こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

マクロの視点とミクロの視点

2022年10月14日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
雨続き、今日も肌寒い。
気温は平年並み(10月は13度から20度)かそれより少し低い程度のようだが、お日様がないので、感覚的には11月ぐらいの気分で、どうも元気が出ない。

インフレ、円安、ウクライナ侵攻、北朝鮮のミサイル、中国共産党の話などで社会は日々刻々目まぐるしく変化している。
それぞれの時間を切り取り、あとで詳細に観察するとどう見えるだろうかと思った。
これはちょうど、病理組織の標本を顕微鏡で観察することに似ている。
患者さんから切除された組織を顕微鏡で観察して診断、すなわち病理診断を行うとき一番大事なのはその肉眼所見だ。
この写真は胃ガンの写真で、大きな噴火口のようなくぼみがあるところが、ガンによって生じた病変。
こうしてみると、世の中にとんでもないガンができて、周囲の正常な社会まで浸潤しているように見える。
ガンを何に置き換えてもいいが、わかりやすいのはロシアが周囲のおとなしく楽しく平和に暮らしていた国に侵攻しているようにみるとわかりやすい。
そして顕微鏡で見たとき、紫色に濃く染まっているのが胃ガンの細胞。
DNAなどに傷を負って正常の胃の細胞になりたくてもなれなかった哀れな細胞たち。
興味深いのは、こんな異常な細胞が形作る胃のような環境にも、赤血球とかリンパ球といったまともな働きをするまともな細胞や血管があってガン細胞に酸素や栄養分を与えたり、炎症を起こしたりしている。
兵隊がやってきて街を破壊しても、そこには兵隊を支えるような一般市民がいるようなものだろうか。
こんな例えには無理があるのは承知だが、一時が万事、巨視(マクロ)的な視点、顕微鏡でみるようなミクロの所見というのが必要だということだ。
私は病理医なので、こんな一番身近な例えをしてみたが、この文をお読みの方も、身近な例えで社会を捉えてみると面白いのではないだろうか。

私の日常業務は目の前にひろがる病気の世界を自分の知識を駆使して解釈、判断し、臨床医が読んでわかるような客観的な言葉に置換することだ。
このブログのエントリーもそんな、客観性を持つことを心がけて続けていきたいし、もちろん生きていくうえに於いてもそうなのは言うまでもない。
予断を持たないで

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