天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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第55回NHK杯/張栩、3度目の優勝

2008-03-30 21:36:06 | テレビ番組

 第55回NHK杯は3月23日に決勝戦の放映が行われ、張栩名人が趙治勲十段に黒番半目勝ちし49期、52期に続く3度目の優勝を決めた。

 張名人・碁聖は本田邦久九段、小林覚九段、井山裕太七段、坂井秀至七段を破って決勝進出。
趙十段は今井一宏六段、王銘エン九段、依田紀基九段、山下敬吾棋聖・王座を破ったが5度目の優勝はならなかった。

    (産経囲碁Webより抜粋)

   ◇  ◇  ◇

序盤から優位に打ち進めた張栩名人、終盤は危うい場面もありましたが何とか乗り切っての半目勝ちでした。早碁での正確性は抜群ですね。

一方の準優勝の趙治勲十段、奮闘むなしく残念な結果となりました。秒読みの中をボヤキながら、盤面に没頭する姿は勝負師の本領発揮というところでしょうか。

優勝・準優勝者の両者は5月に日中韓によるテレビアジア選手権に出場、こちらの方も意地を見せてほしいものです。

   ◇  ◇  ◇

解説は高尾本因坊、終盤で「張栩名人は目算をして形勢を確認しているが、趙治勲十段は目算をしていなくても形勢が分かる、すごいことです」と云っていました。
趙十段には長年培った、独特の臭覚のようなものが身についているのかもしれませんね。

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囲碁書籍/読みの地平線・最小限の読みで強くなる

2008-03-27 18:29:45 | 囲碁

4839917485 ◆書籍紹介
 ・書籍名:読みの地平線・最小限の読みで強くなる
 ・発行所:毎日コミュニケーションズ
 ・著者:王銘エン
 ・発売日:2005年11月25日
■内容紹介
読めないことが武器になる!
本書では自分の読みの地平線をどこに見定めるのか、また、地平線の外側にどんな世界を思い描けるのかを、読みよりも大事な「方針」「チェックポイント」などの概念をもとに考えて行く。 最小限読めれば、十分に強くなれることが実感できる一冊。

     ◇   ◇   ◇

先日、本を整理していたところこの本が出てきました。中身を見たところ最初の部分は記憶にありましたが、あとは覚えておりません。たぶん1年以上前に購入したものだと思います。

年齢を重ねるに従い「手を読む」のが億劫というか苦手になります。
そこで「最小限読めれば、十分に強くなれることが実感できる一冊」、この副題に惹かれて買ってしまたのでしょうね。

着手の判断として「読み切りが可能なケース」と「方針を決めるケース」を認識する必要があるということが書いてありました。
なるほどと思いましたが、「読み切りが可能なケース」で読めない場合はどうすればいいのでしょう。

「読み」の能力不足を「感性」などで補える部分はあるでしょうが、それも限界があるような気がします。
この本の考え方で、70点(初段)の能力から75点(二段)くらいに上げるのは可能かもしれませんが、80点、90点の域に達するには「読む能力の訓練」が必要だと思いますね。

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第32期棋聖戦第7局/山下棋聖3連覇、趙十段に4勝3敗

2008-03-25 13:25:24 | プロ棋戦

 第32期棋聖戦七番勝負、山下敬吾棋聖と挑戦者、趙治勲十段の最終第7局は3月19日から静岡県小山町で行われ、白番の山下棋聖が中押し勝ちし、通算4勝3敗で3連覇を果たした。
 「七番勝負の鬼」と呼ばれる挑戦者を迎え、まれに見る激戦となったシリーズを、気迫と深く正確な読みの力で制した。

                 (読売新聞より抜粋)
     ◇

<山下棋聖の話>
 とにかく運がよかった。3勝してからの1勝がとにかく難しい。
 趙先生と番碁を打てたことは財産であり、大変光栄なことです。
 もっと強くなって国際戦でも結果を残したい。

