こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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よりよく生きるにはどうしたらいい?

医療を哲学的に考える(11)・・・患者の視点からの医療とは その2

2014年02月04日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
2つめは、患者という状態が望ましい状態ではない、としていいかという考えについて。
虫歯ならば自分で通院して診てもらうこともできるし、さほど重くなることのない感染症や擦り傷切り傷なんていうのは放っておけば、いつしか治るが、そうでない状態というのもしばしばある。事故や手術の必要な重篤な病気、というような場合、自力であれもこれも済ませるというのはなかなか難しくなる。



だが、そのような重い病気に罹ったからといって悪いことばかりでもない。周囲のいろいろな人に助けてもらい、互いの絆の深さを感じるということがある。患者になって初めて他人からの情けがわかった、なんてことを聞くこともある。患者になる、病気になるという状態が、いつかは自然に引き起こされる状態であるというのなら、それはそれで仕方ないし、それをせめてプラスマイナスゼロの状態と考えたい。だから、こういう状態を悪いもの、とだけ決めつけてしまうのは案外良くないのかもしれない。

そこで医療の登場である。
そうはいっても、病気が長引けば、周りで支える人もつらくなってくる。
このとき、この病脳期間を短くするのが医療の役割とも考えるのはどうだろう。患者さんや周りの人は、もちろん病気を治す努力をしているのだけど、それを早く治るように助けるのが医療。



患者の視点からしてみると「医療とは患者の病気を早く治すためにある」といえる



(ちょっとだけど)雪の立春
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