
勧めてくださる方があって、「横瀬浜三」氏の著書を探したら、
本命の「モデルは玄米菌だ!」は図書館になく、アマゾンでも売り切れ。
で、見つけたのが、近隣では世田谷図書館のみに所蔵されている
「天の穴、地の穴 野間宏 生命対話 立松和平・編」1991/12
カバー裏を見ると、「作家・野間宏は、日本の文学者として
初めて、生命操作・環境破壊に取り組んだ」と、あります。
侵略と専制の時代の生と死を分かつのが「地の穴」
オゾン・ホールに象徴されるものが「天の穴」
これらを「現代社会に通底する<生命>の問題として見据える作家だそうです。
この野間氏が13人の人と語った対談集で、
なかなか固い話です。
P.215 (横瀬氏談)「化学症」について研究を始めたのは、実は
自分自身が分析をやっていて身体を壊したことがひとつの理由。
どうも「ほとんどの化学産業、(中略)化学物質を製造しているほとんどの業務、
あるいは工場に、化学症および化学症患者が発生している」という知見のもと、
1967年ごろからデータを集め、「化学症」(三省堂選書)を上梓。
今では一般的に使われる「経皮毒」のこと、
アンモニアを使う「コピー産業」で目を傷めた可能性、
農薬散布時に、保護具が必要とわかっていても、効率を優先しがち、
などなど、個別には大丈夫かもしれないけれど、
長い目・広い眼で見れば、恐ろしいことかもしれないことなどが
色々語られます。
P.249 (野間)「日本人の男性には、自分が死ぬような危険にあっても、
家族に収入を運ぼうという考えが、かなり根深くあるんですね。」
う~む。本当???
オンナの私には理解しがたい考え方です。
少なくとも、私の父は、そういう考え方はしていなかったはずです。
横瀬氏の方は、もう少し穏やかな見方のようで、
P.258 組織内にあって、自由な人間の生命はどのような時に
最も生き生きと行動できるか」
追及したい、という感じの文章が示されています。
私も社会人になりたての頃は、青焼きコピーを作る仕事をたくさんしました。
あれは、安全だったのかなぁ?アンモニア臭かったかどうか。思い出せません。
幸いにも、勉学より運動が好きだった私は、意図しなくても
登山や球技などで汗をかくことにより、デトックスしてきたのだと思います。
でも、運動不足の現代っこや、カロウシ世代の虚弱な人たちの間には、
確実にアレルギーなどの症状が出ているようです。
だから、企業の中に<「化学症」対策をすることが当たり前>
という土壌を作ることが大切なようです。