きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2019年概算要求の焦点③ 農林水産 所得確保 具体策なし

2018-09-21 21:48:32 | 経済・産業・中小企業対策など
2019年概算要求の焦点③ 農林水産 所得確保 具体策なし
2019年度予算に対する農林水産関係の概算要求は、2兆7269億円です。18年度当初予算比18・5%増です。公共事業費が同21・1%増の8308億円、非公共事業費が同17・3%増の1兆8962億円です。

公共事業を増額
大規模自然災害が続く中で、公共事業の災害復旧に18年度当初予算と同額の193億円を要求しました。18年度には対策費が不足し、予備費や補正予算で対処しています。
農地の大区画化や水利施設の改修を進める農業農村整備関連事業に18年度当初比22%増の5305億円を要求。林野関係の治山、森林整備などに同22%増の2197億円、水産基盤整備にも同22%増の854億円を要求しました。
米の直接支払い交付金が18年度に廃止されました。しかし、代替し得る所得確保の具体策がみられません。
米から転作した麦、大豆、飼料用米などを支援する水田活用の直接支払い交付金に18年度当初と同額の3304億円を要求しました。過去3年連続で増額されてきたものの、横ばいに転じました。
19年度に開始される収入保険制度の実施に向け、18年度当初比28・8%増の335億円を要求しました。保険料や積立金の国庫負担分に充てます。
収入保険は、農家所得ではなく、農産物販売収入の減少を補うものです。過去5年間の平均収入の9割を基準に、それを下回ると差額の9割を補います。農産物価格が下がり続けると、基準も下がり続けるため、収入減の歯止めになりません。
また、青色申告を行っている農業者だけが対象です。農家の約2割にすぎません。



台風21号と北海道地震の影響について酪農家の話を聞く紙智子参院議員(右から2人目)と畠山和也前衆院議員(同3人目)=9月7日、北海道長沼町



輸出の10倍輸入
19年に輸出額1兆円を実現する目標を掲げ、農林水産業の輸出力強化に18年度当初比41%増の81億円を要求しました。海外需要創出等支援と輸出環境整備に同45%増の58億円などを支出します。
ただ、政府が誇る輸出額増加も、実際には加工品が多く、その原料の多くを輸入に依存しているため、国内の農家所得の向上には結びつきません。また、輸入も増えており、輸入が輸出の10倍以上という状況は全く変わりません。
18年度に開始された農業支援外国人適正受け入れサポート事業に倍増の4億円を要求。農業への外国人労働者の受け入れが国家戦略特区で始まりました。19年度には、新たな在留資格を創設し、特区以外でも農業などへの外国人労働者の受け入れを拡大する予定です。
19年度は、農業の成長産業化を目指すとして、ロポットなど先端技術を導入したスマート農業を目玉としています。スマート農業加速化実証プロジェクトに新規の50億円を要求しました。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2018年9月20日付掲載


米価の生産者米価と消費者米価の「逆ザヤ」が廃止され、生産者を生活を守るために、いろいろな制度で続いてきた米の直接支払い交付金が18年度に廃止。
代替し得る所得確保の具体策がありません。
農産物を戦略的に輸出するっていうけど。それはそれで良いのだけど。価格ベースでは輸入額の10分の1です。