こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

美ヶ原での秋景、2010年10月 

2018-09-03 | 蔵出し

今日もまた霧に邪魔されたかと半ば諦めの心境に陥っていたとき、突然にも穂高連峰を覆い隠していた霧のカーテンが開きはじめた。私たちはカーテンよ完全に開けと願いながら、連峰の厳しい山容がはっきりと現れる瞬間を待った。

 

そして、王ヶ頭の先にある断崖の上で連峰の姿を眺めている人々がいることに気付いた。


残念ながら、その人々と出会うチャンスはなかった。もし出会っていたならば、この場面での感動と印象を互いに交換できたであろう。ともかく、この画面はいまでも脳裏に焼きついている。
 

 

「以前松本平の人々は、美ヶ原を東山、北アルプスを西山と呼んだそうだが、その西山の最重要部分、槍、穗高の連嶺を、東山からまざまざと眺めることが出来る。その豪快な山容を鑑賞するのに、最も適した距離である。その眺めに呆然としてから、眼を他へそらすと、別の山々が我も我もと名乗りをあげてくるのに接するであろう(深田久弥著、日本百名山(新装版)、新潮社、1993、61 美ヶ原)」

 

 

 

 

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撮影、2010年10月。