p.109 介護の基本は食事介護、排泄介護、入浴介護の三つ。
これさえ土壇場までできれば、独居でも死の前日に
ご自宅のお風呂にお入れして、翌日見送ることができる・・・
上記のような在宅看取りを実践されている専門家の方たちがあげる
在宅で死ねるための条件は、
1.ご本人の強い意思
2.愛のある同居家族がいること
愛があるというのは「ここにいてもいい」ということ
ただ、愛があるだけでは十分ではなくて、介護力があること
3.地域に利用可能な介護・医療資源があること
4.最後にお金
日本の介護保険は終末期を支えきるには量が足りない
のでプラスαのお金を自己負担できるかどうかなのです。
著者の上野さんは「おひとりさま」ですから2の同居家族がいません。
そういう人でも在宅死が可能になる条件は、
p.111 ①24時間対応の在宅介護
②24時間対応の在宅看護
③24時間対応の在宅医療
p.112 一番大事なのは介護力で、次に大事なのは看護力、
医師は脇役でよいという順番です。
世田谷区内でも在宅診療をしてくれるお医者さんが増えていますし、
看護ステーションや介護福祉センターと連携して活躍中のチームもあります。
なのに、在宅介護が増えない理由は、抵抗勢力があるからだそうです。
p.112 一つ目:「こんな状態でひとりで家に置いておけない」という家族
二つ目:「こんな状態の患者さんを家に帰せない。ましてや誰も
いない家になんて絶対に返せない」という医療の専門家たち。
p.113 三つ目:施設の作り過ぎ
四つ目:あとちょっとのお金
p.118 末期までの介護・医療サービスの購入に50万円/月。
およそ半年間の備えがあれば、在宅でお見送りが可能
実は、「家で最期を迎えたい高齢者」は、結構資産や年金があるのに、
そのお金をこどもが管理していて、「使わない」し「使わせない」・・・
こんな家族なら、居ない方がよっぽど幸せかもしれません。
ま、一番大事な「本人の強い意思」さえ、簡単に崩れてしまうのが実態なので、
高齢ゆえに起こる体調不良や不安感のことを思うと、家族に丸投げしてしまう
気持ちも分からないわけではありません。
全部は書き写せませんので、興味がある方は是非本書を読んでくださいね。
出版された2014年から7年もたっていますから、改良が進んでいることを
願います。が、、、もし旧態依然だとしても、このような情報をしっかり掴み、
私たちは自分自身の最良の最期を自分でデザインするべきだと思います。