天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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怒涛の譜(第7局)快進撃のスタート

2006-04-30 21:37:25 | 囲碁

※加藤正夫精局集「怒涛の譜」より譜の内容、コメントを順次記載していきます。

■第23期本因坊戦二次予選/S42(1967)/04/27
■黒 加藤正夫 四段 : 白 宮下秀洋 九段 (4目半コミ出し)
■結果:黒番:加藤、207手完 中押し勝ち
■前年から始まった一次予選四局を勝ち上がり、高段陣が加わる二次予選に進んで最初に顔を合わせたのが宮下九段。ここから加藤の実質的な快進撃がスタートする。
■新聞解説
・大先輩も大家もなんのその、ものおじせずパンチの雨を降らせるのがいかにも若手らしい。宮下の顔にようやく苦渋の色が浮かんだ。
・加藤のカラミ攻めは宮下を確実にとらえようとしている。
・黒の一方的な取りかけで白の大石を屠った。
・猛牛といわれた宮下に圧勝した、加藤会心の一局である。
■コメント
・宮下九段:1962年(第10期)王座戦優勝、早碁棋戦優勝3、1976年8月没。享年62歳
・雑誌などで「福島の猛牛」と呼ばれていた記憶があります。
・ベテランの「猛牛」を新鋭の「殺し屋」が一歩も引けをとらず快勝した一局のようでした。

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アマの負ける手・負けない手

2006-04-28 19:42:00 | 本と雑誌

Hiramoto ◆書籍紹介
こだわり講座〈1〉
「アマの負ける手・負けない手 黒番編」
平本 弥星 (著)

「危ないのがお好き?」
 碁は相手がいるから楽しい。相手がどう打つかわからないから面白い。そう、碁の面白さは不確実性にあると言ってもよいでしょう。
 ですから、負けても面白ければよいという方はどんどん危ない手を試してください。しかし、やはり勝ったほうが楽しいという方は、危険の多い打ち方をしないほうがよいと思います。

       (本書の序章より抜粋)

    ◇   ◇   ◇

「碁はリスクマネジメント」と本書では解説しています。
碁に勝つのは、相手に助けられとのこと。碁に負けるのは相手を助ける手を打つからだそうです。

「危険なな手」と「妙手」は紙一重のような気がします。
一方的に有利になるような手はそんなに無いのでしょうね。あるとしたら、それは相手に助けられたときと考えるべきでしょう。

でも安全第一の手ばかりでは、勝負として面白味がないのも事実です。
「確実で安全な手」と「不確実な勝負手」の選択。これはメンタルな部分の問題ですが、悩み尽きないですね。

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将棋・瀬川四段がNECと契約

2006-04-26 18:00:03 | 日記・エッセイ・コラム

 61年ぶりに昨年行われた将棋のプロ編入試験に合格した瀬川晶司四段(36)が、4月1日付でNECと所属契約を結んだと、日本将棋連盟が14日発表した。NECの広告に出演したり、イベントの際の衣服にNECのロゴマークを入れたりする。
 同連盟によると、将棋のプロ棋士が企業と所属契約を結ぶのは初めて。NECは、プロゴルファーの福嶋晃子さん、プロテニスプレーヤーの浅越しのぶさんとも同様の契約を交わしている。

                   (4/15 朝日将棋Webより抜粋)

     ◇   ◇   ◇

最近、将棋界は瀬川さんの話題で溢れています。マスコミに登場したり、何冊かの書籍が出版されたりと多忙のようです。

そして今回は企業との所属契約、もともとNEC関連会社に勤めていたそうですが囲碁・将棋の世界では初めてで驚きました。でもいいアイディアだと思いますね。

今後、できれば囲碁棋士も企業と契約して存在をアピールしてほしいですね。梅沢プロをはじめ若手女流棋士は企業のイメージアップ戦略に貢献できると思います。

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次の一手選手権(風鈴会)

2006-04-23 18:31:36 | 風鈴会

Img_2245 昨日(4/22)は定例の「風鈴会」の日、今回は「次の一手選手権」です。
これは「次の一手」6問を解答し、その得点を競うもので優勝は努力家のアンドリューさん。
私は2位で鈴木七段の扇子をいただきました。そのうち「お宝」として価値が上がると期待しています。

