張栩十段に山下敬吾天元が挑戦する「第48期十段戦五番勝負」の第3局が4月8日、長野県大町市で行われ、張十段が黒番中押し勝ちし、対戦成績を3勝とし防衛を果たした。
張十段は4冠を守り、タイトル数を32とした。十段位は昨年に続き通算2期目。山下天元は初の十段位獲得はならなかった。
昨年末の天元戦、年明けの棋聖戦、そして十段戦と3カード連続して山下敬吾天元とタイトルを争ったことに「山下さんと対局すると、激しい戦いの碁になる。少しでも緩んだ手を打つと、すぐ難しい展開になる。粘り強く打てたのが、わずかの差で勝ちに結びついた」と振り返った。
(産経囲碁Webより抜粋)
「堅城4冠、張栩 3タテで山下撃退」、「山下 流れを掴めず、力尽きた」
(週刊碁見出しより)
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張十段、本局でも足早な展開で、山下挑戦者の剛腕を巧みにかわしての3連勝でした。
これで十段位を防衛し、4冠を維持しました。すごいことです。
一方の山下天元、厚みからの攻めが空回りで、逃げ切られたという印象です。張四冠とは相性がイマイチでしょうか。
山下天元は本因坊リーグで井山名人とのプレーオフを制し、挑戦者に名乗りをあげ、羽根本因坊との7番勝負が控えています。
タイトル戦の連続ですが、熱戦を期待しましょう。
昨年末から天元戦、棋聖戦、十段戦と3連続の同一カード。勝敗は張十段の9勝4敗と片寄りました。
ひとまず「山張対決」は小休止のようですが、これからも両者の激しいバトルは続くことでしょう。
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今回の対局地は長野県大町市の「くろよんロイヤルホテル」。
当地での十段戦は平成6年以来、毎年開催されて、今年で17回になるそうです。
「アルプス囲碁村」として市を挙げて各種の行事を開催しているようですが、すばらしいことだと思います。
昨年の11月に高校時代の友人4人で、大町周辺に旅行で訪れました。
昭和40年代の頃、登山で来た頃に比べると、町の活気は下降気味という印象でした。
実際に人口も市町村合併を加味しても減少しているようです。
それでも北アルプスの麓に位置する町の風景は一級品ですね。
特に鷹狩山から眺める新雪の北アルプスは、感動ものでした。
鷹狩山から五竜岳(2009/11月)