こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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病理医になるには(3/3)・・・病理医以外で臨床に関わる医師

2016年02月07日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと

医師免許をとったら、みんながみんな”臨床医”として患者さんに直接関わっていくわけではない。医学部を卒業して、医師免許を取得して医療現場に出てから”臨床医”以外の医者というのは病理医だけでなくて他にもいろいろいる。一般病院にいる医者で、病理医以外に患者さんに余接することの無い医者は他にもいる。

ほぼ間違いなくいるのは、放射線科の先生。病理医よりおおいのではなかろうか。胃の透視や、血管造影などの検査を行うので患者さんと接するけれども、そんなに深くは関わらない。ただ、ミスをするとその場で命に関わるので、厳しい仕事だ。

厳しい仕事というと、いったん命をとめてしまう麻酔科の先生はもっと厳しい。患者さんそのものの命に関わっているけれど、患者さんと接するのは手術の前日ぐらい。翌日、手術室で麻酔をかけるときに、患者さんとの接触は確認以外にはあまりない。ただ、ペインクリニックなどを行っている先生はそういったところで、患者さんと接する機会がある。

病理医に似ているけれどまったく違う医者に、臨床検査(専門)医というのがある。患者さんの血液や尿などの成分を調べる。臨床検査医はそれらの検査データの解釈、精度管理を行う。

以上が、一般病院にいるけれどあまり患者さんと接しない医者といえる。放麻病とか、麻放病などといって、一般臨床医には馬鹿にする人もいるけれど、いらない仕事は存在しない。

 

各施設に一人必要と言うわけではないが、稀少疾患の遺伝子検査や生化学的検査を、どこかの大学で検査センター的に行っている医者も多い。さらには、保健所で働く医者もいる。厚生労働省で医系技官として行政に関わる医者もいる。

医者になろうという人は大抵、臨床医になることを思い描いて医学部に進むだろうが、以前、病理医になりたいという高校生が見学に来て、こういう子もいるのかと驚いた。医者と一口にいっても、病理以外にもいろいろな道があるし、それぞれで必要とされている。

このシリーズは、今日で終わり。病理医特集は、後日、『フラジャイル』が終わったあたりで。

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