攻防 消費税③ 「サンキュー」共産党
今国会での税率引き上げが問題になっている消費税の源流をたどると、1979年に当時の大平正芳内閣が導入を目指した一般消費税につきあたります。
反対の大運動
78年12月に大平氏が自民党総裁・首相に就任。その直後に出された自民党税制調査会答申は一般消費税を80年度から導入することを明記しました。79年1月の施政方針演説で大平氏は一般消費税の導入など税負担の問題についても、国会の内外において論議が深まることを強く望んでおります」と述べました。
一般消費税は国内における商品とサービスの売買に対して5%をかけるもので、食料品が非課税だったほかはほとんど現行消費税と同じ仕組みです。
大平氏の「導入宣言」以前から、大型間接税の導入を警戒し、反対する運動はすでに始まっていました。77年1月、全国商工団体連合会や総評、日本生活協同組合連合会などの団体が「不公平な税制をただす会」を結成。78年8月には不公平な税制をただす会、全日本小売商団体連盟、日本専門店会、日本商店連盟、日本チェーンストア協会が集まって一般消費税反対のための中央連絡会」を結成し、反対運動のための全国センターを確立し、さまざまな反対運動を展開しました。
日本共産党は財政難のつけを一般消費税導入によって国民にしわ寄せすることは許されないと追及。そうした導入をしないでも国民本位の財政再建が可能であると明らかにしてたたかいました。
(左)『週刊新潮』79年10月18日号「共産党勝って『増税なし』サンキュー」
(右)「赤旗」に掲載された各党政策表を大書きして紹介しながら、号外を配布する青年後援会員ら=79年9月30日、東京都目黒区
動揺する財界
消費税導入の「誘惑」と国民各層の反対の間で、財界と自民党は動揺を繰り返しました。当初、経団連は“いずれ一般消費税の導入は避けられないが、現段階では時期尚早”との立場でしたが、79年8月の記者会見で当時の土光敏夫会長が「増税もやむを得ない」と発言しています。ところが、9月の定例理事会では「政府が提案している一般消費税には、多くの問題があり、このようなかたちでの新税の導入には賛成できない」との財政金融委員長報告を了承しています。
自民党も79年10月の総選挙の直前に“一般消費税は導入しない”と宣言するまで追い詰められました。この選挙で自民党は、当選後の追加公認5人を含めても過半数割れの250議席にとどまる惨敗を喫しました。一方、一般消費税導入阻止を掲げてたたかった日本共産党と革新共同は19議席から41議席へと大躍進。これが一般消費税の導入を阻止する力となり、選挙後『週刊新潮』は「共産党勝って『増税なし』サンキュー」と書きました。
総選挙後の臨時国会は「財政再建に関する決議」を全会一致で可決しました。そこには「財政再建は、一般消費税(仮称)によらず」と導入しないことを明記しました。この決議によって大平内閣が導入を画策した一般消費税」にとどめを刺すとともに、後に禍根を残すことになりました。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年6月15日付掲載
今回の消費税率増税に対しても、商工会議所やチェンストア協会などが増税反対の意思を表明しています。自民党などの支持基盤になっていたところです。
太平さんの時代とは装いを変えた政党状況と国民世論があります。
民主党や自民党も含めた超党派の国会議員で、消費税増税を今国会で成立させないとの集会が国会内で開かれています。
緊迫した週末を迎えています。
ちなみに『週刊新潮』が「サンキュー」と言ったのは共産党が39議席だったことに引っかけて言ったようです。実際は、愛知県などの革新共同を含めて共産党の会派は41議席でした。
今国会での税率引き上げが問題になっている消費税の源流をたどると、1979年に当時の大平正芳内閣が導入を目指した一般消費税につきあたります。
反対の大運動
78年12月に大平氏が自民党総裁・首相に就任。その直後に出された自民党税制調査会答申は一般消費税を80年度から導入することを明記しました。79年1月の施政方針演説で大平氏は一般消費税の導入など税負担の問題についても、国会の内外において論議が深まることを強く望んでおります」と述べました。
一般消費税は国内における商品とサービスの売買に対して5%をかけるもので、食料品が非課税だったほかはほとんど現行消費税と同じ仕組みです。
大平氏の「導入宣言」以前から、大型間接税の導入を警戒し、反対する運動はすでに始まっていました。77年1月、全国商工団体連合会や総評、日本生活協同組合連合会などの団体が「不公平な税制をただす会」を結成。78年8月には不公平な税制をただす会、全日本小売商団体連盟、日本専門店会、日本商店連盟、日本チェーンストア協会が集まって一般消費税反対のための中央連絡会」を結成し、反対運動のための全国センターを確立し、さまざまな反対運動を展開しました。
日本共産党は財政難のつけを一般消費税導入によって国民にしわ寄せすることは許されないと追及。そうした導入をしないでも国民本位の財政再建が可能であると明らかにしてたたかいました。
(左)『週刊新潮』79年10月18日号「共産党勝って『増税なし』サンキュー」
(右)「赤旗」に掲載された各党政策表を大書きして紹介しながら、号外を配布する青年後援会員ら=79年9月30日、東京都目黒区
動揺する財界
消費税導入の「誘惑」と国民各層の反対の間で、財界と自民党は動揺を繰り返しました。当初、経団連は“いずれ一般消費税の導入は避けられないが、現段階では時期尚早”との立場でしたが、79年8月の記者会見で当時の土光敏夫会長が「増税もやむを得ない」と発言しています。ところが、9月の定例理事会では「政府が提案している一般消費税には、多くの問題があり、このようなかたちでの新税の導入には賛成できない」との財政金融委員長報告を了承しています。
自民党も79年10月の総選挙の直前に“一般消費税は導入しない”と宣言するまで追い詰められました。この選挙で自民党は、当選後の追加公認5人を含めても過半数割れの250議席にとどまる惨敗を喫しました。一方、一般消費税導入阻止を掲げてたたかった日本共産党と革新共同は19議席から41議席へと大躍進。これが一般消費税の導入を阻止する力となり、選挙後『週刊新潮』は「共産党勝って『増税なし』サンキュー」と書きました。
総選挙後の臨時国会は「財政再建に関する決議」を全会一致で可決しました。そこには「財政再建は、一般消費税(仮称)によらず」と導入しないことを明記しました。この決議によって大平内閣が導入を画策した一般消費税」にとどめを刺すとともに、後に禍根を残すことになりました。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年6月15日付掲載
今回の消費税率増税に対しても、商工会議所やチェンストア協会などが増税反対の意思を表明しています。自民党などの支持基盤になっていたところです。
太平さんの時代とは装いを変えた政党状況と国民世論があります。
民主党や自民党も含めた超党派の国会議員で、消費税増税を今国会で成立させないとの集会が国会内で開かれています。
緊迫した週末を迎えています。
ちなみに『週刊新潮』が「サンキュー」と言ったのは共産党が39議席だったことに引っかけて言ったようです。実際は、愛知県などの革新共同を含めて共産党の会派は41議席でした。