※加藤正夫精局集「怒涛の譜」より譜の内容、コメントを順次記載していきます。
■第23期本因坊戦二次予選/S42(1967)/04/27
■黒 加藤正夫 四段 : 白 宮下秀洋 九段 (4目半コミ出し)
■結果:黒番:加藤、207手完 中押し勝ち
■前年から始まった一次予選四局を勝ち上がり、高段陣が加わる二次予選に進んで最初に顔を合わせたのが宮下九段。ここから加藤の実質的な快進撃がスタートする。
■新聞解説
・大先輩も大家もなんのその、ものおじせずパンチの雨を降らせるのがいかにも若手らしい。宮下の顔にようやく苦渋の色が浮かんだ。
・加藤のカラミ攻めは宮下を確実にとらえようとしている。
・黒の一方的な取りかけで白の大石を屠った。
・猛牛といわれた宮下に圧勝した、加藤会心の一局である。
■コメント
・宮下九段:1962年(第10期)王座戦優勝、早碁棋戦優勝3、1976年8月没。享年62歳
・雑誌などで「福島の猛牛」と呼ばれていた記憶があります。
・ベテランの「猛牛」を新鋭の「殺し屋」が一歩も引けをとらず快勝した一局のようでした。