3月21日(土)東京国際フォーラムで《親鸞フォーラム》が開催された。
作家の五木寛之さんの講演『人間親鸞のすがた』を聞いた。
講演の中で、五木さんが『口伝鈔』から引いた話が面白かった。
別離などの苦しみにあって、歎き苦しむ人達への対応についてである。
親鸞全集別巻 石田瑞麿訳 春秋社 からの現代語訳で紹介する。
別離などの苦しみにあって、歎き苦しむ人達には悲しみをさらに悲しみを添えるようななぐさめはけっしてしてはいけない。もしそのよにすれば、慰めたのではなくて、ますます悲しませたことになるだろう。酒には憂いを忘れるという名がある。これを勧めて、笑いが起こるぐらいに慰めて去ったよい。それでこそ慰めたのである。と親鸞聖人は仰せられた。
原文では、
「酒はこれ忘憂の名あり。これをすすめてわらうほどになぐさめてさるべし。さてこそとぶらひたるにてあれ」
この文の「わらうほどになぐさめてさるべし」が良いですね。
グズグズ・ベタベタしないで「さる」と教える、親鸞聖人は素敵です。
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