きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

高熱でも受診できない 感染急増 外来パンク 打開へ国の財政支援を

2022-08-02 13:44:33 | 新型コロナウイルス
高熱でも受診できない 感染急増 外来パンク 打開へ国の財政支援を
新型コロナ感染症の新規感染者が爆発的に拡大、全国で23万人と過去最多を更新するなか、高熱でも受診できない「発熱難民」が大規模に発生しています。政府は約110万人が自宅療養中としますが、そのほかにおびただしい数の国民が検査も診断もないまま放置され、命の危険にさらされています。 (内藤真己子)

千葉県流山市の東葛病院。早朝から発熱外来の整理券を待つ数十人が病院前に並んでいます。子どもを連れた母親の姿も。午前7時、防護服を着た病院職員が整理券を配り始めます。10分後、おとな用50人分がなくなりました。8時30分には1日20~40人の小児枠が終了しました。
「エッもうダメなんですか。昨日も断られたのにどうすればいいの」。同7時半に来て整理券をもらえなかった人が声を荒らげます。
「こんな光景が毎日。連日100人弱を診ていますが、数十人は断っている。受診は有症状者に限っていて7~8割が陽性。検査が圧倒的に足りていません。感染力の強いBA.5で医師にも感染が広がり、病棟の体制を削ってなんとか外来を維持しています。拡充ができない」。同病院副事務長の加川豊さんは苦渋の表情です。
東京都北区。王子生協病院の発熱外来にも患者からの問い合わせが殺到、受診まで4日待ちの日があります。「これまでと違うのは急激に受診者が伸びたこと。連休明けに1・5倍に急増した印象」と語るのは佐藤未智子総看護師長。1日20人の予定枠に50人以上を詰め込む日が続いています。患者は小児から高齢者まで全世代です。陽性率は上昇し濃厚接触者を含めて8割以上の日もあります。



発熱した子どもを連れた親が訪れる王子生協病院の発熱外来=7月下旬、東京都北区(同病院提供、一部画像加工)

医師・看護師の1割程度が感染や濃厚接触者で休み外来を増やせません。「電話がつながらず予約なく病院に来る方が増えていますが、断っています。地域の方から『どこも行くところがない』と訴えられ本当に心苦しい」。外来担当の廣川和恵看護師長の声が沈みます。
入院が必要な人は増加。コロナ病床を6床から12床に拡大しました。それでもほぼ満床。「高齢者はできるだけ受けるようにしているが救急搬送の受け入れが困難になってきています」と廣川さん。
首都圏の病院・診療所でコロナ医療の最前線に立つ日本共産党東京都委員会コロナ対策本部長の谷川智行医師は「岸田政権の無為無策と検疫緩和が感染爆発、発熱外来ひっ迫を招いた」と指摘。「打開には地域の医療資源の総動員が必要で、それには国が全面的な財政支援を行うことが欠かせません。コロナに係る犀減収補償、医師・看護師が感染した場合の補償、広域的な医師派遣・患者搬送などを国の責任で行うべきです。大本にある社会保障予算削減路線の転換が必須です」とします。


発熱外来パンク
休憩返上でも受診者の5倍断る、医療機関につながる仕組み必要

都内中野・杉並両区の1病院9診療所で地域医療を展開する社会医療法人社団健友会。通常診療の上にワクチン接種、発熱外来を行っています。発熱患者があふれ、休憩時間返上で診ても受診者の5倍近くを断らざるを得ない診療所もあります。
「患者増に伴い症状が重い人が現れ、外来受診で救急搬送が必要な人が出ています」。同法人の菅井一郎専務理事は語ります。「高齢者や基礎疾患のある人がすぐに受診できない事態になりつつある。一カ所でも発熱外来を増やすことが必要です。そのために国や自治体が財政支援するべきです。PCR検査をした医療機関に保険から支払われる診療報酬が当初の半分以下に減らされていますが言語道断。すぐに元に戻すべきです」と訴えます。
政府は発熱外来逼迫(ひっぱく)の緩和策として、抗原検査キットを配布し、症状のある人が自宅で検査して陽性なら医師が常駐する自治体の「健康フォローアップセンター」に連絡、発生届を出す仕組みの構築を自治体に求めました。
東京都は来月3日から20代を対象に検査キットの申請から陽性登録までをインターネットで完結する仕組みを導入する方針です。状況は改善されるのでしょうか。



コンテナやテントが並ぶ東葛病院の発熱外来=7月下旬、千葉県流山市(同病院提供)

練馬区の男性(29)は、連休中に39度の発熱がありました。近隣の発熱外来に600回近く電話してもつながらず、ようやく受診できたのは3日後でした。「高熱で驚きました。もっていた解熱剤は効かなかった。コロナなのか違う病気なのか不安でとにかく早く検査や診察を受けたかった。電話でも良いので医師に診てもらえることが安心につながります」と話しています。
前出の谷川医師は「受診の仕組みがないと発熱外来の逼迫解消にはなりません。自治体の『フォローアップセンター』の医師体制を拡充し、オンライン・電話診療と薬の処方、状態が悪化した場合に往診や受診、入院につなげられる仕組みと一体での構築が必要だ」と主張。「何より感染自体を抑える総合的対策が必要です」と訴えます。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年7月31日付掲載


発熱外来はパンク状態。千葉県流山市の東葛病院では、いちにちの整理券が大人が50枚、子どもが40枚。それもすぐになくなり、何日も待っているという人も。
受診は有症者に限っているので、当然のことながら7~8割が陽性。
日本共産党東京都委員会コロナ対策本部長の谷川智行医師は「岸田政権の無為無策と検疫緩和が感染爆発、発熱外来ひっ迫を招いた」と指摘。「打開には地域の医療資源の総動員が必要で、それには国が全面的な財政支援を行うことが欠かせません」
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