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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

攻防 消費税⑫ 社会保障解体狙う

2012-06-30 23:30:31 | 予算・税金・消費税・社会保障など
攻防 消費税⑫ 社会保障解体狙う

「これからは一気呵成(かせい)に与野党とも、この一体改革についての議論を進めていただきたい」
日本経団連の米倉弘昌会長は国会会期末を控えた6月11日、民主、自民、公明の消費税増税推進勢力に「号令」をかけました。その後、国会は延長され、26日には衆院本会議で消費税大増税法案が可決されました。財界3団体(経団連、経済同友会、日本商工会議所)はそれぞれ、衆院での可決を「歓迎」するとともに、法案の早期成立を求めるコメントを発表しました。

米倉会長名で
この日、衆院本会議では、「社会保障制度改革推進法案」も民自公の多数で可決されました。この法案は、自民党がまとめた「社会保障基本法案」を民主党がのんだもの。自公政権時代に進められた社会保障の切り捨て路線を法律にしたものです。
同法案は社会保障改革について、「自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされる」ことが必要だと強調。「機能の充実と給付の重点化及び制度の運営の効率化」を求めています。年金・医療・介護・生活保護・子育てなどの全面的な見直しを行うもので、社会保障の充実を国の責任として明記した憲法25条を真っ向から踏みにじるものです。
米倉会長名で消費税増税関連法案可決の歓迎コメントを出した経団連は同時に、「社会保障制度改革国民会議を速やかに設置し、社会保障給付の効率化・重点化、持続可能な社会保障制度の再構築に向けた検討を開始」することを求めました。
財界は、消費税増税とともに、社会保障の切り捨てをこれまでにも政府に迫ってきました。
経団連は5月24日に発表した提言(「社会保障・税一体改革の着実な推進を求める」)でも、次のように要求していました。
「社会保障制度改革については、現行の政府案は給付の効率化・重点化、財源の見直しが不十分な内容に留(とど)まっている。今後も国民的な検討を深め、社会保障の自助・共助・公助のバランスを見直し、成長や雇用創出と両立する持続可能な制度へと抜本改革を行うべきである」
「社会保障制度改革推進法案」でうたわれた「自助・共助・公助」や「効率化・重点化」の方針は、財界の要望そのものだったのです。さらに財界は、社会保障費の削減も露骨に求めています。
経済同友会の長谷川閑史(やすちか)代表も1月31日の記者会見で、「(年間)1兆円を超える(社会保障費の)自然増をどう抑制するのか、本格的なメスを入れない限り改革とは言い難い」と強調していました。
経団連は、5月15日の提言(「成長戦略の実行と財政再建の断行を求める」)で、消費税率を19%にまで引き上げるシナリオを提示する一方、社会保障費については、「社会保障給付の自然増を毎年2000億円抑制」することを求めています。



消費税増税・社会保障大改悪の関連法案を可決した衆院本会議=6月26日

「談合」に怒り
しかし消費税増税に反対する国民の声は、各紙の世論調査で5~6割に達しています。「日経」とテレビ東京が行った世論調査(25日付)でも、「民主、自民、公明3党が消費税増税など社会保障と税の一体改革で合意したこと」について「評価しない」としたものが52%と半数を超えています。
財界いいなりの消費税大増税と社会保障解体の民自公3党の「談合」に国民の怒りが広がっています。
(おわり)(この連載は金子豊弘、清水渡が担当しました)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年6月29日付掲載



財界にとっては、消費税増税も社会保障費抑制も一体の要求です。逆に言えば、国民にとっては痛みの押し付けでしかありません。
生計費非課税、税の応能負担。生きる権利としての社会保障。これから参議院に審議は移ります。暑い夏の闘いです。
コメント
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