天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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第7回中野杯/村川連覇

2010-11-30 21:23:17 | プロ棋士

今週の「週刊碁」最終ページは「第7回中野杯U20選手権・決勝」。
決勝戦は「村川大介七段(19) 対 志田達哉三段(19)」で昨年と同一カード。
結果は白番の村川七段が序盤早々に強烈パンチを決め、そのまま押し切って快勝という内容でした。

◆第7回中野杯U20選手権:ベスト8
・優勝:村川大介 七段
・2位:志田達哉 三段
・3位:堀本満成 二段
・4位:田尻悠人 二段
・5位:玉井 伸 三段
・6位:竹内康祐 初段
・7位:熊本秀生 初段
・8位:稲葉貴宇 初段

     ◇  ◇

村川七段の最近の活躍はめざましいものがあります。
・韓国主催棋戦「三星火災杯」で国際予選突破。
・「関西棋院第一位決定戦三番勝負」で結城天元に二連勝でタイトル奪取、これにより五段から七段。
・現在、関西棋院の勝ち星ランキングでトップ。

関西棋院は坂井碁聖、結城天元のタイトル奪取に続いて、瀬戸七段、村川七段など新鋭の活躍で、順風満帆といったところでしょうか。

関西棋院の存在価値については度々話題になってきましたが、この勢いですとしばらくは現状維持でしょうか。小回りの利く組織にも利点はありそうですね。

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アジア大会囲碁/韓国が金メダル独占

2010-11-28 20:51:56 | 囲碁

中国広州市の広州棋院で開催されていた、第16回アジア競技大会囲碁種目男女団体戦の決勝戦と3位決定戦が11月26日に行われ、男子団体で日本チームは中華台北チームを3-2で下し、銅メダルを獲得した。
また、同じく3位決定戦に進んでいた女子チームは1-2で中華台北チームに敗れ、惜しくも4位に終わった。
決勝戦は男女ともに韓国-中国戦となり、男子は4-1で、女子は2-1で韓国が勝って男女とも優勝を果たした。
これで囲碁種目3種の金メダルはすべて韓国が獲得し、主催国の中国は3種目ですべて銀メダルに終わった。

     (日本棋院HPより抜粋)

    ◇   ◇

予想では地元中国が優勢と思っていましたが、ここ一番の瞬発力で韓国が3種目の金メダルを独占しました。
日本は男子団体で唯一の銅メダルを獲得、ある程度は予想はしていましたが、残念な結果でしたね。

このアジア大会、全種目の成績は中国が断トツで、韓国が2番目とがんばっています。
韓国の人口は4,800万人(中国:13億、日本:1.2億)。日本の半分以下ですが、これだけの成績を残せるというのはなぜでしょう。
日本はあまり闘志を前面に出さない面がありますが、韓国は独特の「熱気」が伝わってきます。
日本は執着力や闘争心に希薄な民族かもしれませんね。

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鈴懸の径/群馬・甘楽町

2010-11-26 22:29:05 | ハイキング

20101121momiji_2 先週、紅葉見物とウォーキングを兼ねて、近場の甘楽町小幡を訪れました。
甘楽総合公園に車を止め、20分ほど登ると紅葉山公園。規模はそれほどではありませんが、一見の価値はあります。

紅葉山を下り、公園内の雄川「せせらぎの路」をウォーキング。

20101121suzukake 途中、金色に輝く高木の並木があり、何という樹かと思ったところ「スズカケ(鈴懸)」と表示がありました。
別名「プラタナス」とも云うそうです。
「鈴懸」、「プラタナス」という名はよく耳にしていましたが、この樹だったのかと認識した次第です。
公園の芝生に真っ直ぐ伸びた「鈴懸の並木」は、ヨーロッパの秋を連想しました。

公園から対岸に渡ったところに、名勝「楽山園」という庭園がありました。高台に「あずまや」、池には鯉が泳ぎ、ゆったりとした小春日和の時間が流れます。

隣接する屋敷はまだ工事中のようですが、かなり時間とお金がかかりそうです。
この日は休日でしたが、公園や庭園の立派な整備に比べ、集客はイマイチという感じでした。

地方では「町おこし」や「過疎化対策」など、種々の事業が行われていますが費用対効果はどうでしょう・・・。

    ◇  ◇

Jazzsuzukake 鈴懸の並木を歩きながら「鈴懸の径(すずかけのみち)」という曲が浮んできました。
もとは歌謡曲のようですが、ジャズ・アレンジし、クラリネットをフィーチャーしたこの曲は素敵でしたね。

