私は国語の時間に書かされる読書感想文というものがものすごく嫌いで、今でも忘れることができない。
コツというものがあったのだと思うが、先生はそれを教えてくれなかった。読書好きだった私は感想文を思い通りに書くことができず、いつもあらすじばかり。それがロクでもない感想文だとわかっているのだが、結局いつも何を書いていいのかわからなかったというのはこの上ない屈辱だった。日本の国語教育では文章の書き方というのを教えてくれない。
自己表現とはどうやってやったらいいのかを日本の教育システムでは教えてくれない。作文、演説といったものはそもそも国語の時間に習うものだったのだろうか。今でこそ、このブログなど開き直って好き勝手に書いているが、それらの技術というものを欠いたまま大人になって苦労している人は私だけではあるまい。
プレゼンテーションの本、文章術の本、そういったものが存在すること自体どうかと思う。こういったことの技術を小学校、中学校の頃から具体的に教えておけば、多くの日本人が上手に自己表現できたのではないだろうか。さらには、自己表現によっていじめもいくらかは防ぐことができたかもしれない。日本は文章を書く技術というものをもっと教えるべきだ。
戦前戦後という日本という国が劇的な転換を遂げさせられた時期を経験した文章家の手による本書は単なるノウハウ本ではなく、日本と日本人というものを客観的に捉え、論評しており、最終的にはそちらの方が興味深かった。
読んだ本の数:1
読んだページ数:228
ナイス数:33
本屋でふと目に止まり、ブログ書きの役に立つかと思って購入。あっという間に引き込まれ、早速"が"を極力使わないことにした。日本では学校というところで自己表現の方法というか技術をほとんど教えないが、これでは国際社会で戦っていくことは難しい。
読了日:04月19日 著者:清水 幾太郎
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こんな本、不要になればいいのに