<趙十段の話>
 素晴らしい打ち手と七局打ててよかった。

<小林光一九段・談>
 趙さん、よく頑張りました。5局目、6局目でカド番をはね返して、最終局に持ち込んだのはさすがでした。最後までハラハラさせる内容で、中身が濃い。趙さんらしい魅せる碁でした。ほんとにドラマチックな人ですね。

 山下さんも、趙さんのエネルギーを正面から受け止めて、力を出し切りました。二人とも死力を尽くして頑張りました。お疲れさま。

                 (週刊碁より抜粋)

    ◇  ◇  ◇  ◇

1月12日の第1局から2ケ月半にわたる棋聖戦も山下棋聖の防衛で幕を閉じました。
山下棋聖、おめでとうございます。趙十段、お疲れさまでした。
本シリーズ、上記の小林光一九段のコメント通りドラマチックな展開でした。

昨年秋の名人戦七番勝負(張栩・高尾戦)も好勝負でしたが、それに匹敵する名勝負ではなかったでしょうか。趙十段の挑戦者登場で、世代間の対決も話題になりました。

ただ、この名勝負を一部の囲碁ファンだけで盛り上がっている日本の囲碁界が残念ですね。
そして、国際棋戦の不調との「ネジレ」はどうしたものでしょう。

    ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は静岡県小山町の「経団連ゲストハウス」。対局場所としては一般的ではありませんが、棋聖戦では毎年予定しているようです。
ただし対局予定が第6局か第7局のため、昨年、一昨年のように山下棋聖の4連勝で決着した場合は開催されないことになります。
このように予定していた対局が早期決着で流れた場合、開催施設の関係者はがっかりでしょうね。

ただ、前期棋聖戦で流れてしまった第5局開催予定地の愛知県田原市「伊良湖ガーデンホテル」、第7局の長崎県雲仙市「富貴屋」は今期の第3局、第4局で開催地となっていました。
主催者側もある程度、過去の経緯を考慮して開催地を決めているのでしょうね。

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軽業師になろう/風鈴会

2008-03-23 19:14:24 | 囲碁

Wind_1 昨日(3/22)は定例の「風鈴会」の日、講座の内容は「軽業師になろう! ~軽くさばくコツ~」。
相手の強い陣形の中で整形する場合、「軽く打つ」のが原則というテーマでした。

自陣が弱い立場の場合、相場以上の効果を得ようとすると重くなります。
「責任は軽いうちに処理する」のが鉄則で、これは実生活やビジネスでも同様のことが云えそうです。

講座のあとの実戦対局、前回は連敗で降段でしたが、今回は連勝で即復帰を果たすことができました。
今回の講座の教訓を実戦でも応用でき、よかったと思っています。

   ◇   ◇   ◇

例会後の食事会では隣りに座ったH田さんの結婚の話が面白かったですね。
いまどきの感覚では考えられないような結婚に至る話ですが、ほのぼのとした人柄が伝わってくるようなH田さんのエピソードでした。

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碁はボヤキを誘う/先崎学

2008-03-20 22:24:20 | 囲碁

月刊「NHK囲碁講座」に将棋の先崎学八段の「桂馬の両アタリ」というコーナーがあります。今月号は「碁はボヤキを誘う」。

将棋の棋士はほとんどボヤかず、対局室は物音が極端にない静かな世界だそうです。
特に羽生世代以降は感情を出すことが罪であるかのように、顔色ひとつ変えないとのことです。

一方、囲碁棋士はボヤキが多いですね。趙治勲十段、依田九段、王銘エン九段などは特に有名です。

先崎八段の説では、一つは先輩から受け継いだ将棋界の雰囲気の差ではないかということ。
もう一つは将棋の故真部一男九段の説で「将棋と違って囲碁は形が残るからだ」ということ。
囲碁は悪手を打った形がそのまま残ることが多く、それを見ているうちにボヤきたくなるということだそうです。

