天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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アマ本因坊戦群馬県大会/2009本戦

2009-06-30 14:37:41 | アマ棋戦

Ama_honinbo2009_2  第55回全日本アマチュア本因坊決定戦」の県大会は6月28日、予選を勝ち抜いた8人による決勝トーナメントが行われ、桐生市の奈良昌利さん(57)が6年ぶり3度目の優勝を果たした。奈良さんは8月28日から日本棋院会館(東京・市ケ谷)で開かれる全国大会に出場する。
 決勝は奈良さんと、昨年優勝した太田市の石井成幸さん(70)。2人は昨年も決勝で顔を合わせており、終始息詰まる熱戦となったが、奈良さんが石井さんを投了に追い込んだ。
 対局後、奈良さんは「序盤から勝負がきっ抗し、苦しい碁となったが、70分という長丁場をうまく乗り切れた」とほっとした表情を見せた。全国大会に向けては「全国の強豪と対局するのが楽しみ。気負わずにいきたい」と話した。

             (毎日新聞地方版より抜粋)

      ◇   ◇   ◇

県代表となった奈良さんは先月行なわれたアマ名人戦県大会でも優勝しており、群馬県の名人・本因坊二冠となりました。
県内の主な大会は、しばらく奈良さんを中心に展開しそうですね。全国大会での健闘を期待しましょう。

先週の予選を勝ち抜いた高校生の笹口和秀さんは、決勝トーナメント緒戦で準優勝の石井さんに敗退でした。
本大会に出場した4名の高校生・中学生、ベスト8が最高でしたが、今後も県内囲碁界に新風を送り込んでほしいと思います。

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悲運の棋士、赤星因徹を並べてみよう/風鈴会

2009-06-28 22:11:14 | 囲碁

Wind_1_3 昨日(6/27)は定例の「風鈴会」の日。
講座の内容は「悲運の棋士、赤星因徹を並べてみよう」ということで、江戸後期の「本因坊丈和 VS 赤星因徹」戦の解説でした。
本局は囲碁史の中でも「吐血の局」として有名な一局で、講談の演目としてもいいほどドラマチックな展開となっています。

鈴木プロの解説は棋譜の説明と共に、この時代の囲碁史の背景や対局者の立場・心理状況など、面白く聞かせてもらいました。
ただ囲碁史に興味ある人にとっては面白いのですが、そうでないない方はどうでしょうか。

私も今までそれほど囲碁史に関心があったわけではありません。それでも風鈴会で名局解説などを聞き、囲碁史の探求も面白そうだと思っているところです。

   ◇   ◇   ◇

講座のあとの一般対局は○○●●の2勝2敗でした。
○1局目は最近実力を上げているO・大さん、当方の白3子局。相手の無理気味な打ち込みを咎めて白星でした。
○2局目は5歳の娘さんを連れて参加のKN子さん、当方の白3子局。コウを粘っての辛勝でしたが、娘さんに申し訳ない気がして・・・。
●3局目は同年齢の強豪TK田さん、当方の黒番3子局。相手の早い着手に合わせのが間違い、ヨミ負けでした。
●4局目は「薩摩おごじょ」のOK田さん、互先の黒番。女流武闘派にムキになって戦ったのが短慮、足りませんでした。

例会の後は常連が集まっての懇親会。
囲碁の集まりと云うと、ひたすら対局というパターンが多いものですが、盤外の話題を年代・職業・棋力などに関係なく、和気あいあいと話せる機会は以外と少ないものです。
その意味では、愉快な囲碁仲間と談笑できるのは楽しいものですね。

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悲運の棋士、赤星因徹(2)

2009-06-26 16:02:38 | 囲碁

赤星因徹ネタをもう少し。
「吐血の局」は本因坊丈和のTKOで圧勝となりますが、囲碁史では敗者の因徹に同情する傾向があります。

一つは日本人特有の「判官びいき」の気質でしょうか。井門、師・幻庵因碩のため、病を押して命がけで戦う姿に熱い思いを寄せるのでしょうね。

あと、本因坊丈和に対しての評価でしょうか。丈和の碁は「強力無双」と呼ばれる激しい碁で、その強さは誰もが認めるところです。
ただ「名人・碁所」就位に関する策謀などダーティーな一面が、マイナスに作用しているように思われます。

「吐血の局」は「赤星因徹・敗者の激闘譜」でしょうか。

敗者(歯医者) → 歯医者といえば、赤星因徹から5代目となる子孫で熊本県菊池市(因徹の出身地)で、歯科医をしている方がいるそうです。

     ◇  ◇  ◇

囲碁の棋力アップに「古碁」を並べるとよいと云われ、プロ棋士も修行時代は必ず「古碁」で勉強したと云います。
なぜ現代の碁ではなく、古碁なのか・・・?

