今年は山の花が良く咲いたような気がする。近所の山では、ジュニヒトエ(十二単)が例年よりも多く花を開いた。ジュニヒトエは、園芸目的の採取や生育環境の変化によって、近年は激減している。日本のレッドデータ検索システム(NPO法人野生生物調査協会など)によると、このものを絶滅危惧種、準絶滅危惧種、希少種に指定している都道府県の数は10を超えている。
これほどまでに舌形花が高く重なっている例は多くない(4月下旬、群馬県)。
ボランティア活動によって下草が刈られたので、例年よりも大きめの株が増えて、花の数も多くなった。
舌形花が柔らかな夕方の光を浴びる時間帯に再び撮った。
ジュウニヒトエとの花名は、女官の衣裳に見たてられて付けられたとも言われている。円錐形(画像のものでは円筒形に近い)の花が重なり合って咲く姿には、軟らかな光を浴びると優雅な雰囲気が漂う。このものはシソ科キランソウ属の多年草(高さは 20 cm程度)であり、日本固有種である。
図鑑では、花の色が薄紫色または白色であると記されている(増補改訂新版 野に咲く花、山と渓谷社、2013年)。ここでは、夕方の光のもとでは、花が十二単を想わせるかのように襲の色目(かさねのいろめ)を帯びることを付記したい。
やっと時間が取れたかな、といった今日この頃です。
環境の変化も困りものですが、盗掘は寂しいですね。
こちらでは珍しい花が野山に咲いていても、盗掘はありません。
僕が尊敬するロキ・シュミット女史の言葉です。
「いつも観察しなさい、でも摘んじゃあダメ」
そして昔、僕は山男だったのですが、花は撮るもので、盗るものではない、と教わりました。
富士山の笠雲、話には聞いていますが見たいですね。
八ヶ岳は昔よく登ったので、名前が出てくると懐かしいです。
すばらしい写真をありがとうございました。
コメントをいただきありがとうございます。
盗掘で山の花が減るのことは残念です。
「花は撮るもので、盗るものではない。」は名言ですね。
近所の山の草花の保護活動にボランティアとして参加するように
なってから、私はときどき盗掘の現場を見るようになりました。
自分ができることして、貴重な固有種が生えている近所の山での
植生保護動に参加しています。
富士山、八ヶ岳、浅間山などとは離れた場所に住んでいますので、
これらの山々の夕景でのシルエットに、ついつい惹かれてしまいます。
これからも、コメントをお待ちしています。