    ◇   ◇

以前(30~40代)の頃は囲碁雑誌や「週刊碁」の認定問題に取り組み、解答を提出して得点の上下に一喜一憂していたのですが、最近はすっかり遠ざかってしまいました。
今回の賞品(扇子)に「志立」と書いてありますが、その気持を忘れないようにしたいと思います。

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日本棋院:県支部連合会総会2006

2006-04-21 15:34:55 | 囲碁群馬

先日、恒例の「総会」が開催され出席してきました。

議事は例年と大差なく、役員・スタッフも大きな変化はありません。
新規の企画など腹案はあっても、実行できるパワー(資金・人材等)がないのが実状です。

県内には日本棋院支部のほかに碁会所・市町村・職域・学校などいろいろな囲碁団体がありますが、連携が十分とはいえません。各団体が有機的につながればもっと活性化すると思うのですが、難題です。

日本棋院は加藤正夫理事長のもと、思い切った改革を断行し成果をあげたようですが、
その改革のエネルギーは大変なものだったと思われます。

一地方の囲碁ボランティア団体では限られたことしかできませんが、地道に草の根運動を展開し、囲碁ファンを拡げたいと考えています。

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世界選手権富士通杯/ベスト8、日本勢は結城一人

2006-04-20 16:32:38 | プロ棋戦

世界選手権・富士通杯の1、2回戦が東京・日本棋院(4/8、10)で行われた。
ベスト8に進出したのは韓国5名、中国2名、日本1名。日本勢でただ一人生き残ったのは関西の結城聡九段。
結城が単騎赴く準々決勝は、6月3日に中国の北京で行われる。

         (「週間碁」より抜粋)

    ◇  ◇  ◇

やはり韓国勢は強いですね。選手層も厚いし日本の苦戦は続きそうです。
囲碁に対する国民の関心度を考えれば、この結果もやむおえない感じもしますが、あきらめずに応援していきたいと思っています。
日本のスポンサーも苦しい心境でしょうが、広い心で続けてほしいですね。

    ◇  ◇  ◇

囲碁の国際戦では日中韓がしのぎを削って戦っています。(日本がやや劣勢気味ですが・・・)
一方、日中韓の外交問題では挑発的な言動がニュースを賑わしています。

過去の歴史の負い目を引きずっての交渉は苦しいところでしょうが、信義を尽くして理解を深めてほしいと思います。

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本因坊戦/挑戦者に山田規三生九段

2006-04-18 17:32:57 | プロ棋戦

 高尾紳路本因坊(29)への挑戦者に山田規三生九段(33)が決まった。本因坊戦リーグのプレーオフ、山田と依田紀基碁聖(40)の対局が4月13日、日本棋院会館で行われ、山田が先番半目勝ちし、初挑戦を決めた。
七番勝負第1局は5月8、9日、札幌市中央区のホテルオークラ札幌で行われる。
 山田は開幕から2連勝したがその後2敗を喫した。しかし、リーグ最終局、プレーオフ1回戦で羽根直樹九段を連破して挑戦権へあと一歩とこぎつけ、ついに挑戦者となった。
 高尾とは大舞台で初の対決になり、熱戦が期待される。

          (毎日新聞 4/13より抜粋)

         ◇  ◇  ◇  ◇

山田九段、後半の快進撃は驚異的でしたね。プレーオフでも羽根九段、依田碁聖を連破し、挑戦者に名乗りをあげました。

山田九段は平成9年に王座のタイトルを取りました(一期のみ)。毎年、そこそこの成績を残しているのですが、タイトル奪取まではいかなかったようです。
本因坊戦では年下の高尾本因坊との対決となりますが、熱戦を期待しましょう。

         ◇  ◇  ◇  ◇

山田九段は数年前、日本棋院の月刊誌「碁ワールド」で「道頓堀(とんぼり)交遊録」という文章を載せていました。
関西の若手棋士との交遊録ですが、棋士の特徴・個性を面白く、鋭く観察していました。

碁の対局では相手の心理を探ることも一つの要素であり、その意味で人を見る観察眼も鍛えられているのかもしれませんね。

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十段戦第4局 /趙治勲、十段位を防衛

2006-04-16 22:57:31 | プロ棋戦

 趙治勲十段に山下敬吾棋聖が挑戦していた十段戦五番勝負の第四局が4月13日に松山市の道後温泉で行われ、黒番の趙が2目半勝ちし、三勝一敗で十段位防衛を果たした。連覇の趙は、同時に自身の持つタイトル獲得最多記録を69に更新した。