確かに一局にかけるエネルギーは現代に比べ桁違いでしょうが、技法の進化を考えると悩ましい問題だと思います。
まあザル碁党にとっては悩むレベルではありません。悩むより実行ですね。

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悲運の棋士、赤星因徹

2009-06-24 20:56:34 | 囲碁

風鈴会の講座で赤星因徹の棋譜解説をリクエストした手前、事前に「吐血の局/本因坊丈和 VS 赤星因徹」を検討してみました。

序盤は黒の因徹が井門の秘手と言われた大斜定石の新手を繰り出して優勢に進めますが、中盤より「丈和の三妙手」などで挽回、後半は強腕・丈和が黒を追い詰めて、因徹、無念の投了となります。

因徹はこの局を投了と同時に血を吐いて倒れ(肺結核)、一ヵ月後、26歳で悲運の棋士は他界することになります。

ザル碁党員として、棋譜の内容については理解が及びませんが、一局に賭ける命がけの雰囲気が伝わってくるようです。
敗色が濃くなった後半、追い詰められた因徹の苦悩は想像を絶するものがあったと思われます。

悲運の棋士、代表格といえば碁聖・秀策でしょうか。抜群の才能と実績を残しながら34歳の若さで病死。
日本の囲碁ファンにとって、もっとも支持される「悲劇のヒーロー」と云えるでしょう。

★吐血の局、棋譜はこちら

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アマ本因坊戦群馬県大会/2009予選

2009-06-23 20:19:08 | アマ棋戦

Ama_honinbo2009_1  囲碁のアマチュア日本一を競う「55回全日本アマチュア本因坊決定戦」の県大会が5月21日、前橋市文京町2の県生涯学習センターで行われた。県内各地から14~80歳の52人が参加し、28日に行われる決勝トーナメント進出を懸けて熱戦を繰り広げた。
 この日は8ブロックに分かれて予選1~3回戦を行い、決勝トーナメントに進出する8人を決めた。

             (毎日新聞地方版より抜粋)

      ◇   ◇   ◇

本大会に高校生3名、中学生1名が出場し、高校生の笹口和秀さんが3回戦を突破しベスト8に、来週の決勝トーナメントに進出しました。
中学生の小沢弘季さんは1回戦を勝ちましたが、2回戦で惜しくも敗退となりました。

過去、県内の中学や高校で全国大会に出場した実力者は結構いると思いますが、アマ本因坊戦やアマ名人戦、女流代表戦などの県大会には、ほとんど登場してきません。
囲碁から離れてしまったか、首都圏など地元以外の大学や企業に出て行ってしまのか、残念なことです。
囲碁愛好者の県内への「Uターン」を期待しています。

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第64期本因坊戦第4局/羽根、初防衛へあと1勝

2009-06-22 18:20:46 | プロ棋士

 三重県鳥羽市で6月18日から行われた第64期本因坊決定戦七番勝負の第4局は羽根直樹本因坊が挑戦者の高尾紳路九段に黒番6目半勝ちし、対戦成績を3勝1敗とした。第5局は29、30日、山形県米沢市の中屋別館不動閣で行われる。

 羽根が終盤で高尾を抜き去り、今期初めて黒番で勝利。初防衛まで、あと1勝とした。

<羽根本因坊の話>
 一時は負けにしたと思いましたが、黒115(12十五)で地合いではやれるかと。黒163(12四、ワリ込み)からよくなりました。でも、中盤の乱れが反省材料です。

<高尾九段の話>
 白84(6十一)となって、少しいいかと。でも、黒163と打たれ、足りないことに気づきました。一生懸命打ちましたが、どうして大差になったのでしょう。

            (毎日新聞より抜粋)

       ◇   ◇   ◇

週刊碁の1面見出しは「羽根3勝」、「終盤で逆転 高尾カド番に」。
2面では「高尾、形勢を楽観!?」、「羽根、際立つ精神力」。

新聞解説の中尾準吾八段は「じっと相手に付いていき、終盤で逆転する。羽根本因坊が得意としている勝ちパターンですね」。

羽根本因坊が地元の三重県で充実の3勝目をあげ、防衛まであと1つと前進しました。
敗れた高尾挑戦者、持ち前の重厚さがブレてきたのでしょうか。カド番で意地を見せてほしいところです。

