区中央図書館に出かけ、新刊書コーナーから次の1冊を借りてきた。
『世阿弥の稽古学』 西平 直 [著]
東京大学出版会 2009年11月20日 初版
本書の中では、「稽古」と「教育」とを区別している。
とはいえ、教師にとってヒントの多い1冊である。
機会を作って、くりのみ会でも取り上げたい1冊である。
「教育」と「稽古」は区別される。「近代教育」の「教育」は原則として「すべての子ども」を対象にする。それに対して「稽古」は、その道に入門した者だけを対象にする。まして世阿弥の場合、申楽の後継者しか年頭にない。また「師匠」と「教師」も違う。「稽古」において弟子たちは師匠と同じ芸境目指す。それに対して「近代学校教育」いおいて、生徒たちは教師なる。教師を目指すわけではない。学校は教師という特殊な専門技能を伝授する場ではない。すべての子どもが共有すべき一般教育(共通教養)を目指している。そこで、「稽古」と「教育」を一旦区別する。区別した上で、その関係を問う。
結構はまりそうな1冊です。
【落穂拾い】しながら読み進めようと思います。