決勝三番勝負第2局】志田が勝ち最終局へ
第2局が9月17日に東京・市ヶ谷の日本棋院本院で行われた。結果は黒番の志田が中押し勝ちをおさめ1勝1敗のタイに戻した。どちらがタイトルを獲得するか、第3局は25日に名古屋市の日本棋院中部総本部で行われる。
     (日本棋院HPより抜粋)

      ◇  ◇  ◇

第1局は中盤でリードした一力七段(17)の半目勝ち、志田七段(23)の追い上げ届かずという一局でした。
第2局は一昨日の対局、志田七段が先行逃げ切りで勝ったようです。

新人王戦の出場資格は25歳以下、六段以下(第31期より)、タイトル獲得は1回限り(平成20年より)。今回決勝の両者は七段に昇段しており、今期が最後となります。若手棋士なら一度は手にしたいタイトルでしょうね。

新人王戦の第1期優勝は小林光一・名誉三冠でした。
ライバルだったタイトル最多記録の趙治勲さんは第2期の準優勝1回のみ、これ以降は昇段で出場資格がなかったのでしょうね・・・
平成四天王では山下、高尾、張は獲得していますが、羽根さんは準優勝2回(いずれも山下さんに敗退)でした。
女流では青木さんが第22期に準優勝(優勝は山田規三生)しています。

野球などのスポーツでもそうですが、新人王が必ず大成するわけでもありません。
本人の努力、周囲の環境、運などに左右されるんでしょうね。
大器晩成というケースもあるでしょうが、実力勝負の世界ではムズなようで・・・

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秋の主役/天元戦・高尾、王座戦・村川が挑戦

2014-09-17 20:47:44 | プロ棋戦

高尾十段が天元挑戦!
井山裕太天元への挑戦者を決める「第40期天元戦挑戦者決定戦」高尾紳路十段―河野 臨九段が9月8日に行われた。結果は高尾十段が黒番中押し勝ちをおさめ、挑戦権を獲得した。高尾は初めての天元戦挑戦手合出場となる。

村川が王座初挑戦!
井山裕太王座への挑戦権を争う「第62期王座戦挑戦者決定戦」林漢傑七段VS村川大介七段戦が9月11日に東京市ヶ谷の日本棋院で行われた。結果は黒番の村川が中押し勝ちをおさめ挑戦者に決まった。村川は王座初挑戦となる。
     (日本棋院HPより抜粋)

「高尾、2冠目にロックオン」 「村川、タイトル戦デビュー」 「河野、林漢傑、及ばず」
     (週刊碁見出しより)

      ◇  ◇  ◇

天元戦五番勝負の挑戦者は高尾十段(37)。決定戦の相手は河野九段、名人戦七番勝負の合間を縫っての対局でした。
決定戦は高尾九段がカウンターパンチで大乱戦を制しました。
敗れた河野九段、「慎重さを欠いた」と反省の様子でした。連戦の疲れでしょうか・・・

      ◇  ◇  ◇

王座戦五番勝負の挑戦者は村川七段(23)。決定戦の相手は林漢傑七段。林七段は序盤のミスで形勢を損ねたようです。
村川七段は井山王座(六冠)と同じ関西出身で一つ年下、7大タイトル初挑戦に燃えていることでしょう。

      ◇  ◇  ◇

高尾十段、村川七段を迎え撃つ井山六冠。名人戦では河野九段と熱戦を展開しており、井山六冠・秋の陣は「風雲急を告げる」状態でしょうか。
囲碁ファンとしては六冠を維持してほしい気持ちもありますが、群雄割拠も面白い・・・

Amagumo

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第8回群馬県少年少女秋季囲碁大会

2014-09-15 22:07:52 | こども囲碁

今日は群馬県「第8回少年少女秋季囲碁大会」が伊勢崎市民プラザで開催されました。参加者は約140名と前回に比べ2割ほど増えています。

本大会は「こども棋聖戦全国大会」の予選も兼ねており、高学年の部(小学4年~6年)は市村君(玉村・南小4年)、低学年の部(小学1年~3年)は宮沢君(玉村・上陽小3年)が優勝しました。
両君とも「玉村こども囲碁教室」の一期生で、指導スタッフとしても誇らしい気分です。

「玉村こども囲碁教室」は選抜戦以外でもブロック優勝2名など優秀な成績でした。
昇級の機会が少なく、ハンディ面で助けられたのも一因でしょうか。他地区から妬まれそうですね。

「伊勢崎こども囲碁アカデミー」はやや苦戦でした。
先日行われた「北本ジュニア囲碁まつり」でほとんどの生徒が昇級しており、ハンディがきつかったようです。

「名和小囲碁クラブ」も苦戦でしたね。練習時間が少ないのが課題でしょうか。

    ◇   ◇

本大会の運営スタッフは、選手のママさんを含め40人ほどに協力していただきました。

設営、競技審判など男性スタッフは、高齢化が進み体力面で苦戦の様相です。そう言えば、今日は「敬老の日」でしたね・・・
今後の成長戦略は「女性の活用」でしょうか・・・

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囲碁書籍/「落日の譜」

2014-09-13 20:38:33 | 本と雑誌

Rakujitsu◆書籍紹介
・書籍名:「落日の譜」雁金準一物語
・発行所:筑摩書房
・著者:団 鬼六
・発行年月:2012年12月
◆内容紹介
若い頃から囲碁の才能に秀で、伊藤博文に可愛がられて人望厚く、次期本因坊を確実視されながら悲運一転、野に下った伝説の棋士・雁金準一。その雁金が再び本因坊に挑戦、一世一代の勝負、大正大争碁に挑むまで。

    ◇  ◇

「雁金準一」の名前は聞いたことがありましたが、その実像はほとんど知りませんでした。
本書を読んで雁金師の輪郭が、ある程度理解できたと思っています。
内容紹介では「悲運」とありましたが、「不遇」の印象が強いですね。

本書は雁金師の一代記ですが、明治~昭和初期の囲碁界を知る書籍としても価値があると思います。
囲碁界にとっては波乱の時期だけに、策略家のような棋士も登場します。
それを思うと現代の棋士は恵まれていると思いますね。

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囲碁用語:尻抜け

2014-09-11 18:43:32 | 囲碁

尻抜け:相手の大石を取ったつもりでいて、実は尻っぽの方の自分の石が取られていて、逃げられてしまうこと。

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私の白番、中央の黒十数子は取れていると錯覚しています。
 → 実際は白3子が「尻抜け」で取れていない。
黒1に、中手にと白2・・・
時おり、このような「うっかりミス」をしてしまいます。

ただ、この碁は終盤で黒に「うっかりミス」が出て、右下黒の一部が「尻切れ」・・・
ザル碁党ならではの迷局か・・・

    ◇   ◇

相手の弱点は敏感なのに、自分の弱点は鈍感・・・

プロの解説を聞いていると、序盤でも眼形にすごく神経を使っています。
すぐに生死に影響はないと思うのですが、弱点が気になるのでしょうね。

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