徹底追及 統一協会 新世事件編① 印鑑販売訴訟記録 ひと月で財産なくす
ここに一通の調書があります。2009年、統一協会(世界平和統一家庭連合)の霊感商法をめぐり、印鑑販売会社と社長らの有罪が確定した刑事裁判。調書は、元信者の女性が東京地裁の法廷で証言した記録です。
女性は、事件前にこの社長による「印鑑店舗からいかに信者をつくっていくかという流れの講義」を聞いたと証言し、こう振り返りました。
「講義が終わった後に講師が、『このラインに乗せると、ひと月で女性は全部自分の財産なくすんだよ』って…自慢げに話をしていた」「普通の人が印鑑を買っただけで…そこまでなってしまうということがものすごい」
統一協会の霊感商法で販売会社「新世」が客に購入させていた印鑑
入信も目的
この裁判で裁かれた販売会社「新世」(東京都渋谷区)は、通行人に「姓名鑑定をする」などと声をかけて事務所に連れていき、客の悩みや心配事は「先祖の因縁だ」と不安をあおり、印鑑を40万~300万円で売りつけていました。東京地裁は同社に罰金800万円、社長には懲役2年、罰金300万円、執行猶予4年を言い渡しました。
判決は、同社が「客を統一協会に入信させる…ことも目的として印鑑販売をしていた」と認定。販売手法と信仰が「混然一体」だったと指摘しました。
本紙はこの裁判の刑事確定訴訟記録の一部を入手しました。印鑑販売マニュアルや社長ら作成のレジュメなどの社内文書、社長や販売員、被害者の供述などが多数含まれます。
社内文書の一つ、レジュメ「2002年の渋谷フォーラムの役割」は、渋谷の活動拠点から押収されたハードディスクに入っていました。そこに露骨な文句が書かれています。
「SK(信者献金)を出させるのが最高の教育」「SKを出して教域、教区を積極的にサポートする」
販売員の使命は資金面で統一協会を支えることだと明示します。
献金が眼目
「サタンの所有を神の所有に返還する」という記述もあります。
この記述の意味の説明が、ある供述調書から見つかりました。別の元信者で印鑑販売員だった女性が、検察官に語っていました。
「この世のすべての財産をサタンの手から取り戻し、メシアである文鮮明を介して神にいったん戻すという教えがある」
「サタン」には統一協会の信者になっていないすべての人が含まれます。文鮮明は統一協会の開祖。人類から財産を取り上げ、文鮮明にささげる―。ここに統一協会の活動の眼目があることがうかがえます。
女性はこうも語っていました。
「信者が教えを守り、手にした報酬に限らず、借金してでもできるだけたくさん献金するのは当たり前と受け止められていた」(つづく)
(統一協会取材班)
訴訟記録から、09年当時の統一協会の行動原理の一端が浮かび上がります。5回連載で伝えます。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年8月26日付掲載
判決は、新世社が「客を統一協会に入信させる…ことも目的として印鑑販売をしていた」と認定。販売手法と信仰が「混然一体」だったと指摘。
「この世のすべての財産をサタンの手から取り戻し、メシアである文鮮明を介して神にいったん戻すという教えがある」
多く見積もっても、1万円にもならない印鑑を40万~300万円で売りつける。
そんな大金を、統一協会・文鮮明たちは何につかったんでしょうね。
ここに一通の調書があります。2009年、統一協会(世界平和統一家庭連合)の霊感商法をめぐり、印鑑販売会社と社長らの有罪が確定した刑事裁判。調書は、元信者の女性が東京地裁の法廷で証言した記録です。
女性は、事件前にこの社長による「印鑑店舗からいかに信者をつくっていくかという流れの講義」を聞いたと証言し、こう振り返りました。
「講義が終わった後に講師が、『このラインに乗せると、ひと月で女性は全部自分の財産なくすんだよ』って…自慢げに話をしていた」「普通の人が印鑑を買っただけで…そこまでなってしまうということがものすごい」
統一協会の霊感商法で販売会社「新世」が客に購入させていた印鑑
入信も目的
この裁判で裁かれた販売会社「新世」(東京都渋谷区)は、通行人に「姓名鑑定をする」などと声をかけて事務所に連れていき、客の悩みや心配事は「先祖の因縁だ」と不安をあおり、印鑑を40万~300万円で売りつけていました。東京地裁は同社に罰金800万円、社長には懲役2年、罰金300万円、執行猶予4年を言い渡しました。
判決は、同社が「客を統一協会に入信させる…ことも目的として印鑑販売をしていた」と認定。販売手法と信仰が「混然一体」だったと指摘しました。
本紙はこの裁判の刑事確定訴訟記録の一部を入手しました。印鑑販売マニュアルや社長ら作成のレジュメなどの社内文書、社長や販売員、被害者の供述などが多数含まれます。
社内文書の一つ、レジュメ「2002年の渋谷フォーラムの役割」は、渋谷の活動拠点から押収されたハードディスクに入っていました。そこに露骨な文句が書かれています。
「SK(信者献金)を出させるのが最高の教育」「SKを出して教域、教区を積極的にサポートする」
販売員の使命は資金面で統一協会を支えることだと明示します。
献金が眼目
「サタンの所有を神の所有に返還する」という記述もあります。
この記述の意味の説明が、ある供述調書から見つかりました。別の元信者で印鑑販売員だった女性が、検察官に語っていました。
「この世のすべての財産をサタンの手から取り戻し、メシアである文鮮明を介して神にいったん戻すという教えがある」
「サタン」には統一協会の信者になっていないすべての人が含まれます。文鮮明は統一協会の開祖。人類から財産を取り上げ、文鮮明にささげる―。ここに統一協会の活動の眼目があることがうかがえます。
女性はこうも語っていました。
「信者が教えを守り、手にした報酬に限らず、借金してでもできるだけたくさん献金するのは当たり前と受け止められていた」(つづく)
(統一協会取材班)
訴訟記録から、09年当時の統一協会の行動原理の一端が浮かび上がります。5回連載で伝えます。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年8月26日付掲載
判決は、新世社が「客を統一協会に入信させる…ことも目的として印鑑販売をしていた」と認定。販売手法と信仰が「混然一体」だったと指摘。
「この世のすべての財産をサタンの手から取り戻し、メシアである文鮮明を介して神にいったん戻すという教えがある」
多く見積もっても、1万円にもならない印鑑を40万~300万円で売りつける。
そんな大金を、統一協会・文鮮明たちは何につかったんでしょうね。