ただ、最近の囲碁の若手棋士は概して感情をあらわにせず、静かに対局していますね。また、韓国・中国の棋士についても同様なことがいえそうです。
しかし棋士も人の子、人間らしいボヤキや仕草も個性の表れのように思います。

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第32期棋聖戦第6局/趙十段が勝ち3勝3敗に

2008-03-18 20:43:47 | プロ棋戦

 第32期棋聖戦七番勝負、山下敬吾棋聖と挑戦者、趙治勲十段第6局は3月13日、14日、静岡県熱海市ので行われ、趙十段が白番4目半勝ちし、3勝3敗のタイにした。第7局は3月19、20日、同県小山町の「経団連ゲストハウス」で行われる。
 右上白のシノギを巡る攻防で、攻め切れないとみた山下棋聖は外勢を築いた。
戦いが左辺に広がる中、趙十段は中央を動き出し、右辺をセキに持ち込んだが、山下棋聖も下辺を厚くするなど、際どい勝負が続いた。
 しかし終盤、山下棋聖に誤算があり、優位に立った趙十段が山下棋聖の粘りを封じて逃げ切った。

<趙十段の話>
 右上白への攻めが予想以上に厳しかった。最終局までこぎ着けて幸せだ。

<山下棋聖の話>
 序盤が甘く、1日目で苦しくなった。次も勝ち負けを気にせず、思い切り打ちたい。

                 (読売新聞より抜粋)

    ◇  ◇  ◇  ◇

七番勝負の鬼、趙十段が気迫と執念で勝利をもぎ取り、最終局に持ち込みました。
若手の追撃を真っ向勝負で立ち向かう姿は、まさに百戦錬磨の勝負師ですね。

一方、趙十段の気迫に押され気味の山下棋聖、イマイチ元気がありません。
最終局ではフルスウィングの山下を見せてほしいと思います。

熱戦が続く棋聖戦も明日からの最終局で決着となります。どちらに栄冠が輝くか分かりませんが、囲碁ファンを魅了するような一局にしてほしいものです。

    ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は静岡県熱海市の「熱海後楽園ホテル」。従来、熱海といえば首都圏からの団体客でにぎわっていましたが、最近はリゾート客や都市から移り住む人が多くなっているようです。
顧客の好みも時の流れとともに変化していきますので、受け容れ側もその流れを汲み取る意欲が必要でしょう。

囲碁界もイマイチ停滞気味ですが、時代の潮流を見極めることが必要ですね。難問ですが・・・。

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大河ドラマ「篤姫」/囲碁対局シーン(2)

2008-03-16 22:09:05 | テレビ番組

大河ドラマ「篤姫」、今日は将軍家へ嫁ぐことが決まり、周囲の人たちとのやりとりの話でした。
そして篤姫と尚五郎(後の小松帯刀)の対局シーンもありました。使用している碁盤はそんなに厚さはありませんが、側面に蒔絵を配した優雅な盤でした。

少し前の対局シーンで篤姫が尚五郎に、「そなたの打ちぶりは心が澄んでいない」というようなことを云っていましたが、これは真理だなと思いましたね。
「心が澄んでいない打ち方」、それは勝負にこだわり過ぎたり、相手を威嚇するような打ち方でしょうね。
難しいことですが、真理に沿った打ち方を心がけたいと思った次第です。

   ◇  ◇

昨日のBS2「囲碁・将棋ジャーナル」は小林光一九段がゲスト。近況で「張栩・小林泉美夫妻と孫の心澄(こすみ)が時々遊びに来る、心澄は囲碁用語の「コスミ」にちなんでいる」といっていました。
「心澄・・・心が澄む」、「篤姫」を見ながらそんなことを思い起こしていました。

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第46期十段戦第1局/高尾が先勝

2008-03-14 09:20:59 | プロ棋戦

 趙治勲十段に高尾紳路本因坊が挑戦する「第46期十段位決定五番勝負」の第1局は、3月6日、新潟市の岩室温泉「高島屋」で行われ、高尾が黒番中押し勝ちし、初の十段獲得に向けて好スタートを切った。
第2局は3月27日、愛知県蒲郡市の「旬景浪漫銀波荘」で打たれる。

