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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

デジタル化社会の光と影① 高度な「情報化社会」へ

2021-02-10 07:20:59 | 経済・産業・中小企業対策など
デジタル化社会の光と影① 高度な「情報化社会」へ
菅義偉内閣は、デジタル化の推進を最重要課題の一つに掲げています。デジタル化について、経済研究者の友寄英隆さんに寄稿をお願いしました。

デジタルとアナログ デジタル(digital)とは、「連続的な量を階段状に区切って数字で表すこと」。反対語のアナログ(analog)は、「数値を連続的な量として表すこと」。たとえば、時計の文字盤上を連続的に動く針で表すアナログ時計と、直接に数字で表すデジタル時計。固定電話はアナログ、スマホはデジタル。音楽のアナログ録音はレコード、デジタル録音はCD。フィルムに写すアナログカメラ、メモリーカードに保存するデジタルカメラ。

デジタル化の問題は、技術的な知識が前提になっているために、一般には、なかなか分かりにくいと思われています。しかし、デジタル技術の基本的な原理そのものは、分かってしまえば、たいへん単純なことです。決して難しいと敬遠する必要はありません。

0と1で表す
デジタル化の技術的な原理は、文字、画像、音声、動画などすべての情報を「0と1」の要素(ビット、情報量の基本単位)に徹底的に分割して処理することです。
例えば、文字情報でいえば、すべての文字に番号をつけて、二進法(0、1)で表します。画像や音声の場合は、縦横の微細なマス目に区切って、それぞれのマス目の情報を二進法の数字にあらわすと、「0と1」の要素に変換することができます。
このマス目のことを画素(ピクセル)といい、画素が多いほど精密な画像、正確な音声、動画に変換できます。ちなみに、最新のテレビ受像機の4Kテレビ、8KテレビのKは、キロ(1000)という単位を表します。4K=(横)3840×(縦)2160=約830万画素、8K=7680×4320=約3300万画素のことです(横の3840を切り上げると4K、7680を切り上げると8K)。



デジタル化による情報の送受信の原理

二つの特徴が
デジタル化の原理には、二つの重要な技術的な特徴があります。
一つは、あらゆる情報を「0と1」の要素に分解してとらえることは、さまざまな情報を数字に置き換えて計算式で表現できるということです。デジタル技術の原理に基づくコンピューターも、もともとの意味は「電子計算機」でした。最初は「計算機」という便利な事務機械にすぎなかったコンピューターが、人間社会のあらゆる情報―文字、音声、動画などを自由自在に扱う「デジタル情報機械」に発展してきたのです。
さらに、デジタル化の原理は、コンピューターを使って、人間の論理的な思考(推論・認識・判断)を計算式で処理する技術の道を開き、AI(人工知能)などの発達を促進しました。
もう一つは、あらゆる情報を「0と1」の二つの要素に変換することは、電気の二つの性質である電荷(+=正電荷、―=負電荷)に対応していることになります。情報のデジタル化は、数字、文字、画像、音声、動画などを電子回路によって処理できることを意味します。
あらゆる情報をデジタル化して電子回路に変換できることは、それを電気通信(テレコミュニケーション)による有線・無線の電波に載せて、さまざまな情報(画像、音声、動画)を瞬時に世界中に電送する可能性を生みだしました。
この二つの特徴のために、人類の情報の世界を根本的に変えることになりました。コンピューター、携帯電話(スマホ)、デジタルカメラ、デジタルテレビ、自動翻訳、インターネット、AI、などなど、これらの発達は、すべて目デジタル化の最先端の技術の応用によるものです。
言い換えるなら、デジタル技術の応用は、人間社会を高度な「情報化社会」に変えてしまいつつあるのです。
(つづく)(5回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年2月9日付掲載


便利な計算機に過ぎなかったコンピューターが、人間社会のあらゆる情報を自在に扱う情報機械に。
そして、電気通信に乗せて世界中に情報を瞬時に配信できるようになった。
アナログでは、コピーや配信するたびに情報が劣化していたが、デジタルではその心配もありません。
情報量も、デジカメの出始めは良くて800万画素だったのが、今はコンパクトデジカメでも2000万画素が普通に。