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あなたは顔で差別をしますか

2008-12-15 14:23:55 | 推薦図書
切ない本を読み終えました。
題名:あなたは顔で差別しますか? -「容貌障害」と闘った50年-
著者:藤井輝明 2008/8 講談社

ネパール出発直前、たまたまデパートの書店で見つけ、気になっていた本です。
著者は「海綿状血管腫」という病気で顔の皮膚が異常に盛り上がっているため、
その外見だけで、ひどいいじめや差別を受け、大変な苦労を乗り越えて来られました。
現在は
<顔に病気や傷などを抱える人たちに対する偏見をなくすために、
小・中・高校などでの講演・交流活動をはじめ、京都の人権・観光ガイドに関する
NPO法人遊悠舎「京すずめ」の理事としての活動や高齢者福祉入浴活動を先導するほか、
熊本県生涯学習センター講師やハンセン病患者が暮らしている国立療養所
「菊池恵楓園」にて看護部の研修指導にあたるなど幅広い社会活動を行っている。>
(藤井氏のHomepage: http://www.fujiiteruaki.jp/index.htmlより)

驚いたことに、私はネパールの首都カトマンズの仏教巡礼地ボダナートで、
12~13歳くらいの同じ病気の少年を見かけたのです。凝視したわけではないので、
そっくり同じ症状かどうかも、何人なのかも分かりません。でも、藤井先生の写真の
イメージにそっくりでした。彼は物乞いのため、観光客に近づいては追い払われていました。

カドマンズには下山後、3日間も居たので、スワヤンブナートやパシュパティナートなど
多くの寺院を見学しましたが、どこでも幼い子供や身体障害者、乳飲み子を抱えた母親がいて
物乞いをしています。昨年、インドに行ったときは、現地人ガイドから「彼らは裏組織の
指図で、仕事をしているのだから、お金をあげても殆ど上層部に吸い取られてしまう。
外見があどけなく、いたいけな子供も同じ。彼らは本来学校に行くべきなのだから、
路上で物乞いさせるべきではない。だから子供には特に、お金をあげないで欲しい。」
と、辛そうに言われました。

こういう人たちが溢れていること自体、気が滅入るのですが、やっている本人たちはもっと
辛いはずです。さらに海綿状血管腫の場合は、「容貌が普通じゃない」という理由だけで、
酷い扱いを受けてきた歴史があるようです。

映画「エレファント・マン」やミュージカルにもなった「オペラ座の怪人」も似たような
シチュエーションのようです。彼らが受けた非人間的な扱いは私の心を締め付け、
ストーリーを思い出すだけで呼吸が苦しくなるほどです。

現代社会ではさすがに、奴隷のような扱いはなさそうですが、藤井先生の言葉
<私も「キモイ、気持ち悪い、うざったい、バケモノ顔、とっとと死にやがれ」と
小さい頃から何千回と言われてきました。(本文106P.)>を読むと、
人間の残酷性は、いつになっても変わらないのだということが分かります。

では、私自身に何かできることがあるのでしょうか?
その答えが、以下の、藤井先生からの呼びかけです。

「私の活動は、私と共に学び、共に容貌障害のことを理解してもらえるような働きかけを
してくれる仲間を増やしたいという思いからです。容貌障害だけでなく、あらゆる障害、
あらゆる差別を経験した人、そういう場面に出会った人に、仲間になってほしいと
願っています。前にも書きましたが、容貌障害は、保障など社会の仕組みを考えると、
障害者という枠には入りません。でも、見た目が異なるというだけの理由で、差別され、
偏見の目で見られます。
それでも社会のせいばかりにしてはいけません。そんな弱い立場だからこそ、
声をあげていかなければならないというのが、私の信念です。」
(本文162ページより抜粋)

この声に応え、出来ることを始める・・・そういう意味で、私は自分のブログで宣言し、
仲間を募ります。
「全ての偏見や差別をなくすために、その運動に携わる人々の仲間になり、
できる力を出して、支えあっていきましょう!」
コメント
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