概算要求の焦点② 公共事業 「成長力」口実の大型開発
国土交通省は公共事業関係費として、2018年度当初予算比19%増の6兆1736億円を要求しています。
外環道建設推進
「効率的な物流ネットワークの強化」に18年度当初予算比29%増の4374億円を要求しました。東京外かく環状道路など三大都市圏環状道路の整備を含んでいます。外環道は、住民の立ち退きや環境破壊などさまざまな問題が噴出していますが、住民の反対の声を無視して進められています。
大規模都市開発プロジェクトなど「都市の国際競争力の強化」に39%増の138億円を盛り込みました。都市基盤の整備のほか、外国企業を呼び込むための国際会議施設の整備などに支援するといいます。
訪日外国人の受け入れ強化などのために、首都圏空港などの機能強化に15%増の178億円を盛り込みました。羽田空港の整備には特別会計予算とあわせ655億円を要求。羽田空港では20年のオリンピック、パラリンピックをにらみ、飛行経路の見直しなどで国際線の昼間時間帯発着枠を年6万回から約10万回に増やすとしています。しかし、新経路は都心上空を通り、事故や騒音などが問題になっています。
「整備新幹線の着実な整備」として18年度と同額の755億円を要求。しかし、人件費や資材の高騰で工事費は上昇しています。予算編成の過程で工事費が増える恐れがあります。不要不急の国際コンテナ戦略港湾などの機能強化に20%増の1023億円を求めています。
民間の事業機会を拡大するとして、インフラ(社会基盤)システム輸出や、PFI(公共サービスの民営化)の推進を盛り込みました。インフラシステム輸出には43%増の31億円を要求。トップセールスの推進や企業への支援を行います。
PFIの推進には67%増の505億円を要求しました。浜松市では下水道事業の一部が民営化され、市民に不安が広がっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/d4/e91def1e99f39c541d0e33702c0abb40.jpg)
外環道の工事現場=2017年12月、東京都練馬区
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/24/1db5e6a29339becf26b63dfe8a597456.jpg)
ダム頼みの対策
西日本豪雨などで、切実に求められている水害対策には5273億円を要求しました。18年度当初予算比1・33倍に当たります。
ところがこの中には2023億円ものダム事業費が含まれています。西日本豪雨では記録的な降水量により、愛媛県の野村ダム、鹿野川ダムで貯水量の6倍もの緊急放流をおこなったことで、肱川(ひじかわ)が氾濫し、犠牲者を出す甚大な被害を引き起こしました。ダムにたよった治水対策の限界を示しています。堤防強化、河川掘削など河川改修を優先、充実させるため、十分な予算額を確保すべきです。
そのほか、土砂・火山災害対策に25%増の958億円、南海トラフ巨大地震など大規模地震対策は30%増2189億円、インフラ老朽化対策には21%増の5440億円を求めています。
災害復旧費は544億円。東日本大震災復興特別会計には4577億円を要求。いずれも18年度と同額です。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2018年9月19日
国土強靭化、都市基盤の整備というなら、生活に密着した砂防ダムとか河川堤防、浚渫などに取り組むべき。関西国際空港も、本格的なかさ上げ工事も必要だと思う。
国土交通省は公共事業関係費として、2018年度当初予算比19%増の6兆1736億円を要求しています。
外環道建設推進
「効率的な物流ネットワークの強化」に18年度当初予算比29%増の4374億円を要求しました。東京外かく環状道路など三大都市圏環状道路の整備を含んでいます。外環道は、住民の立ち退きや環境破壊などさまざまな問題が噴出していますが、住民の反対の声を無視して進められています。
大規模都市開発プロジェクトなど「都市の国際競争力の強化」に39%増の138億円を盛り込みました。都市基盤の整備のほか、外国企業を呼び込むための国際会議施設の整備などに支援するといいます。
訪日外国人の受け入れ強化などのために、首都圏空港などの機能強化に15%増の178億円を盛り込みました。羽田空港の整備には特別会計予算とあわせ655億円を要求。羽田空港では20年のオリンピック、パラリンピックをにらみ、飛行経路の見直しなどで国際線の昼間時間帯発着枠を年6万回から約10万回に増やすとしています。しかし、新経路は都心上空を通り、事故や騒音などが問題になっています。
「整備新幹線の着実な整備」として18年度と同額の755億円を要求。しかし、人件費や資材の高騰で工事費は上昇しています。予算編成の過程で工事費が増える恐れがあります。不要不急の国際コンテナ戦略港湾などの機能強化に20%増の1023億円を求めています。
民間の事業機会を拡大するとして、インフラ(社会基盤)システム輸出や、PFI(公共サービスの民営化)の推進を盛り込みました。インフラシステム輸出には43%増の31億円を要求。トップセールスの推進や企業への支援を行います。
PFIの推進には67%増の505億円を要求しました。浜松市では下水道事業の一部が民営化され、市民に不安が広がっています。
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外環道の工事現場=2017年12月、東京都練馬区
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/24/1db5e6a29339becf26b63dfe8a597456.jpg)
ダム頼みの対策
西日本豪雨などで、切実に求められている水害対策には5273億円を要求しました。18年度当初予算比1・33倍に当たります。
ところがこの中には2023億円ものダム事業費が含まれています。西日本豪雨では記録的な降水量により、愛媛県の野村ダム、鹿野川ダムで貯水量の6倍もの緊急放流をおこなったことで、肱川(ひじかわ)が氾濫し、犠牲者を出す甚大な被害を引き起こしました。ダムにたよった治水対策の限界を示しています。堤防強化、河川掘削など河川改修を優先、充実させるため、十分な予算額を確保すべきです。
そのほか、土砂・火山災害対策に25%増の958億円、南海トラフ巨大地震など大規模地震対策は30%増2189億円、インフラ老朽化対策には21%増の5440億円を求めています。
災害復旧費は544億円。東日本大震災復興特別会計には4577億円を要求。いずれも18年度と同額です。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2018年9月19日
国土強靭化、都市基盤の整備というなら、生活に密着した砂防ダムとか河川堤防、浚渫などに取り組むべき。関西国際空港も、本格的なかさ上げ工事も必要だと思う。