<趙十段の話>
 開幕前、全然勝てる気がしなかったけど、一、二局で思い切り打って二回勝ったから、もしかして、と思い三局目は硬くなった。これで少し元気が出てきたかな。

                (産経囲碁Webより抜粋)

         ◇  ◇  ◇  ◇

趙治勲十段、対戦成績では負け越していた山下棋聖を妥協を許さない技で倒し、防衛を果たしました。
趙十段といえば鬼神のような打ちぶりで恐れられていましたが、最近は柔らかい雰囲気になってきました。年輪を重ね円熟味が出てきたようです。

一方の山下棋聖、王座戦、天元戦、棋聖戦、そして今回の十段戦と4連続のタイトル戦ということで疲れもあったのでしょうか、残念な結果となりました。

         ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は愛媛県松山市の道後温泉。
友人が愛媛県西条市に単身赴任しており、在任中に一度訪れたいと思っています。
気候も温暖で住みやすそうな所のようです。

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NHK杯囲碁トーメント(4月9日)

2006-04-14 15:30:09 | プロ棋戦

NHK杯の放送は録画しておき、後でゆっくり見るようにしています。
今回の放送(石田芳夫九段 VS 中野泰宏九段)、石田九段が不利の形勢で最後の小ヨセの局面で事件が起きました。

中野九段が自らアタリの場所に石を置いたのです。一瞬、周囲は固まった状態となり、石田九段が申し訳なさそうに相手の石を取り上げゲームセットとなりました。
石田九段も後味が悪い思いをしたことでしょう。中野九段(関西棋院)は頭を抱えていましたが、こういう事ってあるんですね。

私もネットの碁でこういうケース(相手が自滅の手)に遭遇したことがあります。一瞬、取っていいのか迷いますがネットだと確認もできないのでそのまま取り上げます。

ネットではなく実際に相手を前にした対局でしたら、「取りますよ」といって相手の対応を待つでしょう。逆の立場だったらどうでしょうか。できれば潔く「取ってください」といいたいものです。

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十段戦第3局 /山下棋聖勝ち1勝2敗

2006-04-12 23:45:39 | プロ棋戦

 趙治勲十段に山下敬吾棋聖が挑戦している十段戦五番勝負の第3局は、趙2勝のあとを受けて4月5日に長野県大町市で打たれ、黒番の山下が8目半勝ち、対戦成績を1勝2敗とし、趙の防衛に待ったをかけた。第4局は13日、愛媛県松山市の道後温泉「宝荘ホテル」で行われる。

 13年連続開催となった大町決戦。序盤は黒が模様を張り、白は地を先行する展開。終盤、両者とも秒読みとなり、1手打つごとに情勢は揺れ動いた。1度は白優勢となったが、山下の勝負手で、最後は大差勝ちとなった。

<趙十段の話> いい勝負になったと思ったときからひどかった。
<山下棋聖の話> 全然うまく攻めることができなくて…いや、もうだめでしたね。

                (産経囲碁Webより抜粋)

         ◇  ◇  ◇  ◇

黒番の山下棋聖が厚みを背景にした攻勢で中盤までは優勢だったが、趙十段は決め手を与えず長期戦の様相に。終盤、山下の勝負手に時間に追われたか趙に疑問手が出て終局。

1、2局は趙十段の打ち回しが冴えて2連勝。本局は揺れ動く形勢の中、山下棋聖が勝利をもぎ取りました。
今後の予想、山下棋聖は連勝でタイトルを奪取するパターンなので趙十段優勢と見ますが・・・

         ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は長野県大町市の「くろよんロイヤルホテル」。13年連続開催とのことですが主催者や地元の囲碁関係者も恒例行事としてとらえているのでしょうね。

今年は大雪で北アルプス周辺も残雪が多いことでしょう。数日前、登山や山スキーの人が遭難したニュースを聞きましたがその7割は中高年だそうです。準備不足と自然を軽視した結果だと思います。

私も20代の頃、南アルプスの春山登山で沢に転げ落ち、九死に一生を得た記憶があります。疲労が重なっていたことと春山を甘くみていたのが問題だったと思います。

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