こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

ブログのパニック値

2020年07月31日 | 日々思うこと、考えること
今日も朝から雨模様。ただ、少しだけ日差しがあったりして、厚い雲の絨毯も擦り切れてきたのかもしれない。先週末の予報通り、関東地方の梅雨明けは明後日らしい。雨ばかりで庭は草ぼうぼうで苔だか藻だらけ、おかしなキノコも生えている。花たちも野菜も元気が無くて、ついに今日は写真に撮れるのも尽きたので、差し込む写真はなし。病院の前庭やエントランスにも往復の通勤路にも元気な花がほとんどないのだから仕方ない。窓から見える高木はもりもりと生い茂っているが曇り空の下では緑もかすんでしまう。

そんなどんよりした風景ばかりを見ていたからなのかわからないが、やたらと色鮮やかな夢に驚いて明け方ごろに目が覚めた。一瞬しか覚えていなかったが、確かに色まで覚えていた。もう一度見たかったが駄目で、あきらめて何時かとスマホを開けた。ついでにこのブログを開いて、”お知らせ”とか”アクセス解析”をポチポチした後、”読む”を開いてブロ友さんの記事のタイトルをざっと眺めた。そして面白そうなタイトルーーータイトルそのものが興味深いのではなく、ブロ主さんがいつも書くようなタイトルからとても乖離しているタイトルーーーのエントリーを開いて読む。「え?この方がこんなタイトルで書いているけど、なんだろう?」と思って開くのだ。パニック値というところだ。

臨床検査医学の世界で使う、パニック値という用語は、「生命が危ぶまれるほど危険な状態にあることを示唆する異常値」のことをいう。臨床的な診察で患者さんの容態が深刻なものだとわかっていれば驚きはしないが、検診とか定期的な検査でこんなデータが出たら大変なことになる。病理診断でもパニック値に相当するものはある。鼻茸(鼻の良性ポリープ)や子宮頸部のスクリーニング検査で悪性を疑っていなかったのに、がんが見つかったというような時がパニック値に相当する。なお、胃や大腸の内視鏡的には良性だと思っていたポリープが病理医が調べたら顕微鏡で癌だったとか、ホクロがメラノーマ(悪性黒色腫)だったというのはそれほど稀なことではなく、パニック値には当たらない。担当医が病理診断報告をチェックしてくれるのが筋だが、パニック値が出たときは念のため、担当医に連絡を入れる。

さて、私のブログのタイトルでパニック値に相当するものはあるだろうか。記事一覧で振り返ってみたが、これといった傾向はなさそう。拙ブログを読んでくださっている方には”おや?”という変化があるのかもしれないが、自分ではわからない。それにしても、それぞれのエントリを読み返すとーーー今日もそうだがーーーずいぶんくどい文章が多い。以前、ブログも推敲が大事ということを書いたことがある(論文とブログ、どちらも推敲 - 2015年6月18日)。そこでコロ健”「お、この論文、面白いな。最後まであっという間に読めたよ”なんてことを書いている。”論文”を”ブログ”に置き換えたらいい。通勤中に書くことがほとんどなので、一気に書けず、途中で細切れとなってつなぎがわるくなって、竜頭蛇尾、推敲も不十分で、いったい何が言いたいのかよくわからなくなることもしばしばだ。せめて、タイトルに沿った締めくくりとしたいのだが、これがなかなかうまくいかない。パニック値で読んでいただけるのはありがたいが申し訳ない。うまく締めくくることができなくて、タイトルの方を変えることもある。

病院を出たらまだ明るくて、まだ青みが残っている空には可愛い形をした雲が浮いていた。明日は晴れるといいな。
今日も危なかった

ブログランキング・にほんブログ村へお願いします