きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2019年度概算要求⑥ 社会保障 全世代に痛み押し付け

2018-09-29 13:46:19 | 経済・産業・中小企業対策など
2019年度概算要求⑥ 社会保障 全世代に痛み押し付け

厚生労働省の2019年度予算の概算要求は、一般会計総額で18年度当初予算比2・5%増の31兆8956億円です。高齢化などに伴う社会保障費の増加(自然増)で過去最大となりましたが、安倍政権は、社会保障費の抑制を「歳出改革の重点分野」として、医療・介護・年金など国民生活を支える予算を「削減ありき」で切り縮める構えです。

1千億円超削減
厚労省は19年度の自然増を6000億円としています。安倍政権がこの間とってきた「自然増を年5000億円に抑える」方針であれば、削減額は1000億円ですが、政府は自然増について今後「5000億円」などの目標を設けず、年末の予算編成時に示す各年度の「高齢化による増加分」まで抑える方針を打ち出しています。医療では自然増のうち高齢化分が半分程度を占めるため、従来規模を上回る削減が行われる恐れがあります。
安倍首相は「全世代型社会保障制度への改革」を掲げていますが、自然増削減などのため、全世代に“激痛”を強いるのが正体です。
今後の改悪案には▽75歳以上の医療窓口負担の引き上げ▽「かかりつけ医」以外を受診した際の追加負担の導入▽医薬品の窓口負担の引き上げ▽介護のケアプラン作成の有料化▽介護老人保健施設などの多床室の「部屋代」の有料化―などを並べています。
19年度の実施が決まっているものを見ても、医療では75歳以上の保険料軽減特例を切り縮め、保険料を引き上げます。具体的には、会社員の扶養家族だった人の保険料を5割軽減する措置を77歳で停止します。
生活保護のうち食費や光熱費に充てる「生活扶助」を段階的に削減。18年10月から3年間の削減によって、子育て世帯で年合計10万円以上も減るケースが生まれます。
いまでも低すぎる年金額を「マクロ経済スライド」の名で抑える仕組みの発動も狙っています。19年度の削減分に18年度の削り残しである0・3%分が足され、大幅削減となる恐れがあります。
都道府県に設けた「地域医療介護総合確保基金」を使わせ、医療機関のベッド削減を推進。基金には、訪問介護で生活援助に特化したサービスをより安価な地域の中高年層に担わせるため、資格要件を緩和した「新研修」の実施支援への利用も盛り込みました。安全・安心の医療介護の確保とは真逆です。





神奈川県社会保障推進協議会などが主催した子どもと障害者への医療費助成の拡充を求めるパレード=6月28日、横浜市中区

増税と引き換え
「全世代型社会保障」の目玉として保育などの「無償化」を19年10月に始めますが、消費税10%への増税と引き換えです。
「無償化」で保育所への入所希望者が増えるのは必至なのに、安心して通い続けられる認可保育所の抜本的増設には踏み出そうとしません。「待機児童ゼロ」は20年度末に先延ばししたうえ、保育士配置基準などを緩和した「企業主導型」保育を推進しています。
質も量も保護者の願いには程遠い一方で、大増税は全世代に襲いかかることになります。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2018年9月25日付掲載


社会保障費の自然増のカットなんて、無慈悲ですよ。
「かかりつけ医」以外を受診した場合の追加負担なんて、医者を選ぶ権利のはく奪ですよ。許されない。