「プラタナス」ではフォーク・グループ「はしだのりひことシューベルツ」が唄っていた、「風」という曲の2番で中に出てきます。

♪プラタナスの枯葉舞う 冬の道で~
 プラタナスの散る音に 振り返る~
 帰っておいでよと~ 振り返っても~
 そこにはただ風が 吹いているだけ~
 人は誰も 恋をした切なさに~
 人は誰も 耐えきれず振り返る~

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月刊・碁ワールド/勝負の赤壁

2010-11-24 21:47:43 | 囲碁

Go_world_201012 月刊誌も12月号になると、1年間のシリーズ企画物が終了します。
今年の「碁ワールド」で一番気になった読み物は、孔令文六段の「勝負の赤壁(レッドクリフ)~中国・囲碁事情~」でしょうか。

世界の囲碁界は中国・韓国の二強を日本・中華台北が追う構図となっていますが、やがては中国一強を予想する人も少なくありません。
国家という強力な後ろ盾もあり、「中国一強」も現実味を帯びている状況だと思います。

このシリーズでは中国棋士がどういう環境やプロセスで強くなったかを伝えていますが、「囲碁=スポーツ・勝負」という世界の流れに対して、日本の「囲碁=文化・芸」という意識の違いにも焦点を当てています。

今後の日本囲碁界の進むべき道について、孔令文六段は父・聶衛平の言葉を伝えています。

「碁が後世に残るとしたら、絶対に『芸』であってほしい。日本の囲碁界が証明してきたように、残るものは『芸』だ。でも今を勝ち抜きたかったら『勝負』にこだわるしかない」。

「日本の伝統」と「世界の感覚」、これは囲碁だけでなく政治・経済・文化などあらゆる分野で議論になります。
世界の潮流の中で、いかに日本の存在感を示していくか・・・。永遠の課題でしょうか。

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第36期天元戦第3局/結城新天元、3連勝で初タイトル

2010-11-22 21:42:53 | プロ棋戦

 悲願のビッグタイトル初獲得-。11月16日に佐賀県唐津市であった天元戦5番勝負の第3局で、山下敬吾天元・本因坊を破り、新天元の座に就いた結城聡九段(38)=関西棋院。囲碁の七大タイトル獲得は6回目の挑戦にして初めて。「正直、もうタイトルは取れないかもしれないと思ったこともあった。3連勝できるとは」と、ほっとした表情を見せた。

<結城聡新天元の話>
 形勢判断の難しい展開でしたが、大ヨセに入ったところでは少し良いと思いました。形勢の悪かった第2局を勝てたのが大きかった。5番勝負開幕前は一つ勝てるかどうかと思っていたので、信じられない結果です。

<山下敬吾前天元の話>
 中盤、右上隅に入った手では、中央に打っておいた方が良かった。実戦はわかりやすい展開にしてしまいました。まずい手が多く、3局とも内容が悪すぎました。この結果は仕方ないです。
     (西日本新聞より抜粋)

「結城 着実な足取りで完勝、光る冷静な判断力」、「山下 巻き返しならず」
     (週刊碁、見出しより)

第36期天元戦第2局/結城、混戦制し2連勝

 山下敬吾天元・本因坊に結城聡九段が挑戦している天元戦5番勝負の第2局が11月9日、愛知県清須市で打たれ、白番の結城が2目半勝ちし、2連勝で初タイトルにあと1勝に迫った。

<結城聡九段の話>
 最初はまずい展開でしたが、中盤から黒の形が悪くなったので勝負形になりました。終盤にもミスをしてしまい、最後まで勝ちが分からなかったです。

<山下敬吾天元の話>
 中央を攻められたのは誤算でした。終盤は少し得をしましたが、足りなかったようです。
     (西日本新聞より抜粋)

「結城 連勝、劣勢耐えて大反撃」、「山下 危うしカド番に」
     (週刊碁、見出しより)

    ◇   ◇   ◇

結城挑戦者が3連勝で新天元、七大タイトル挑戦6回目での奪取、感無量でしょうね。
坂井碁聖が、タイトルを奪取した影響もあったと思います。
これで関西棋院は碁聖・天元の二冠を保持、西風の勢いはしばらく続くでしょうか。

天元位を失った山下本因坊、3連敗は意外でした。戦前の対戦成績も山下本因坊が圧倒していたのに、勝負の流れは微妙ですね。

今年のタイトル戦はストレート勝負が多かったようです。最終局までもつれる対戦を期待する囲碁ファン、主催者にとってはやや残念な一年でした。

    ◇   ◇   ◇

第2局の対局地は愛知県清須市の「清洲城・芸能文化館」。
清須市は織田信長の居城、信長亡きあとの後継者を決める「清州会議」など、歴史小説でたびたび目にしていました。
市名は「清須市」ですが、城は「清洲城」と表記が混在して、ややこしいですね。
第2局の立会は二十四世本因坊秀芳(石田)。この清須市(旧新川町)の出身だそうです。