本局もじっくりした進行で、派手な立ち回りもあまり見られませんでした。
囲碁ファンの中には地味な進行に、もの足りなさを感じる人もいるでしょうね。
でも、これが日本らしい碁の味とも云えそうですが・・・。

       ◇   ◇   ◇

今回、対局場地は三重県鳥羽市の「戸田家」。
過去に何度もタイトル戦が行なわれ、古くは昭和29年の第9期本因坊戦、「高川秀格-杉内雅男七段」戦が行なわれたとのこと。
今回使用された碁盤は当時のもので、「本因坊秀格」の署名があるそうです。
杉内雅男七段(現九段)は現在も現役棋士として活躍していますが、息の長さとともに歴史を感じさせる棋士ですね。

「鳥羽」の思い出としては小学校の修学旅行があります。もう半世紀も前のことですから、かすかな記憶しか残っていませんが・・・。
国鉄参宮線の列車がSLだったこと、伊勢の旅館で枕投げをしたこと、日和山から見た鳥羽の海岸線に目を奪われたこと等々。
セピア色の少年時代が浮かんできます。

◎本ブログ関連記事
★第64期本因坊戦第3局/羽根が着実に2勝目
★第64期本因坊戦第2局/高尾九段が勝利し1勝1敗に
★第64期本因坊戦第1局/羽根本因坊が逆転勝ち

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第57回NHK杯/加藤女流最強位、力負け

2009-06-19 15:44:18 | テレビ番組

今期NHK杯の1回戦第10局(6/7放送)は、加藤啓子・女流最強位(先番)と安斎伸彰・六段の対戦。
序盤から黒の模様、白の地合い先行というパターンで進行。中盤より黒模様がどの程度まとまるかがポイントでしたが、安斎六段が巧みに黒模様を破って勝利を決めました。
週刊碁の見出しは「安斎、華麗に中央突破」、「加藤、徹底抗戦も力負け」でした。

安斎六段は埼玉県出身、宋光復九段門下の23歳の新鋭。NHK杯は初登場、1回戦を突破し今後の活躍が期待されます。

一方の加藤さん、残念でした。NHK杯は2回目、昨年は後藤俊午九段に敗れており男性陣の壁は厚いようです。

解説は金秀俊八段でしたが、今までの棋士のイメージとは異質のキャラクターのように見えました。頭上が寂しく映りましたが、明るいムードメーカーとして若手を引っ張ってほしいと思います。

◎本ブログ関連記事
★2009-05-27「第57回NHK杯/鈴木歩四段、大きな一歩」
★2009-04-15「第57回NHK杯/謝女流二冠、1回戦突破」

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第22回富士通杯/山下、河野とも準々決勝で敗れる

2009-06-18 16:48:58 | プロ棋戦

日本勢で山下敬吾九段と河野臨九段が勝ち残っていた、第22回世界選手権富士通杯は準々決勝が6月6日に韓国ソウルで行われ、山下は韓国の李昌鎬九段に、河野は同じく韓国の朴永訓九段に敗れ、ベスト4進出はならなかった。
7月4日(土)には準決勝が、7月6日(月)には決勝戦と3位決定戦が東京・市ヶ谷の日本棋院会館で行われる。 

■準決勝組み合わせ(7月4日対局)
・常 昊 九段(中) vs 李昌鎬 九段(韓)
・朴永訓 九段(韓) vs 姜東潤 九段(韓)

   (日本棋院HPより抜粋)

  ◇  ◇  ◇

週刊碁の最終面・見出しは「日本沈没」。「山下、肉薄も李昌鎬の軍門に」、「河野、得意の形に持ち込めず」。「勝利の女神はいずこ・・・」。 

山下九段(黒)は序盤で白の一団を召し取り順調な立ち上がりでしたが、乱戦の雄・李九段の強靭な粘りと巧みなヨセにに屈した格好となりました。
これで山下九段は対李戦で6連敗、相性が悪いようですね。 

河野九段(白)は中盤からヨセ勝負の様相でしたが、小競り合いで朴九段に一日の長があったようです。

昨年の本棋戦はベスト8に依田九段が一人進出しましたが、準々決勝で李昌鎬九段に敗れてベスト4ならずでした。
準決勝、決勝は日本棋院で行なわれますが、主催国の選手がいないのは寂しいですね。 

  ◇  ◇  ◇

「日本沈没、勝利の女神はいずこ・・・」、最近は国際棋戦のニュースを見るのが、怖いですね。
状況としては日本勢の後退というより、中・韓の急躍進というべきでしょうか。
これも国民の支持率が反映した結果と云えそうです。 

