第33期棋聖戦七番勝負、山下敬吾棋聖と挑戦者、依田紀基九段の第4局が2月19日から岩手県花巻市で行われ、黒番の依田九段が中押し勝ちし、通算成績を2勝2敗とした。
上辺の戦いを経て、依田九段が左下で機敏に生きて主導権を握った。山下は乱戦に持ち込もうとしたが、依田は冷静に対応し、地合いでリードして逃げ切った。
第5局は25、26日、三重県志摩市の賢島宝生苑で行われる。
<依田九段の話>
封じ手(黒55)の辺りでは少し打ちづらいと思った。シチョウ当たりを巡る白の打ち方は少し無理気味かな。
<山下棋聖の話>
初日は打てそうな気がしたが、その後の打ち方がまずかった。白116で180を決めなかったのが敗因だ。
(読売新聞より抜粋)
◇ ◇ ◇ ◇
今週の「週刊碁」トップページのタイトルは「依田追撃」、「山下に一瞬のスキ」。
依田九段のキメ細かい打ち回しが、山下棋聖の腕力を封じた一局のようでした。
これで2勝2敗のタイ。依田九段は2連敗のあと2連勝と、流れを引き寄せたようです。
BS-2の中継を録画して見ていたのですが、依田九段の扇子をパチパチと鳴らす音が頻繁に聞こえました。
山下棋聖の思考を妨げないかと気になりましたが、没頭しているときは影響ないのかも知れませんね。
◇ ◇ ◇ ◇
今回の対局地は岩手県花巻市の佳松園。女流本因坊戦などのタイトル戦でおなじみです。
花巻出身の著名人といえば作家・詩人の宮沢賢治(1896~1933)、画家の萬鉄五郎(1885~1927)でしょうか。
※萬鉄五郎:『ヨロズ・テツゴロウ』 → 『マンテツ・ゴロウ』と誤解していました。
宮沢賢治はその清廉な生き方に共感する人も多いようです。
「雨ニモマケズ」
宮澤賢治
雨ニモマケズ 風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク 決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラツテイル 一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ 小サナ萱ブキ小屋ニイテ
東ニ病気ノ子供アレバ 行ツテ看病シテヤリ
西ニ疲レタ母アレバ 行ツテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニソウナ人アレバ 行ツテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクワヤソシヨウガアレバ ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ ホメラレモセズ
クニモサレズ サウイウモノニ
ワタシハナリタイ