    ◇   ◇   ◇

第3局の対局地は佐賀県唐津市の「唐津ロイヤルホテル」。
15年ほど前、家族での九州旅行。唐津市の「呼子」というところに訪れ、新鮮なイカを満喫しました。食に関してはあまりうるさくないのですが、家族が喜色満面で食べていた思い出は忘れませんね。
また映画「フーテンの寅さん」で唐津が舞台になったのを見たことがあります。町の風景と寅さんが、違和感なく溶け込んでいるようでした。

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こども囲碁教室(2010/11/20)

2010-11-20 20:39:10 | 囲碁

午前中は囲碁教室「伊勢崎こども囲碁アカデミー」の指導スタッフです。
今日は私の担当するCクラスに新しい生徒が1名増え、15名となりました。
一人で指導するのは大変ですが、保護者の方々に「対局の組み合わせ」や「宿題の採点」などを手伝っていただき、何とか維持できている状況です。

子供たちへの囲碁普及は「保護者の協力・理解」が重要なポイントだと思っています。

     ◇  ◇

新加入の生徒は女子でCクラス15名中、4名が女子となりました。
男子(小学校低学年)の場合、イタズラしたり、騒いだりと注意するのに疲れてしまいます。
その点、女子は物わかりもよく、男子に比べると楽な部分もあります。
ただ飛躍的に伸びるのは男子の方が多いようです。(一部のヤル気のある生徒ですが・・・)

あと女子の加入によって、いい影響もあります。
男子は女子の前では「イイカッコしたい」、という気持ちがありますからね。

いずれにしても生徒一人一人が意欲をもって、囲碁に向き合うような雰囲気作りを心掛けてたいと思っています。

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「上毛かるた」で見つける群馬のすがた

2010-11-18 20:36:56 | 本と雑誌

Jomo_karuta ◆書籍紹介
 ・書籍名:「上毛かるた」で見つける群馬のすがた
 ・発行:群馬県
 ・発行年月:2010年3月
◆内容紹介
群馬県民の記憶に深く刻まれた「上毛かるた」を活用し、一札一札に込められた事象をもう一度検証することで、郷土のすばらしさを見つめ直し、ふるさとぐんまへの誇りと愛着を醸成するため、「上毛かるた」に取り上げられている事象を解説した冊子
『「上毛かるた」で見つける群馬のすがた ~知れば、もっとぐんまが好きになる!~』を作成しました。

    ◇  ◇

地方紙「上毛新聞」の書籍ベストセラーに本書が載っており、購入してみました。
群馬県には「上毛かるた」というのがあります。これは県内の名所・旧跡、産業、歴史、偉人などを題材にしたカルタで、県内の子供達はみんな知っています。
戦後、間もない時代に作られたそうで、毎年、各市町村では子供たちの「カルタ大会」でにぎわっています。

私は20代後半から群馬県に移り住み、もう30数年になります。県内で育った妻や娘たちは当然、暗記していますが、私は部分的しか知りません。
ただ、暗記はしていても、すべての内容を理解している人は少ないように思われます。

特に群馬県に関わりのある偉人では??と思う人物もいます。
田山花袋、新島襄、新田義貞、内村鑑三は耳にしたことはありますが、船津傳次平、塩原太助、関孝和、茂左衛門(杉木)などを知っている人は少ないでしょう。

県の文化振興関係の方は、こうした歴史に埋もれた人物をもっとPRするか、時代に合わせて内容を変えるなどの方策が必要と思いますが・・・。

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第58期王座戦第3局/張王座が3連勝で3連覇達成

2010-11-16 21:12:03 | プロ棋戦

 11月11日、静岡県伊豆の国市で行われていた第58期囲碁王座戦五番勝負第3局は、先番の張栩王座が山田規三生九段に中押し勝ちし、3連勝で王座3連覇を達成した。これにより棋聖、十段と合わせて三冠を堅持した。
    (日経e-碁サロンより抜粋)


「張栩V3、山田を『三振』に仕留める、『ヨセの張』面目躍如」、「山田、遠かった初白星」

<張栩王座の話>
 いい結果を残すことができて、ホッとしています。三局とも難しい碁で、内容的には反省点が多かった。後半の勝負の場面で集中でき、粘りを見せることができた。3時間の碁は好きな方なので、王座戦とは相性が良いようです。

<山田九段の話>
 三局とも終盤がひどかった。後半がぼろぼろでした。
    (週刊碁より抜粋)

