フジテレビ、毎週水曜日22時からの医療ドラマ「フラジャイル」。病理医を主人公としていることもあり、同業者として毎週楽しくみている。
昨日は病理医と同様に診断業務がメインの仕事となる放射線診断医が取りあげられていた。 病理医は臨床医が採取してきた患者さんの組織や細胞を診て診断をつける。一方、放射線診断医はさまざまな方法で撮影された画像を診断したり、特殊な撮影を行ったりする。臨床医に代わって、専門性の高い部分を受け持つことになる。見たものを解釈する、という作業は病理医と放射線診断医、似通ったところがある。私も以前、病理医と放射線科医とで、病理ー放射線カンファレンスというのを開いていたことがある。勤務先の病院の放射線科医には仲がいい人がいる。
昨日の放送で気になった言葉があった。それは「主治医」という言い方。
日本語のこの言い方ってどうなのだろう。英語だとattending doctor。主に世話をする医者という感じなのだろう。それに、アメリカなど家庭医(開業医)の制度がしっかりしていたら、いわゆる主治医はその開業医の先生。高度の医療が必要な場合、大病院にかかる。そこで患者さんの面倒を診るのは家庭医から患者さんを任された医師で、日本語なら主治医ではなく担当医、となるだろう。 こういうシステムになっていたら、家庭医(開業医)が監視するので、大病院の(一見、偉そうに見える)医者の暴走を止めることが可能となる。
放射線科医や病理医はこの主治医になることはまずない。放射線科医、病理医は患者さんに対する担当医の一翼をなすことはあっても、日本でいう患者を自分のもの(“私の患者”)にすることはないからだ。日本の“主治医”といういい方が続くようでは、そういう言い方をされることになっても仕方あるまい。
では、どうして昨日のドラマのように病理医、放射線科医が臨床医の下請けといわれなくてはいけないのか、この続きは明日。
国家試験みたい
マラリアに赤痢。
ジカ熱にデング熱。
海外渡航歴はもちろん、蚊に刺されたかどうかも問診票に書いてもらわないといけませんね。