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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

米国との国交正常化交渉 キューバ国民は② 「悲観も楽観もしない」

2015-02-19 17:10:22 | 国際政治
米国との国交正常化交渉 キューバ国民は② 「悲観も楽観もしない」

キューバの政府省庁や共産党中央委員会が点在するハバナの「革命広場」。党中央機関紙グランマの編集局もその一角にあります。
ペラヨ・テリー編集長は「米側は1月の協議のとき、非公式に、4月の米州サミットまでに大使館を設置したいといってきた。キューバ側も反対はしていない」と語ります。

注目の首脳会談
パナマで行われる米州サミットには、中南米諸国の圧力に押されて初めてキューバが招かれ、出席する予定です。米・キューバ関係に世界の注目が集まる首脳会談となります。
「両国とも大使館設置に前提条件はつけていない。だが、キューバにとってはいくつか論議しておく問題がある」とテリー氏は続けます。
「たとえば、キューバ国内での米外交官の移動の自由という米国の提案。キューバはその方向で論議する用意があるが、米国は外交官が反体制派を支援してきたこれまでの態度を改める必要がある。受け入れ国の法律の順守などを定めた外交関係に関するウィーン条約を順守しろという問題だ。米国も順守しないとはいえない」
一方、外国メディアで働くキューバ人記者は、「キューバは経済発展のためにぜひ関係正常化を進めたい。だが、所得格差や民間部門の広がりなどが政治に影響する懸念もしている」と、交渉をとりまく事情は複雑だと説明します。
「経済封鎖が続いていても、キューバ国民の目には、封鎖緩和策が米国の歩み寄りのように映る。一方、米国側の内政干渉を拒否するキューバの当然の姿勢があたかも交渉の障害になっていると思う人もいる」
政府で働く別のキューバ人は「国民はこれまで経済封鎖に一致して反対してきたが、封鎖が緩めば米国に対する国民の見方が変化してくる」といいます。



グランマ紙のデリー編集長


ハバナの米利益代表部(右のビル)

プロセス始まる
今月2日、1月の協議でキューバ側代表を務めた外務省のビダル米国担当へのインタビューが国営テレビで放映され、その全文がグランマ紙3ページにわたって掲載されました。タイトルは「封鎖は終わっていない」。封鎖の歴史や法的な仕組みなどについて詳細に説明しました。
そこで強調された点の一つは、「外交関係が樹立されれば、より長く複雑な関係正常化交渉のプロセスが始まる」こと。正常化とはイエス、ノーの単純な問題ではなく、一つひとつの具体的な問題で合意を重ねて近づいていくものだという意味です。封鎖が続く限り、両国関係が正常化したとはいえないということです。
「悲観的になっても楽観的になってもいけない」とビダル氏。1回目の協議に対する国民の複雑な受け止めをふまえた呼び掛けです。
(ハバナ=松島良尚 写真も)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年2月16日付掲載


米国とキューバの新しい関係が始まるのだから…。「悲観もしないが、楽観もしない」という感情が正直なところでしょうね。
コメント
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