      ◇   ◇   ◇

張栩王座が3連勝で防衛。週刊碁には張王座の棋風が「足早に逃げ切る碁」から、「手厚く寄り切る碁」に変化しているとありました。3時間の碁では相変わらず強さを発揮しています。

3タテを食らった山田九段。後半崩れるケースが多かったようで、時間配分も課題のようです。本シリーズでは昨年から張王座に6連敗、相性もあるのでしょうか。

      ◇   ◇   ◇

今回の対局地は静岡県伊豆の国市の伊豆長岡温泉「三養荘」。
「伊豆の国市(いずのくにし)」は静岡県東部、伊豆半島の付け根にある市で2005年(平成17年)4月1日 、伊豆長岡町、大仁町、韮山町が合併して誕生したそうですが、まだイメージがわきませんね。

伊豆半島には似たような名称の「伊豆市(いずし)」があります。こちらは静岡県の伊豆半島中部にある市で、2004年に修善寺町・土肥町・天城湯ヶ島町・中伊豆町が合併してできたそうです。

平成の大合併で市町村名が大きく変わり、戸惑うことも多いですね。
これから10年、20年と時が経てば定着していくでしょうが、由緒ある名称も消えていくところもあるようで、残念な思いもあります。

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日中囲碁団体戦2011/風鈴会

2010-11-15 21:03:00 | 囲碁

Wind_1_3 昨日(11/14)は「第27回日中友好囲碁大会/団体戦」が日本棋院で開催され、「風鈴会」チームの一員として参加してきました。
この大会への参加は4回目の出場となりますが、今年も600人を超える一大イベントでした。

私のチーム(5人)は有段者Bクラス(ハンディ戦)で3勝1敗、22チーム中4位と健闘しました。
私個人の成績も3勝1敗(○○●○)と善戦し、今回は責任を果たしたと思っています。

◎1回戦:相手は「緑星さいたま」チームで小学3年生と云ってました。子どもは着手が速いので、ペース乱さず打つことに心がけ、相手のミスをとらえました。
◎2回戦:終盤まで形勢不明でしたが、最後に相手の見損じで辛勝。
◎3回戦:序盤で苦しい展開となり、押し切られました。明らかに実力差があったようです。
◎4回戦:序盤のミスで敗勢でしたが、後半で少しづつポイントをあげ逆転でした。

全体的に致命的なミスにならないよう、粘り強く戦ったのが好結果につながったと思います。

   ◇   ◇   ◇

団体戦終了後は近くのレストランで恒例の打ち上げです。
大会を振り返ってのスピーチでは、N川さんの名前が頻繁に出てきました。成績が良くても悪くても話題に上るメタボ氏、誰からも愛されるキャラなんですね。

余興も年々パワーアップし、素人芸の域を超えるレベルとなっています。
ただその分、準備に時間がかかって、流れが停滞する点がイマイチでしょうか。

この風鈴会は地域、勤務先など様々なところから、メンバーが集まってきます。そのため定例会で対局しても、碁以外の会話はあまりありません。
ただ定例会後の懇親会、大会後の打ち上げなどは欠かさず行われ、そこでの交流がこの会の密度を濃くしているようです。

年代、棋力、職業、地域などいろいろなメンバーですが、垣根を越えたコミュニティが魅力だと思っています。

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第4回県少年少女秋季囲碁大会/2010

2010-11-13 21:57:34 | 囲碁

2010ssyounen1 今日は群馬県の「第4回少年少女秋季囲碁大会」が前橋市の市総合福祉会館で開催されました。

参加者は52名、春の大会が69名でしたのでやや減少しています。

◎各ブロック優勝者
 ▽Aブロック 藤本喬也
 ▽Bブロック 沢幡元輝
 ▽Cブロック 小鮒すみれ
 ▽Dブロック 坂上雅哉

それにしても子供たちの対局は速い。一局当たり平均すれば15~20分程度の感覚でした。
相手が速いと、それに合わせて自分も速くなってしまうのですね。
慎重に考えて打つ習慣づけも、指導上の課題だと思っています。

   ◇  ◇

参加者の出身市町村は伊勢崎市(37名)、前橋市(9名)、その他(6名)で、伊勢崎市が7割以上を占めています。

人口トップの高崎市は「囲碁振興会」という組織があり、成人の囲碁活動では県内随一だと思いますが、子供への普及活動はこれからというところでしょう。

◎群馬県市町村別人口(平成22年3月1日現在)
 ▽1位:高崎市(36.9万人)
 ▽2位:前橋市(33.8万人)、
 ▽3位:桐生市(21.4万人)
 ▽4位:伊勢崎市(20.4万人)

今後は市町村にとどまらず、県内の横断的な囲碁普及組織が必要だと思っています。

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