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突飛ともとられかねない<著者の論点>は、
p.120 胸を張る姿勢は交感神経を優位にし、高血圧を生みます。
そして、死亡率上位の癌、脳梗塞、心筋梗塞へと導きます。
p.121 副交感神経優位な丸い背中の姿勢が
病気になりにくい健康的な姿勢であることを世にひろめていきたい
(中略)国益を守るために明治維新前までは普通だった
丸い背中を普及させたいと思っている
その後、坂本龍馬や宮本武蔵、浮世絵の女性、千利休などや、
西洋の女王様の肖像画、モナリザ、マリーアントワネットまであげて
p.124 自然体の人間は、国を超え世界を超えて、巻き肩の丸い背中なのです。
p.125 なで肩で丸い背中。全く力が入っていない素晴らしい自然体です。
なで肩というのは胸を張っていてはできない姿勢なので
茶道のときに「背筋を伸ばし、胸を張らないといけない」という姿勢は、
明治維新以降に変えられた文化に違いありません。
私は茶道のことは全然知りませんし、著者がどの程度科学的見識や
エビデンスをもって「違いない」と断定しているのか、わからないので、
自分の感想のみを書いておきます。
私的には、肩をいからせて、平べったい背中より、少し巻いている肩の方が
美しいと思います。実際、知り合いのテニスや卓球の達人は巻き肩だったし、
ミュージカルダンスの先生もご自分で仰るに「巻き肩」だそうです。
でも、この本のイラストに出てくるような「猫背」じゃないです。
強いて言うなら、お腹が「ペッタンコを通り越して、えぐられたような凹み」
確かに背中側にお腹は湾曲しています。
お腹をえぐる(=Draw in!)
これはダンスシーンでも水泳のレッスンにも頻出の重要語句です。
著者のいう「反り腰・つま先重心」は確かに良くないと思いますが、
「猫背が良い」というタイトルは危険すぎると思います。
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