「トヨタ&デンソー杯囲碁世界王座戦」が、スポンサーの業績悪化で休止というニュースもありました。
「文化・芸術」と「経済」、相互の補完関係は難問のようです。 

本ブログ関連記事
2009-04-22 「第22回富士通杯/山下・河野8強」

2008-06-18「第21回世界囲碁・富士通杯/依田敗れ日本勢消える」

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囲碁書籍/中盤の花形戦法

2009-06-17 20:05:11 | 囲碁

Hanagata_2 ◆書籍紹介
 ・書籍名:中盤の花形戦法
  運用、撃退マニュアル
 ・出版社:日本棋院   ・著者:加藤充志 八段
 ・発行年月 2009年5月

■内容紹介
 ・定石その後の打ち方を中心に、中盤戦の攻防でよく使われるテクニックを伝授。
花形戦法を会得して勝率アップ。武闘派アツシの一歩踏み込んだ解説に注目。

    ◇   ◇   ◇

本書は「週刊碁」平成19年5月14日号から20年7月21日号までに掲載された連載講座「筋力ジム」に加筆、修正を加えたものです。

週間碁や囲碁雑誌にはいろいろな上達講座が掲載されていますが、私的にはこの講座はかなり上位と評価していました。
単に知識や戦法の解説だけでなく、読者が題材に入り易いようなイントロが面白いと思いましたね。

本書を購入してから1ヶ月以上になりますが、消化したのは三分の一くらいでしょうか。
実際に盤に並べて内容を理解すれば、筋力はアップするのは確かだと思うのですが・・・、挫折中です。 

本ブログ関連記事
2007-10-19 「囲碁用語/小ビン」
2009-02-25 「第56回NHK杯/加藤充志八段、ベスト4へ」

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第64期本因坊戦第3局/羽根が着実に2勝目

2009-06-16 16:29:02 | プロ棋戦

 北海道函館市で6月10日から行われた第64期本因坊決定戦七番勝負の第3局は羽根直樹本因坊が挑戦者の高尾紳路九段に白番中押し勝ちし、対戦成績を2勝1敗とした。第4局は18、19の両日、三重県鳥羽市の戸田家で行われる。

 羽根が勝負を急がず、着実な手を積み重ねて快勝。初防衛に向けて一歩リードした。今期はこれで、3局とも白番が勝利を収めた。

<羽根本因坊の話>
 布石は失敗したかと。でも、中央で頑張りきって流れが変わり、白146(7六)でよくなったと感じました。

<高尾九段の話>
 布石は悪くないと思っていましたが、上辺の打ち方が全然わからなくて。後半はひどくなってしまいました。

            (毎日新聞より抜粋)

       ◇   ◇   ◇

週刊碁の1面タイトルは「大胆羽根流、高尾の追撃封じ2-1に」。
2・3面では「羽根 "最強のシノギ" 披露」、「高尾、攻勢貫けず後退」。

羽根本因坊が「攻めさせて地を稼ぐ」作戦で、勝利の道を切り開いた一局のようでした。
敗れた高尾挑戦者、本因坊の堅塁に厚味を生かせず、じれったさを感じたのかもしれません。

最近の碁のスタイルは接近戦が多い(特に国際棋戦)のですが、本局のような流れは日本的かと思います。
「勝つ」ことより「容易に負けないスタイル」、ザル碁党も参考になります。

       ◇   ◇   ◇

今回の対局地は北海道函館市のホテル函館ロイヤル。本局は、函館開港150周年、毎日新聞北海道発行50周年を記念しているとのことです。

今年、新初段となった帯広市出身(高校は函館)の下坂美織さんは大盤解説の聞き手として登場。解説の金秀俊八段とフレッシュなトークを披露し、地元のファンを喜ばせたようです。

函館には5年ほど前、家族で「北海道格安ツアー、道南(函館・小樽・札幌等)」に参加して来たことがあります。ベイエリア、朝市、函館山、五稜郭などを見て回りました。

Crab TVの旅番組で函館はよく登場しますが、イカ、カニなど魚介類の話題が必ず出てきますね。
私自身はあまり食べ物には関心が薄く、新鮮な海鮮料理といわれてもそれほどの感動はありません。
今まで食文化に無関心だったのと、舌が鈍感なのでしょうか?

日本人は経済の発展とともに食べ物もずいぶん贅沢になり、飽食の時代とも云われています。
美味しい食べ物を求めるのに異論はありませんが、食料自給率も考えないといけないでしょうね。

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