 黒は上辺で左右の隅をシマり、白は大場を占めるじっくりとした展開となったが午後の再開後、双方が打ち込み合う激しい戦いに。趙の“勝負手”を冷静に受け止める高尾、最後はぎりぎりの攻め合いから、高尾に軍配が上がった。

<高尾本因坊の話>
 自信はなかったですが、最後、攻め合いが1手勝ちだったのでほっとしました。

<趙治勲十段の話>
 三々のツケ(白56)がメチャクチャでした。最後はただ粘っただけで勝ちようのない碁でした。

  ◇  ◇  ◇

高尾本因坊の泰然とした打ちぶりが光った一局のようでした。本因坊位を3期を維持し、いまや押しも押されもせぬ一流棋士ですね。

一方の敗れた趙十段は「棋聖戦」で山下棋聖との七番勝負、「NHK杯」では張名人との決勝戦と新年から大活躍です。50歳を過ぎて大一番の連続、お疲れ気味ではないでしょうか。

  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は新潟市の岩室温泉「高島屋」。昨年の十段戦第1局も同じ場所で行われていますが、第2局以降も昨年と同じ対局地が組まれているようです。

第1局 3月 6日 新潟県・岩室温泉「高島屋」
第2局 3月27日 愛知県・西浦温泉「旬景浪漫 銀波荘」
第3局 4月 3日 長野県大町市「くろよんロイヤルホテル」
第4局 4月17日 愛媛県・道後温泉「宝荘ホテル」
第5局 4月25日 東京・千代田区の日本棋院

毎回、いろんな場所で開催するのも意味がありますが、恒例というのもいいと思います。
地元の囲碁ファンにとっては毎年の行事として楽しみでしょうし、十段戦関係者にとっては安心感もあるでしょう。

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映画「明日への遺言」

2008-03-11 16:19:11 | 映画

・作品名:明日への遺言
・監督:小泉堯史
・原作:大岡昇平、
・音楽:加古 隆
・出演:藤田まこと、ロバート・レッサー、フレッド・マックイーン、富司純子 他
太平洋戦争末期、アメリカ軍機の搭乗員を処刑した責任を問われ、B級戦犯として戦争裁判にかけられた岡田資中将の法廷での戦いを描いた作品。

先日、映画「明日への遺言」を見てきました。
法廷シーンが大半を占める作品です。昨年、「それでもボクはやっていない」という作品を見ましたが、「裁判」というのは本当に難しいものだと実感します。

主人公の気高い生き方を真似することは困難ですが、映画や書籍などで時に触れ、自身の心の糧にできればと思っています。

    ◇   ◇

入場する前に観客は年配層で入場者も少ないだろうと思っていましたが、その通りでしたね。
大都市ですと観客の好みも色々でそれなりの観客数は期待できるでしょうが、地方都市ではこの種の作品は敬遠されるようです。

映画はエンターテインメントですが、芸術・文化の側面もあるように思います。
娯楽としての醍醐味・爽快感も大きな要素ですが、人間の内面を描くシリアスな作品にも目を向けてほしいと思います。

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RT囲碁部/2008/3月例会

2008-03-10 08:39:29 | ルネサス/囲碁部

一昨日(3/8)は「RT高崎囲碁部」の月例会でした。参加者は9名、馴染みのメンバーばかりです。
会場は会社近くの「E碁会所」、今はほとんど営業していませんが本例会の時だけ使わせてもらっています。
10年ほど前までは土、日曜には何人かが集まって打っていました。私も毎週のように通って碁敵と楽しんでいましたが少しづつ客足が遠のき、今は開店休業の状態です。

今はほとんど毎日のように「ネット碁」を楽しんでいますが、やっぱり会話がないのは味気ないものです。
碁会所で囲碁仲間と世間話や軽口を交わしながら、対局に夢中になっていたあの頃が懐かしいですね。

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